第317話密林の王者テンペラーコング

 アオイ:いよいよ最後の一体となった6体の巨獣の一体テンペラーコング。ビーストガーディアンズの出番ですね♪今回はリネフィさんに秘策があるようです。


 魔界時間13:00 連合国議事堂 大会議室


 オリビア:皆んな揃ったわね。今回はリネフィに考えがあるって事だけど・・・


 リネフィ:ええ。先ずはテンペラーコングのストレスの元凶となってるクロウアンカーを捕まえる。クロウアンカーは夜行性、対してテンペラーコングは日中活動して日没と共に眠る。ですよね?族長さん。


 ゴング族長:はい。毎晩寝不足で真夜中に暴れており周辺の村々に被害が出始めております。


 ウグイス:でもよ〜。昼間寝てるなら静かになって問題なくね?


 ゴング族長:それがそうでもないのです。


 ウグイス:あ?そりゃどういう事だ?


 ゴング族長:テンペラーコングは日中に大型の猛獣達と闘い鎮めてきたからテンペラーコング自身も猛獣達も大人しくしてられるのです。そのまとめ役のテンペラーコングが日中活動しないと・・・


 ミランダ:猛獣達の無法地帯と化すわけか。


 ゴング族長:はい。日中は猛獣。夜はテンペラーコングが暴れて手がつけられなくなってるんです。


 リネフィ:やっぱり、私が予想してた結果になってるわね。じゃ改めて作戦の内容を説明するわね。クロウアンカーはテンペラーコングが眠る日没前を狙う。


 ウグイス:それなら日中にした方が良くね?


 リネフィ:それが駄目なの。クロウアンカーは眠りが物凄く浅いし、その上警戒心が強く眠りの浅い時が1番敏感でね。だから熟睡するまでに時間がかかるの。完全に熟睡するのは日没前の午後15時過ぎから16時前。狙うにはその時間帯しかないわ。


 オリビア:でもあの鳥って物凄くすばしっこいんでしょ?


 リネフィ:そのためにもう直ぐゾンバルト帝国から強力な『助っ人』となる鳥が送られてくるわ。クロウアンカーの『天敵』である鳥がね♪


 オリビア:まさか!『ソプラコンドル』なの⁉︎よく許可が出たわね〜。


 晃斗:ソプラコンドル。体長200m、スピーカー状の両羽から放つクロウアンカーにしか聞こえない超音波で動きを封じて捕獲する故にクロウアンカーの天敵と言われる理由・・・だったな。


 衛兵:失礼します!たった今ゾンバルト帝国よりリネフィ様からご依頼のものが届きました!


 議事堂 屋外広間


 杏:おっきいトリさんだ〜♪


 小雪:ペリカンさんよりはずっとちっこいべ。


 リタ:でもかっこいい♡


 ウグイス:寝てるな。


 リネフィ:クロウアンカーを狩る時間帯しか起きてないからね。だから1日の大半はこうして寝てるんだ。


 リタ:コアラみた〜い♪


 小雪:コアラ?


 リタ:あのね、コアラはね。ユーカリのはっぱたべててね。いちにちのほとんどきのうえでねてるの。


 ウグイス:確かにクロウアンカー狩る時以外寝てるという点じゃあそのコアラってやつに似てるな。


 リネフィ:ソプラコンドルは時間にならないと何やっても起きないから今のうちに現場に運んで作戦開始よ!


 魔界時間14:50 リングファイツ諸島 本島リングサイド島


 クロウアンカーより2km地点


 ウグイス:ここまで離れないと駄目なのか?


 リネフィ:クロウアンカーは熟睡する直前が1番神経質になってるの。だからこの時間で近づけられる限界ギリギリの距離がここなのよ。


 オリビア:ソプラコンドルは?


 リネフィ:スタンバイ完了よ。ソプラコンドルもクロウアンカーを確認して臨戦態勢に入ってる。だからここはプロに任せて私達はテンペラーコングの所へ行きましょう。


 現場を離れた瞬間ソプラコンドルが行動を開始する


 リネフィ:始まったわね。


 20分後 テンペラーコングの住処 『格闘王の寝所』


 カーーーン!


 遠くからゴングを鳴らす音がし、テンペラーコングが飛び起きる


 カンカンカンカンカーン!


