第15話勇者アナスタシアの災難

 深淵の森探索に出かけたアリス一行、一方留守番組では新たな『来訪者』が現れるのであった。


 魔界時間6:09 王城大会議場


 麗華:はぁ〜・・・・


 シオン:・・・・・・・・


 麗華:悪いけどアンタの言いたい事分からへんねや。


 アナスタシア:『仕方ないだろ。我々は国の財務・国務の要、閣僚クラスが全て出払うのは得策ではない』だって。


 麗華:あ、アンタ!いつの間にシオンはんの言う事分かるようになったん⁉︎


 アナスタシア:割と最近よ。コツを掴めば意外と簡単よ♪


 シオン:・・・・・・♪


 左右にユラユラ揺れるシオンのアホ毛


 アナスタシア:え?『流石、分かる奴には分かるんだな♪』って?


 衛兵:執務中失礼します‼︎


 麗華:どないしたん?今ウチ等忙しいねんけど。


 シオン:・・・・・・・・・・


 衛兵:『私で良ければ聞こう』でありますか!


 シオン:・・・コクン


 衛兵:では報告致します!先程ヘルトランスポート・シルフィード王国支社工事現場にて空間転移事故発生!


 シオン:・・・・・・・・


 衛兵:被害状況でありますか?死傷者はいません!ただ、事故により発生したワームホールより王族と思われる人間の女性が転移したとの事で、憲兵が詰所にて事情を聴いてる次第であります!


 シオン:・・・・・・・・・・


 衛兵:『それで?身元は分かったのか?』でありますか?ハッ!自分はシールズ帝国の者と本人が言っており、現在閻魔庁からの身元確認待ちの状態であります‼︎


 アナスタシア:し、シールズ帝国⁉︎


 麗華:アナスタシアはん、どないしたん?


 アナスタシア:そ、そのシールズ帝国の者という女性はエメラルドグリーンのショートヘアじゃなかった?


 衛兵:え、えぇ。その通りで。どうしてそれを?


 アナスタシア:ご、ゴメン2人共。私急用が出来た!


 麗華:アナスタシアはん、その女性に何か心当たりがあるんとちゃうん?


 アナスタシア:と、兎に角私はこれで・・・


 エメラルドグリーンの髪の女性:失礼しますわ!


 麗華:あら噂をすれば。


 コッソリ去ろうとするアナスタシア


 クラリス:私、シールズ帝国皇女 クラリス・L・シールズと申します!ここがアナスタシア様が最近通っている魔界の国と聞きアナスタシア様を探しに参りましたのですが、御二方ご存知ありませんこと?


 麗華:アナスタシアはんやったらホレそこに。


 アナスタシア:そろ〜り・・・・⁉︎


 クラリス:アナスタシア様!


 アナスタシア:あ〜、見つかった。


 麗華:お知り合い?


 クラリス:知り合いも何も、この方はグラスト王国騎士団長にして王女、時期女王のアナスタシア・グラスト姫ですわ!


 麗華:アナスタシア・・・・姫⁉︎


 アナスタシア:あちゃ〜、もうバレた。


 麗華:でもアンタ、アナスタシア・ディバリーとちゃうん?


 アナスタシア:ディバリーは母の旧姓なのよ。王族が騎士団長やってたら萎縮すると思って身分を隠してたのよ。


 麗華:ほ〜ん、そうどしたか。


 シオン:・・・・・・・・・


 クラリス:え?『私達にも正体隠してたのも似た理由なのか?』ですって?


 麗華:あ、アンタも分かるんどすか⁉︎


 クラリス:え?割と簡単ですわよ?


 麗華:何でみんな分かるんえ?


 シオン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 クラリス:ふんふん成る程『お前は色欲の邪念が強すぎるから私のいう事が分からないんだ。静香やアナスタシアは武を嗜むから精神の鍛錬されているし、アリスやクラリスは邪念が全く無いからだ。』だそうですわ。


 麗華:じゃ、邪念・・・


 シオン:・・・・・・・・・・


 クラリス:ほうほう、『これからはアリスやクラリス達を見習って邪念を祓う鍛錬でもする事だな』って?


 麗華:お、大きなお世話や!

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