第340話遺跡の森の小さな案内人

 アオイ:魔界宇宙第3位の塗料メーカーであるカラーリーフグループ社長の黒崎光くろさきこうさんの協力のお陰で経年劣化した文献の復元をする事となりどうやら成功したみたいですね。それでは第340話スタートです♪


 魔界時間21:00 リンネ島『刻渡りの森』前


 光:お待たせ!


 圭:出来たか♪


 光:ただ・・・


 圭:ただ?


 光:これを見てください、最後のページです。


 圭:最後のページ?そこは白紙の筈・・・まさか‼︎


 光:ええ、そのまさかです。


 圭:見せてくれ!


『刻の迷宮の森、クロノゴンの眷属の案内無しでは辿り着けぬ森。森の入り口にて案内人を探すべし』


 圭:案内人?クロノゴンの眷属?


 光:更に続きがありますね。


『刻の迷宮の森、冥王ハデスの結界あり。冥王ハデスの許しなき者が入らば即ち死が訪れる』


 圭:君。


 調査員:はい!


 圭:リタちゃんをここに連れて来てもらえないか?


 調査員:はっ!


 数分後・・・


 リタ:よんだ〜?


 圭:先ずはハデス様・・・あいや、フレイラ様を呼んでくれないかい?


 リタ:いいよ〜・・・・すぅ・・・・フーレーイーラー‼︎


 フレイラ:お呼びですか師匠!


 リタ:うん、けいおねえちゃんがごようがあるんだって。


 フレイラ:何だ。我が至高の御方であらせられる師匠を使って呼ぶという事は余程重要な事なのだろうな?


 圭:はい。冥王ハデスであられるフレイラ様の張った結界に我々を通す許可を下して頂きたく。


 フレイラ:断る!


 リタ:フレイラ!そんなこというと『はもん』にするよ!


 フレイラ:そ、それだけはどうかご容赦を・・・・ええい!師匠の御言葉でなければ断るところだったのだからな!


 フレイラが手を掲げると森の上空に魔法陣が現れる


 フレイラ:我、冥王ハデスが名において命ずる!我が至高の御方リタ・ヌルマユ様とその従者・・・


 リタ:な・か・ま!


 フレイラ:そ、その仲間のみ森への侵入を許すものとせよ!


 リタ:ありがとうのちゅ〜♡


 フレイラ:うおーーー!このフレイラ、至上の幸福であります!


 圭:さ、行こうか。


 シェリル:ちょっと待った!


 アオイ:この方はこの国に封じられてた伝説の魔神シェリルさん。元女神様で、元に戻るためにリタちゃんに従属しています。


 圭:ん?どうした!


 シェリル:結界をいじった時に発したハデス様の神気しんきで森中の生き物が怯えてる。このままハデス様も一緒に入れば例の『案内人』の眷属も出てこないのではと思ってな。


 フレイラ:うっ。


 リタ:フレイラいっしょにきてくれないの?


 フレイラ:申し訳ございません師匠、私のせいで森の者達が怖がるので。


 リタ:フレイラはぜんぜんこわくないよ!すっごくやさしいよ!リタしってるもん!


 フレイラ:ありがとうございます師匠!師匠は全てお見通しである事はこのフレイラ、わかっておりますよ♪私は師匠の無事をここでお待ち申し上げております。ですから泣かないでください。


 リタ:・・・うん!


 フレイラ:やはり貴女は強いお方です♪


 圭:さあ、皆んな行こう!


 フレイラの横に転移する璃姫


 璃姫:君も気付いているんだろう?この『気配』を。


 アオイ:この方は3代目スサノオの璃姫あき様。イケメン女子の神王様です。


 フレイラ:ああ。100・・・・5000・・・・いや50万か。我等相手では『少な過ぎる』な。


 璃姫:気配からして龍神族だね。


 4時間前 リンネ島港区倉庫内


 謎の声:何?本家に上納金の横流しがバレただと⁉︎


 尽聖組長:す、すまねぇ!なんとか本家筋のガサが入る前にこの魔界まで高飛び出来たんだが・・・


 アオイ:この方は天界宇宙の裏社会を支配する5つのドラゴニックマフィアの1つ光龍会傘下の尽聖組の組長さん。詳しくは280話『孤高の輩』にて。


 聖飴:ビバロン王国でやらかして国際指名手配されて、何故か無人のこの島リンネ島に来たってわけでし・・・


 アオイ:この方は尽聖組員の聖飴さん。世に言う『下っ端』ですね♪この方についても詳しくは280話ご覧ください。


 ゴン!


