第320話クイーンサタナキア号(前編)

 アオイ:南国の楽園と聞いて連想するものの1つ、それは豪華客船ですね。魔界宇宙に数ある豪華客船の中でも特に豪華なのが今回のお話に登場するクイーンサタナキア号です。おや?そこに1柱の猫神様が乗船するようですね。


 魔界時間10:00 本島トワイライト島 港


 ヒロ:おやっさん!早く早く!もう直ぐ出航ですよ〜!


 アオイ:この人は4界警(4界宇宙統合国際警察)の刑事さんで犬の獣人族ヒロ・法師さんです。


 ゲン:そんなに急かさなくても大丈夫にゃ。


 アオイ:そしてこちらは猫神族のゲン・サトウ警部。2人は4界警の特権課(特別権力強制取締課とくべつけんりょくきょうせいとりしまりか)の上司と部下です。


 ゲン:お前の運も相当凄いにゃ♪クイーンサタナキア号って言ったら魔界宇宙3大豪華客船の一隻じゃないか。当選率0.0000001%のペアチケットを当てるとはにゃ。


 ヒロ:一生分の運を使った気分ですよ〜♪


 アナウンス:まもなく当船は出航いたします。乗船予定のお客様はお早めにご乗船願います。


 ヒロ:ほら!もう直ぐ出航ですよ!


 ゲン:今行くにゃ。


 クイーンサタナキア号 客室


 ヒロ:凄いですよね〜。街1つ丸ごと船って感じで♪


 ゲン:あんまり広いのも考えモンにゃ。専用のマップアプリが必要なんだからにゃ。


 ヒロ:ホテルエリアに、ショップエリア。プールエリアにアミューズメントエリアまである♪あ!グルメエリアも外せないなぁ♡


 ゲン:お!俺はこのスパエリアだにゃ♪


 船員:サトウ警部!貴方は4界警特権課のサトウ警部ですよね?


 ゲン:ああ。何かあったのかにゃ?


 船員:詳しい話は現場で、兎に角来てください!


 ゲン:やれやれ、満足にバカンスも出来ないのかにゃ。いつまで眺めてる。行くにゃよ!


 ヒロ:は、はい!


 同時刻 プールエリア


 ジョン:クイーンサタナキア号、魔界宇宙3大豪華客船。ここに届けられた予告状。これが果たしてこの予告状が『怪盗ルージュ』のものか否か・・・


『今宵魔界の至宝の1つ、サタナキアの涙を頂きに参上します 怪盗ルージュ』


 アオイ:この方はワイバニア芸術文化大学で犯罪心理学を研究しているジョン・ポワロ教授。種族はワイバーン族です。


 船員:ポワロ教授!こちらでしたか‼︎


 ジョン:どうされました?


 船員:当船の目玉であるサタナキアの涙が・・・消えました‼︎


 ジョン:なんですって⁉︎


 船員:今偶然にもご乗船なさっていた4界警のサトウ警部が現場検証をしています。教授も現場へ来てください!


 ジョン:ほお、『タイムロード王国の英雄』ですか。会うのが楽しみです♪


 展示エリア最奥『サタナキアの涙』専用展示室


 ゲン:ここのセキュリティはどうなってるのにゃ?


 船員:空間感知式の監視カメラがあります。展示時間外に侵入すると次元牢に即転送される仕掛けになっています。


 ゲン:展示時間内の犯行というのは?


 船員:あり得ません。ご乗船のお客様には必ずDNA登録をしていただいており、監視カメラにDNAデータを取り込んでいますので万に1つも部外者の侵入を許しません!


 ゲン:ではDNAデータを防犯システムに登録した乗客という可能性は?


 船員:そ・・・それは!


 ジョン:なかなか良い着眼点ですね。サトウ警部♪


 ゲン:魔界宇宙学界の名探偵のお出ましかにゃ。何か言いたげだにゃ。


 ジョン:果たして『防犯登録した乗客だけ』なのでしょうか?


 ゲン:にゃんと?


 ジョン:乗客以外の可能性、それは・・・


 後編に続く・・・







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