第248話猫神警部と悪魔の女と人の幼女

 アオイ:国土争奪戦争トレイント共和国戦が刻一刻と迫る中。1人の人界の女の子が迷い込んだ様です。今回はシエルさんがトレイント共和国に出張する少し前のお話。


 人界時間 11:00 ロシア首都モスクワ郊外とある民家


 リタ:パパ〜!ママ〜!


 アオイ:この子はリタ・ヌルマユ。何処にでも居るごくごく普通のご家庭のお子さん。年齢は3歳。杏姫と同い年の子ですね♪


 パパ:リタが産まれてもう3年になるかぁ。・・・うぅ。こうしてお嫁さんになるのだな。パパ・・・寂しいぞ!


 ママ:まだまだずっと先の話じゃないの。もぉパパったら♪


 リタ:う?これはなぁに?


 目の前の穴を覗くリタその時地震が起こる


 パパ:うお!これは大きいぞ!


 ママ:リタ!こっちおいで・・・リタ?リタ⁉︎あなた!リタが居ない!


 パパ:なんだって⁉︎


 魔界時間8:45 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア


 朝唯コンツェルン本社


 シエル:トレイント共和国行きの便は手配出来た?


 アオイ:ここから始めて読む方のために。この方は魔界宇宙財界において5本の指に入る大財閥、朝唯コンツェルンの総帥。種族はベリアル公爵分家のベリアル族。ダークエルフとのハーフだけあって物凄い美人さんですね♪


 秘書:ありがとうございますナレーターさん。


 シエル:ちょっとアンタ誰と話してるの?


 秘書:あ。いえ、なんでのありません。手配の方は滞りなく♪


 シエル:宜しい♪


 秘書:その前に4界宇宙行政特区へ行ってもらいます。


 シエル:あ、パスポートの更新か。


 同時刻 レイブンセキュリティ本社


 ミシェル:さあ!今日はあの天界宇宙最高権力者のNo.2『14天界王』様の護衛依頼っスよーー!


 アオイ:この方は魔界宇宙第2位の警備会社レイブンセキュリティ社の社長さん。種族はソロモン72柱第15位侯爵級騎士悪魔エリゴス族でとても強いんですよ♪


 ミシェルの襟元を掴む秘書


 ミシェル:ぐえ!


 秘書:そ・の・ま・え・にパスポートの更新!まさか忘れたわけじゃないですよね?


 目が泳ぐミシェル


 ミシェル:も、ももも勿論お、覚えてるっスよ!


 秘書:・・・・はぁ。まあ良いでしょう。


 同時刻 4界宇宙境界宙域 4界宇宙行政特区


 アオイ:ここは天界でもあり、魔界でもあり、冥界でもあり、人界でもある4界宇宙の治外法権の領域。4つの宇宙を行き来するシエルさん達のパスポートは特別製でここでしか発行されないのですよ。


 4界宇宙統合国際警察 特別権力強制取締課


 アオイ:4界宇宙統合国際警察。4界宇宙の警察の目指す最終目標。そしてここは普通の警察では取り締まれない首脳や政治家クラスを取り締まれる所なのです。


 鈴:あ!おやっさん♪


 この方は魔界宇宙国際警察から選ばれた黒川鈴警部。種族は鬼族。最近では天界宇宙中央政府の闇の根源だった袋井耀蔵ふくろいようぞうを逮捕した有名人ですよ。


 ゲン:おう。帰ったかにゃ。


 アオイ:そしてこの方は天界宇宙国際警察から選ばれたゲン・サトウ警部。種族は猫神様。この特権課で1番の古株。愛称はおやっさん♪


 ゲン:さて・・・ちょっくら出てくるにゃ。


 鈴:調べ物でしたっけ?


 ゲン:ああ。


 30分後 行政特区中央広場


 リタ:ここ・・・・どこ?パパ〜!・・・ママ〜!


 両親を探して足にぶつかるリタ


 リタ:あう。


 天界中央政府議員:グッ!き、貴様!私を天界中央政府上院議員と知っての事だろうな?


 リタ:・・・・うえ〜ん!


 天界中央政府議員:泣いてないで何とか言ったらどうだ!


 振り上げた拳を掴むミシェル


 天界中央政府議員:な!何をする貴様!


 ミシェル:こんな小さな子相手にな〜に熱くなってるっスか?しかも人間の女の子じゃないっスか。


 天界中央政府議員:何を言うか!このガキは恐れ多くも神である私にぶつかってきたのだぞ!


 恐ろしい殺気を放ち睨み拳を握りしめて構えるミシェル


 ミシェル:な・に・をしようとしているのかって聞いてるんスよ。


 天界中央政府議員:き、貴様!その手は何だ!その手は‼︎そんな事してただで済むと思っているのか?見たところ何処ぞの企業のトップのようだが、民間魔族が神族の中央政府議員に怪我させてただで済むと思ってるのか?お前のところの社員が路頭に迷えばお前は一生恨まれるのだぞ!


