第16話地方分権

 深淵の森探索を終え、探索組・留守番組双方新たな住人の顔合わせとなり、首都圏も着実に安定しつつある中シルフィード王国は次の問題に直面するのであった。


 魔界時間20:00 魔界宇宙中枢魔王界 帝王都『サタンヘイルダム』商業エリア デュラム重工グループ本社ビル


 デュラム社長:期待の新興国シルフィード王国進出、ヘルトランスポート社に先を越されたか・・・・


 営業部長:シルフィード王国への人脈づくりの根回しが思いの外後手にまわりまして・・・


 デュラム社長:まさかあのグローバリア公国を退けるほどの実力があったとは。この出遅れ、かなり・・・・痛い。


 営業部長:申し訳ありません!


 デュラム社長:そういえば、風祭建設が今シルフィード王国の首都建設の全権を担っていたな!


 営業部長:魔界宇宙財界最強に君臨する『トゥエルヴ』に届く勢いのあるあの大手ゼネコンの?


 営業部長:係長、君確か風祭建設の秘書室長の名刺持ってたな!


 営業部係長:は、はい‼︎


 営業部長:至急にコンタクトとってくれ!


 営業部係長:は、はい!ただ今‼︎


 デュラム社長:これで我が社も勝ち馬に乗れるぞ!


 同時刻 シルフィード王国 大会議場


 アリス:たっだいまぁ・・・


 麗華:お帰り、アリスは〜・・・


 アリス:え?


 麗華:え?


 アリス:その子・・・


 麗華:その人・・・


 アリス&麗華:誰?


 互いに情報交換をする


 麗華:だ、だだだだ、妲己様ーーーー⁉︎


 アリス:アナスタシアちゃんがお姫様ーーーーー⁉︎


 アナスタシア:え〜・・・、まぁ・・・・そういう事になるわね。


 ヴィオラ:コホン!それでは皆様が揃ったところで新たな案件に移りたいのですが?


 アリス:え?あ〜、うん。お願い。


 ヴィオラ:では・・・


 中央のモニターに国の地図を浮かべるヴィオラ


 ヴィオラ:ご覧の通り、我が国の首都圏建設計画は風祭建設の全面協力のお陰で大分落ち着いてきました。そこで次は未だ地方統治体制が不安定なこの件に着手していきましょう。


 シオン:・・・・・・・・・・・・・


 クラリス:え?『市長を主体とした都市構想にするか、貴族による領邦制にするかで大きく変わる』ですって?


 麗華:すっかりシオンの通訳になりはったなぁ〜、クラリスはん。


 アリス:う〜ん、地方分権ってやつかぁ〜。


 静香:ふむ、流石にこの広大な国土を我等中央政府だけで切り盛りするのは困難であろう。


 アナスタシア:アリス、なんか静香さんの喋り方変わってない?(小声)


 アリス:あ〜、アレ静香ちゃんの『武人モード』だね。鍛錬とかになるとああなるんだ。多分鍛錬の余韻がまだ残ってるんだよ(小声)


 ヴィオラ:それで、如何なさいましょう?陛下。


 アリス:この地は無所属の頃各集落を貴族が統治してたんだっけ?


 ヴィオラ:はい、東西南北に分けこの地で4大貴族である各公爵家が、それに次いでその傘下の貴族が細かい集落を統治しております。


 アリス:う〜ん・・・そだね〜、いきなり統治体制変えて困るのは領民だから、このまま貴族全てウチの国に加わってもらおうか。


 ヴィオラ:では4公爵を招集してその是非を問いましょう。


 アリス:そだね、じゃあ皆んな、反対の人は起立して〜


 全員座ったまま誰も起立しない。


 アリス:じゃ、全会一致という事で!





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