第175話妖魔銀行と天聖銀行

 アオイ:魔界宇宙4大メガバンク。その一角の妖魔銀行を執拗に狙う天聖銀行。被害者である妖魔銀行の朝倉善影あさくらよしかげ頭取本人さえ理由がわからないようですね。ホント、ストーカーみたいで迷惑です。今回はそんな朝倉頭取のもとに同じ4大メガバンクの黒煬銀行こくようぎんこう頭取のエリカ・カズクラフトさんが訪ねて来たようですね♪


 魔界時間11:00 バンクフルト合衆国 妖魔銀行本店


 頭取執務室


 モニターに映る受付嬢


 受付嬢:頭取、黒煬銀行のカズクラフト頭取がおみえになっておりますが。如何致しましょう?


 善影:私が呼んだんだ。通してくれ。


 受付嬢:承知しました。


 トランスポーターで転移するエリカ


 善影:待ってましたよエリカさん。


 エリカ:話って何?


 善影:実は天聖銀行についてでして。


 エリカ:そういえば何であんな執拗に嫌がらせされてるの?何か恨まれる様な事したの?


 善影:実のところ私と天聖銀行のビル・ゴットフリー頭取との接点は何1つ無いのですよ。テレビやネットでは知ってますが、実際話す事はおろか会った事すらありませんから。


 エリカ:それなら尚更わからないわね。


 秘書:あの・・・


 善影:ん?どうしました?


 秘書:関係あるかどうかわかりませんが・・・


 善影:構いません。今はどんな小さな情報でも欲しいところですから。話してください。


 秘書:実はギャンブレット帝国の国営カジノに天聖銀行のギャンブレット支店の支店長が居たのですが。この支店長、相当なギャンブル依存性で。その上勝負運が絶望的に無く、当行のギャンブレット支店へ土地の権利書を担保にお金を借りてるんです。


 善影:何だって⁉︎それは初耳ですよ!


 再びモニターに映る受付嬢


 受付嬢:接客中失礼します。DNSグループのレイラ・A・壱宮社長がおみえになっていますが、如何致しましょう?


 善影:壱宮社長がですか?


 受付嬢:何処で聞きつけたのか、天聖銀行ギャンブレット支店長が土地の権利書を担保にしなかったかと聞いておりますが。


 善影:一体何処からそんな情報を・・・まぁいい。お通しして。


 トランスポーターで転移するレイラ


 善影:さ、こちらへ。


 レイラ:早速だけど。


 善影:土地の権利書ですね。


 レイラ:うん。その権利書もしかして天聖銀行所有の旧大金庫があるトレーズタウン全体じゃないかなぁって。


 善影:少々お待ちを。


 デバイスで通話する善影


 善影:私です。大至急確認してもらいたい事が・・・・ええ。天聖銀行ギャンブレット支店長が担保にした権利書が何処の土地の権利書なのかです。・・・そうですか。有難うございます。


 エリカ:わかったの?


 善影:ええ。レイラさんの言う通りトレーズタウン全体の権利書でした。


 レイラ:これでハッキリした!嫌がらせされている理由わかったよ。その権利書が目当てなんだよ『これ以上嫌がらせされたくなければ権利書を渡せ』ってね♪


 善影:一体あの土地に何があるのですか?


 レイラ:必要なのは土地じゃなくて『旧大金庫の中身』なんだよ。


 善影:中身?


 白い小箱から発見された告発文書の事を話すレイラ


 善影:その告発文書の原紙がその旧大金庫の中に!


 エリカ:銀行に土地の権利書を担保にするとその銀行の頭取の特別な印鑑を押さないと結界が解除出来ないんだよね。


 善影:成る程、致命的な証拠を私に握られている型だからですか。


 レイラ:ソレ取りに行きたいんだけど、『許可証』発行してくれない?印鑑以外で結界に入る方法それしかないから。


 善影:わかりました。直ぐに発行しましょう。


 エリカ:よし、こっちは『あの人』に保険で助っ人になってもらおうかしら。


 善影&レイラ:助っ人?


 エリカ:今は、ひ・み・つ♡











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