魔王少女物語

第224話灼髪のエクソシスト

　アオイ:悪魔払い師。人界では聞き慣れた職業ですね。人間の皆さんは人間に取り憑いた悪魔を払い、時には悪魔と闘うとイメージしますよね。でも私達魔族から見ると殺人鬼のイメージがあります。でも悪魔払い師には人間の皆さんの知らない『隠された真実』があるのをご存知でしょうか？

　人界時間 0:00 ロンドン郊外

　ソニア:やっと姿を現したか。さあ！懺悔の時間だ！

　アオイ:彼女の名はソニア・ニワコウ。イギリスはロンドンで活躍する悪魔払い師。今男性に取り憑いた悪魔を追い出し倒そうとしているところですね。う〜ん。同族の私の視点で見ると殺人事件の殺害現場にしか見えないなぁ。

　ソニアの霊力と悪魔の魔力がぶつかり次元の裂け目が現れる

　ソニア:な！何だこれは！

　裂け目に吸い込まれるソニア

　魔界時間21:00 イビルアイ国際天文台

　アオイ:ここは魔界宇宙最大の天文台。宇宙の片隅の一軒家まで見える凄い望遠鏡が完備されているの。

　人界観測チーム

　オペレーター:室長、人界No.07地球ロンドン郊外にワームホール発生！

　室長:周囲に生命反応は？

　オペレーター:少々お待ちください・・・・・室長！

　室長:どうした？

　オペレーター:２つの生命反応の内、魔族の方はカオス感染者でワームホール発生同時に消失。もう１つの反応は人間でこちらに転移した模様！

　室長:何だと⁉︎で、転移先は？

　オペレーター:魔王界帝王都サタンヘイルダム下部、シルフィード王国王都アイリス。場所は・・・クローディア城です！

　室長:なんということだ！

　オペレーター:しかもエクソシストです！

　室長:なんだと⁉︎大至急国際警察に緊急出動要請！

　オペレーター:了解！

　同時刻 王都アイリス クローディア城 修練場

　師団長:陛下、本当にこの人数を相手するので？

　アリス:うん。良いよ♪

　師団長:王国近衛師団100万人をたったお1人でなんて無茶ですよ。

　修練場の隅に潜むソニア

　ソニア:眩い光に吸い込まれ気が付けば悪魔供がこんなに！しかもあの悪魔の娘はあの人数をたった1人で闘うつもりか⁉︎

　アリス:大丈夫、大丈夫♪(およ？隅の方から人間の気配が。しかも殺気を放って・・・ま、いいか)良いよ！始めて！

　師団長:では・・・・総員、突撃ーーーー！

　無数の銃弾を軽やかなステップで避けるアリス

　アリス:ほらほら、ちゃんと狙わないと当たんないよ〜♪

　背後から銃剣で斬りかかる兵士

　アリス:おっと♪

　先頭の兵士を軽々と越えるアリス

　ソニア:(今だ！空中なら避けきれない！)

　近衛師団の交戦に紛れ銀のナイフを投げるソニア

　アリス:ん？よっと♪

　空中で身体を捻りながら銃弾を避け銀のナイフを余裕でキャッチするアリス

　ソニア:(な！あの状況で掴んだだと⁉︎)

　アリス:タ〜イム！皆んなちょっとタンマ！

　近衛師団の総攻撃が止まる

　師団長:如何致しました？

　アリス:ソコ！隠れてないで出てきたらどうかな？

　気配を殺して潜むソニア

　アリス:ふ〜ん。隠れてダンマリ決め込むなら当ててあげようか？そこの隅の兵士の荷物に隠れてる・・・違う？

　両手を上げて出てくるソニア

　ソニア:参ったな。完全に気配を消したんだがな。

　アリス:ま、最初からわかってたけど。もっとも杏は私より先に気付いてたけどね♪

　杏:あい！

　ソニア:そんな小さな子供にまで気付かれてたとは！悪魔はそこまで凄いのか⁉︎

　アリス:あ〜。杏は特別勘が鋭いだけだから。

　ヴィオラ:その身なりからしてエクソシスト。悪魔払い師ですか？

　アリス:え⁉︎カオス感染症の医療技術発達でめっきり姿を見なくなったけど・・・初めて見た。

　ソニア:カオス感染症？

　アリス:アオイさ〜ん！ソニアさんに説明ヨロシク〜！

　アオイ:は〜い♪カオスというのは12属性の１つ混沌属性の魔力を含む感染型精神汚染物資。人間には全くの無害ですが、天族や私達魔族に感染すると凶悪化してしまい。これが天界・魔界宇宙史上最悪の戦争『天魔大戦』の引き金になったものなのです。

　ヴィオラ:有難うございます。更に補足すると、エクソシストはカオスに感染した末期症状の悪魔を楽にさせるというのが本当の役割なのです。ですが、近年の医療技術の急速な発展のお陰でエクソシストは廃業寸前までいったとか。

　ソニア:そんな意味があったとは！

　アリス:だから誰一人としてエクソシストを恨んでなんかないんだよ♪むしろ大切な人達をこれ以上傷つけずに済んだと感謝してるくらいだよ。

　ヴィオラ:如何なさいます？イビルアイ国際天文台で調べてもらえば元いた場所に帰れますが。

　ソニア:・・・・いや。このまま留まり魔族の『本当の姿』をこの目で確かめたい！

　ヴィオラ:ではシオンさんに言って内務省で移住の手続きをしましょう。

　ソニア:助かる。