第236話神官ウツロ

 アオイ:国土争奪戦争トレイント共和国戦に向けライコウ皇国同様仮同盟を結ぶため来国するアリス女王様。接待のため先に来る予定の八岐大蛇やまたのおろち様を迎えるために杏姫様が先に来ていたようですね。・・・あら?あそこに何処かで見た方が。


 魔界時間10:00 トレイント共和国首都ステーショナリア


 首都国際ターミナル


 杏:ほわ〜!でんしゃがいっぱいです♪


 ミランダ:全魔界宇宙の鉄道の始点ともいうべき魔界宇宙最大の国際ターミナル。天界にも通じているそうだ。


 ハル:それにしてもライコウ皇国の時もそうだが、何故陛下は国土争奪戦争の前に仮同盟を結ぼうとするのだ?いつものように国土争奪戦争の後にすれば良いものを。


 ミランダ:ふっ。バイオロイドのヴァルキリーのおつむじゃ柔軟な発想は無理か♪


 ハル:喧嘩売ってるのか?表出ろ。


 ミランダ:あ?


 杏:ふたりともけんかですか?おしおきするですか?


 閻魔の鈴を出す杏


 ミランダ:ちょ!お待ちください姫様!


 ハル:け、喧嘩ではありません・・・スキンシップ。そう!スキンシップですよ!


 杏:ふ〜ん。


 ミランダ:で、ですからその物騒な物はしまってください!・・・ね?後生ですから!


 杏:けんかじないならいいです。


 閻魔の鈴をしまう杏


 ソロモン:主人よ。


 杏:う?


 ソロモン:あそこにいるのは・・・妖精か?


 杏:あ!ハナしゃんです!


 ハナに駆け寄る杏


 杏:ハナしゃん!


 ハナ:え?杏ちゃん⁉︎


 ミランダ:貴様。姫様に馴れ馴れしいな。


 杏:ミランダしゃん!ハナしゃんはいいんです!


 ウツロ:あら〜?この可愛らしい子はハナちゃんのお友達?


 アオイ:彼女の名はウツロ・アマノさん。宗教超大国ライコウ皇国の4宮司の1人。雨天神宮のアマミヤ宮司の側近の神官さん。種族は妖怪雨女ですよ。


 ハナ:はい!シルフィード王国の王女様です!


 ウツロ:お日様の様にポカポカする子ねぇ♡


 杏:ポカポカですか♪


 ウツロ:お花も大好きよ〜♪


 杏:おはなですか!


 ミランダ:ハナ。いい加減止めないと延々と続くぞ。


 ハナ:そ、そうですね。ほら、ウツロ様!そろそろ行かないとパンダクラフ副大統領との会談の時間に間に合いませんよ!


 ウツロ:ん〜?そうね〜♪・・・あ〜。蝶々♪


 蝶を追いかけていくウツロ


 杏:ちょうちょどこですか!


 ソロモン:主人よ。そろそろ時間では?


 ハル:あ!そうだ!姫様!


 杏:う?


 ハル:もう直ぐ八岐大蛇様来ますよ!


 杏:それはいけないです!ハルしゃんかたぐるまです!


 ハル:はい!


 天界国賓専用ホーム


 和装の男性:ふぅ!やぁっと着いたか!


 杏:まにあったです!


 和装の男性:あ?何だこのちっこいガキは?


 ミランダ:今のは聞き捨てなりませんね。『八岐大蛇』様。


 アオイ:この方こそ、天界宇宙のNo.2の『14天界王』の1柱の八岐大蛇様。本来は八つの首の大蛇ですけど、普段はこの姿なんですよ。しかも天界宇宙1の武人の1柱なんです。そして自然界を司る神の王様なんですよ♪


 八岐大蛇:わざわざすまねえな。ナレーターの姉ちゃん♪で、この嬢ちゃんか?俺達を接待してくれるのは?


 八岐大蛇の前を横切るウツロ


 ウツロ:蝶々待って〜♪


 ハナ:すみません!すみません!ウツロ様待ってくださーい!


 八岐大蛇:な、何だアイツ等は。お前の知り合いか?


 杏:あい!ようせいさんのほうはおともだちです!


 八岐大蛇:あの妖精、苦労してそうだな。・・・さて、クロノスの爺さんは明日来るって言ってたな。じゃ、先ずはホテルへ案内してもらおうか。


 杏:あい!


 八岐大蛇:(アマテラスの姐御とオーディンの爺さんはえらく気に入ってたみてぇだが。どんな接待するんだ?ま、どうせ定番の超高級ホテルのロイヤルスイートだろ・・・つまらないぜ)


 杏:ここです!


 八岐大蛇:(おいおい、ここって・・・民宿だぁ?)


 杏:おばあちゃーん!


 老婆:お〜お〜。杏ちゃん。よ〜来たねぇ♪兄ちゃんもよう来なすった。ささ、奥へどうぞ♪


 八岐大蛇:(こいつぁ。どこか懐かしい感じのトコじゃねぇか。フッ。悪くねぇ♪)


 老婆:兄ちゃん酒はいける口かい?


 八岐大蛇:大好物だぜ〜♪


 老婆:じゃ、イケメンの兄ちゃんにはこれを開けようかね〜♪


 八岐大蛇:(ちょ!こいつぁ何の冗談だぁ?天界でも滅多にお目にかかれねぇ幻の銘酒『黒乃神酒くろのみき』じゃねぇか!まさかこの嬢ちゃんこれを知っててこの民宿を俺達の宿泊先にしたってのか?だとしたら大したタマだぜ♪)


 部屋の窓を開けて外を眺める八岐大蛇


 八岐大蛇:ただの安民宿と思ったらなかなかどうして、良い眺めじゃねぇか♪それに酒の肴に白魚の天麩羅ときたもんだ♪・・・ん?


 ウツロ:蝶々〜♪


 ハナ:ウツロ様〜!いい加減行かないとー!


 八岐大蛇:はは。あの妖精の嬢ちゃんもホント大変だな♪


 杏:どうですか?


 八岐大蛇:良いねぇ。気に入ったぜ〜♪


 杏:よかったです!


 八岐大蛇:いきなりコレだからなぁ。こいつぁ接待が楽しみだぜ♪


















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