 聖飴:いってぇ!


 尽聖組長:こんの馬鹿野郎!余計な事言うんじゃねぇ。すまねぇな、『幻龍』のぉ。


 幻龍会長:おい!ここは魔界だぞ!天界より科学の発展した魔界で盗聴でもされたらどうするんだ!


 尽聖組長:わ、わりぃ。


 幻龍会長:まあいい。お前今リンネ島にいるって言ってたな?


 尽聖組長:あ?ああ。


 幻龍会長:なら丁度いい。兵隊貸すから森に入る連中を始末してこい!あの森には『見つかるとマズイ物』があるんだ。


 尽聖組長:わかった、行くぞ!


 聖飴:ま、待ってくださいよ〜!


 そして現在・・・


 聖飴:(どうしよっかなぁ〜、アレ絶対バレてるよなぁ)


 尽聖組長:(仕方ねぇ、行くか!)


 隠れていた龍神達が姿を現わす


 フレイラ:お前達はなにも・・・はっ!


 その時リタに言われた事を思い出す


 フレイラフィルター・・・


 リタ:我が愛弟子フレイラよ、相手が如何なる輩といえど相手の名を聞く前に自信の名を名乗れ。礼節を欠ければそれは即ちそこらと同じ輩であると知れ。


 実際・・・


 リタ:いいですかフレイラ、あいてのおなまえをきくときはまずじぶんのおなまえをいうんですよ〜


 フレイラ:あれは師匠が私に如何なる者でも礼儀を忘れるな。それが神王たるものの心構えであると仰りたかったのだ。


 ※そこまで深い意味はありません


 指輪を外そうとするフレイラ


 璃姫:フレイラ、君はまさか!


 指輪を外すフレイラ、その時一気に神気が放出されそれは衝撃波となる


 尽聖組長:うおお!なんてぇ神気だ!


 聖飴:あ、あああああの黒髪に真紅の瞳。そしてこのもんの凄い神気はま、まさか⁉︎


 フレイラ:我が名は冥王ハデス。ここより先は我が至高の御方であらせられる恩師リタ・ヌルマユ様がおられる。何人たりともこの先に行く事は許さん!


 尽聖組長:リタ・・・何だって?


 聖飴:リタ・・・リタ・・・あ〜、ビバロン王国にいたあのガキの1人ですよ。人間族の。


 ピクッ!


 フレイラ:そこの貴様・・・今何と言った?


 聖飴:え?ビバロン王国にいたガキの事っすか?


 ゴン!


 聖飴:いってぇ!な、何するんすかぁ。


 尽聖組長:この馬鹿!明らかにキレかけてるぞアレ!


 フレイラ:貴様は・・・我が恩師たる至高の御方に対し・・・『ガキ』・・・だとぉ?


 璃姫:マズイ!フレイラが本気でキレそうだ!そうなったら私でも手がつけられなくなる!・・・こうなったら!


 リタのデバイスに繋ぐ璃姫


 璃姫:リタちゃん!


 リタ:ほえ?どうしたの?


 璃姫:フレイラがリタちゃんの事馬鹿にされてブチ切れそうなんだ!そうなったらこの国の人達がみんな死んでしなう!今フレイラを止められるのはリタちゃんだけだ。フレイラに声をかけてくれ!


 デバイスをフレイラに向ける璃姫


 リタ:フレイラ!


 フレイラ:・・・・・!師匠⁉︎


 フレイラフィルター・・・


 リタ:この馬鹿者が!私の事で感情的になって私の大事な者達の命まで奪う気か!


 実際・・・・


 リタ:このおばか!みんなにごめいわくをかけちゃダメでしょ!


 怒りが鎮まりデバイスの前に跪くフレイラ


 フレイラ:も、申し訳ございませんでした師匠!私の精進が足りないばかりにお手を煩わしてしまいました!


 リタ:もうおこっちゃだめですよ?


 フレイラ:はっ!