 ミシェル:生憎ウチの社員にそんな器の小さい奴は1人もいないっス。むしろよくやったよって称賛してくれるっスよ。


 天界中央政府議員:ヒッヒィーー!


 シエル:ミシェル!


 ゲン:やれやれ、気持ちの良いくらい優しい悪魔のお嬢さんにゃ。そこのお嬢さん。


 シエル:え?私?


 ゲン:そう、アンタだよ。見たところ結界魔法が得意と見たが?


 シエル:え、ええ。


 ゲン:今からその子の情操教育によろしくないものを見せる事になりかねないから視界と音を遮る結界をその子に張ってくれないかにゃ。


 シエル:それは・・・良いけど。何する気?


 ゲン:そいつは見てのお愉しみにゃ♪


 シエル:お嬢ちゃん。ちょっとの間この中でお姉さんと待ってようね♪


 リタ:うん!


 結界に入る2人


 ゲン:さてと・・・お嬢さん。アンタも退いてにゃ。


 ミシェル:でも!


 ゲン:こんな下衆野郎でお嬢さんの拳を汚すわけにはいかにゃいんでね。お願いだから言う事聞いてくれねぇかにゃ?


 ミシェル:あ・・・うん。わかったっス。


 天界中央政府議員の手を離すミシェル


 天界中央政府議員:ハハハ!助かったぞ♪


 正拳突きの構えをするゲン


 天界中央政府議員:・・・・・え?


 力一杯殴るゲン


 天界中央政府議員:グフッ!・・・き、貴様!こんな事してただで済むと思ってるのか!


 ゲン:済むさ。


 警察専用デバイスのエンブレムを見せるゲン


 天界中央政府議員:し・・・4界警。しかも特権課・・・だと⁉︎


 ゲン:これなら文句ないにゃ?容疑は良心ランクSSS女児恫喝の現行犯だ。


 天界中央政府議員:何を言う!貴様!私のバックに誰が控えてるか知っているのか!


 ゲン:ああ。知ってるにゃ。・・・さて、クロノスのオヤジさんは元気かにゃ?


 天界中央政府議員:な、何故14天界王西洋サイド刻の神王クロノス様の名前が出てくるのだ⁉︎


 デバイスの画像を切り替えてクロノスと握手する記事を見せるゲン


 天界中央政府議員:そ・・・それは!・・・ハッ!まさか貴様はクロノス様の統治する『タイムロード王国の英雄』か!


 ゲン:昔の話だにゃ。つまりクロノスのオヤジさんは俺に『大きな借り』がある。もし俺がクロノスのオヤジさんに恐れながらと泣きついたらただでは済まないのはお前さんの方じゃにゃいのか?


 天界中央政府議員:ハ、ハハハハ!いや〜。君も人が悪い。そ、それならそうと最初から言ってくれれば良かったものを!そ、それでは私はこれで。


 その場を去ろうとする天界中央政府議員


 ゲン:待ちにゃ。


 天界中央政府議員:な、何かな?


 ゲン:先ずは非礼を詫びるのが先じゃあないかにゃ?


 天界中央政府議員:そ、そうだな。いやあ。すまなかった!この通り!


 ゲン:おいおい、頭下げる相手が違うんじゃねえのかにゃ?


 シエル:頭を下げて謝るのは私達じゃない。この子よ。


 天界中央政府議員:な⁉︎何故私が人間のガキ相手に頭を下げねばならんのだ!


 ゲン:・・・お前さん。まだ自身の『立場』ってのがわかってねぇようだにゃ。


 リタの前に立ち頭を下げて謝る天界中央政府議員


 天界中央政府議員:・・・お嬢ちゃん。怖がらせて・・・悪かったね。(クッ!人間のガキ相手にく、屈辱だ!)


 ゲン:やりゃあ出来るじゃにゃいか。自分に非があれば謝る。その子だって知ってる事だにゃ。


 天界中央政府議員:で、では失礼する!


 足早にその場を去る天界中央政府議員


 ゲン:さて。この子をどうしたモンかにゃ〜。


 シエル:最近人界で頻発してる次元転移事故よね?


 ミシェル:閻魔庁に問い合わせれば直ぐお家に帰せるっスよね?


 シエル:でも何億、何十億、何百億ってある人界の宇宙から探すのよ。最低でも3年くらいかかるわよ。


 ゲン:ま、魔界で預かる方が良いな。人界での12秒は魔界じゃ1年だし。身体を元に戻しゃ問題ないわけだしにゃ。


 ミシェル:そういう事ならウチで預かるっス♪


 シエルのスーツの袖を掴み上目遣いで見るリタ


 シエル:私のトコが良いって♡


 ミシェル:えーーー!


 シエル:脳筋のアンタんトコ行ったら絶対武人に育つでしょうが!


 ゲン:ま、アンタんトコが無難だにゃ♪


 ミシェル:ヨロシクね。リタちゃん♪


 リタ:うん♡




















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