 再びゴングが鳴り響く


 テンペラーコング:ウホーーーーーッ‼︎


 怒り狂うテンペラーコング


 晃斗:成る程、開始のゴングの直後に試合終了のゴング。これではストレスも溜まって当然だな。


 再び眠るとまた鳴り響く


 ウグイス:お?今度は鳴らないな。


 リネフィ:ソプラコンドルの狩りが成功したみたいね♪


 テンペラーコング:ウホッ!


 試合終了のゴングが鳴らないと分かり相手を探すテンペラーコング


 リネフィ:さ、出番よウグイス。


 ウグイス:ア、アタシ⁉︎


 リネフィ:現状テンペラーコングと張り合えるのは貴女しかいないわ。


 杏:ごほうびにデートしてあげるです♪


 小雪:オラも〜♪


 リタ:リタも〜♡


 ウグイス:・・・・・・・・・


 オリビア:ウグイス?


 ウグイス:・・・・・・ッシャーーーーーーー‼︎かかってこいやゴリラ野郎‼︎


 テンペラーコング:ウホッ!ウホホッ?ウホホホホッ♪


 ウグイス:あ?喧嘩売ってるのか?ゴリラ野郎。


 ハル:えっと『お!君が相手かね?1人で大丈夫ですかなかおチビちゃん♪』だそうです。


 テンペラーコング:ウッホッホ、ウホホッ。ウッホホ〜♪


 ハル:ああん?


 アオイ:彼が言うには『そこのおチビちゃんもまぁまぁできるようだが、大した事なさそうだな。なんなら全員でかかってきても構わない♪』だそうです。


 抜刀の構えをする晃斗


 晃斗:そんな事言ってたのか。どうやらこのゴリラは身の程というものをわきまえてないらしい。


 オリビア:じゃあウグイス、ハル、晃斗で相手してあげて。


 テンペラーコング:ウホホッホ。ウホーーーーーホーーー‼︎


 雄叫びに応える様にゴングを抱えて駆けつけるレフェリーコング


 レフェリーコング:ウホッ!


 テンペラーコング:ウホッ!ウホホッホホ♪


 アオイ:『さあ!せいぜい私を愉しませてくれたまえ♪』ってさっきから意外と紳士的な言葉使いですね。



 一斉に飛びかかりそれを瞬時に避けるテンペラーコング


 ウグイス:チッ!デケェ図体してなんて速さだ!


 晃斗:この間合いで避けられるとは。密林の王者の通り名は伊達ではないか。


 ハル:その様ですね・・・ハッ!


 気付いた瞬間目の前に現れ拳を構えるテンペラーコング


 テンペラーコング:ウホホ。ウホホ〜ホ♪


 アオイ:『のんびりお話してる暇はありませんよ。紳士淑女のお三方♪』だそうです。


 振り下ろした拳を迎撃するウグイス


 ウグイス:うおーーー!なんて重い拳だよ‼︎


 テンペラーコング:ウホ〜ホウ。ウホホホホ♪


 アオイ:『ほほ〜うこれを止めますか♪』


 晃斗:背後がガラ空きだぞ♪


 瞬時に姿を消すテンペラーコング


 晃斗:な!消えた⁉︎


 テンペラーコング:ウホホッ。ウホ、ウホホホホ〜ホ♪


 アオイ:『私の背後を取るとは流石です。が、まだまだ詰めが甘〜い♪』


 直径500kmの拳が3人に迫り3人がかりで拳を弾く


 テンペラーコング:ウホホ〜ホ。ウホホホホ♪


 アオイ:『いいですね〜。爽快ですよ♪』


 繰り広げる激闘の末疲れ果てて眠るテンペラーコング


 ウグイス:ゼェ〜!ゼェ〜!ゼェ〜!ようやく寝やがった。


 ハル:魔界宇宙最強の元巨獣ハンターと天界宇宙最強の古代兵器である私達が3人がかりでここまで手を焼くとは。


 晃斗:相当スタミナがある奴だったな。


 オリビア:皆んなお疲れ様。これでテンペラーコングの生活リズムも元通りになるわ♪


 同時刻 リングサイドビーチ


 杏:カラスさんめしとったりーー♪


 クロウアンカー:ク、クカ〜。


 狩に満足して再び眠るソプラコンドル


 リタ:もうイタズラしたらメッ!だよ。


 クロウアンカー:クエ〜・・・


 輸送機でゾンバルト帝国へ向けて搬送されるソプラコンドルとクロウアンカー


 小雪:バイバイだべ〜♪


 杏:コンドルさんありがとでーす♪




















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る