 璃姫:(1700億年生きて一緒にいたけどブチ切れたフレイラを完全に鎮められたのはあの子が初めてだ。人間なのに凄い子だよ)


 リタ:あきおねえちゃん、フレイラはもうだいじょうぶです♪


 璃姫:ありがとね♪・・・さて、フレイラだけっていうのも不公平だよね♪


 指輪を外す璃姫


 聖飴:あ、あの黒髪に金色の瞳、それにこの神気。ス、スサノオ様⁉︎


 尽聖組長:ヒィ!ここで天界宇宙第2位の最高権力者が2柱も!


 空から転移して双方の間に入る和装の龍神族


 和装の龍神族:お控えなすって!どちらさんともお控えなすってぇ!


 同時刻 刻渡りの森


 オリビア:文献の通りならこの辺りにクロノゴンの眷属がいるんだけど・・・


 晃斗:そのクロノゴンの眷属というのは?


 リネフィ:魔源図書館でも触り程度の記述はあるけど、大きさも姿も謎なの。


 ウグイス:巨獣の眷属って大体デケェのが多いじゃん。


 ハル:そうですね。平均全長は500万mですから普通に考えればすぐ目につくか、大き過ぎて見えてないだけかもしれませんね。


 杏:じ〜・・・


 小雪:じ〜・・・


 リタ:じ〜・・・


 小動物:(こ、この子達ボクが見えているのでしょうか)


 杏:まるっこいです!


 小雪:まっしろだべ!


 リタ:フワフワのモコモコだぁ♡


 小動物:(み、見えてる!この子達確実に見えてる!)


 小動物に念話をするクロノゴン


 クロノゴン:(私の親愛なる眷属カマルよ、この者達は私が導いた味方だ。姿を現し言葉を語る事を許します)


 カマル:(はい!クロノゴン様!)


 姿を現わすカマル


 杏:こんばんはです♪


 小雪:こんばんはだべ♪


 リタ:こんばんは♪


 オリビア:あなた達、誰と話してるの?


 カマルを掌に乗せて見せる杏


 杏:この子です!


 オリビア:見た事がないわね。リネフィわかる?


 リネフィ:いいえ、少なくとも私の記憶上にはないわね。


 カマル:はじめまして皆さん。ボクはクロノゴン様の眷属でカマルといいます。クロノゴン様の命により貴女方を遺跡に案内致します♪


 オリビア:喋った⁉︎


 ウグイス:そして小っさ!


 リネフィ:巨獣の眷属が全て大きいとは限らない。だからこそ見落としてたのかもしれないわ。


 カマル:それでは行きましょう。あまり時間が経つと危険ですから。


 ハル:ですが、このままでは見失いそうですねぇ。


 杏:あんずのあたまにのるです!


 小雪:オラがいいべ。このもりあついからオラがすずしいべぇ♪


 リタ:うん、こゆきちゃんがいいとおもう。


 3人に順に頭に乗るカマル


 カマル:う〜ん。この子は乗り心地良さそうですけど、ボクにはフカフカ過ぎですね。


 杏:ダメかぁ。


 カマル:確かに冷んやりしてますが、ちょっと寒いですね。すみません。


 小雪:そりゃしょうがないべな。


 カマル:んお⁉︎これは!うん!ここが良いです♪


 リタ:やった〜♡


 カマル:では行きましょう♪


 ちびっ子3人:お〜!


 再び森の前


 璃姫:驚いたねぇ♪


 フレイラ:天界宇宙裏社会最高権力者『フィフスドラグネア』の一角のお出ましか。


 龍熾:手前生国と発しますは光の龍神族の住まう聖龍界でござんす!天界宇宙裏社会の光属性の極道を束ねる光龍会会長、龍神龍熾りゅうじんたつおきと申します!以後、お見知り置きのほどを。


 尽聖組長:ほ、ほほほ本家の会長が直々に乗り込んできたーーー!


 龍熾:ときに尽聖のぉ、そこにいる兵隊の方々は幻龍会の兵隊とお見受けするが、如何でござんしょ?


 尽聖組長:そ、そそそそれはぁ。


 龍熾:まあ良い。14天界王の御二方、ここは手前のツラに免じて手を引いちゃあくれませんかい?


 フレイラ:我等とてフィフスドラグネアと事を構えるつもりはない。ちゃんとケジメつけるのならな。


 龍熾:勿論でござんす♪


 フレイラ:・・・璃姫。


 璃姫:お師匠さんの所に行くんだろ?ここは任せてくれ♪


 フレイラ:恩にきる♪




























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