第291話回遊祭(後編)
アオイ:2匹の双流鯉の危機を脱し、いよいよ祭り本番。ですがこの一件と同時刻に祭りのもう1つの要となる花火にアクシデントが起こっていた様です。
魔界時間16:00 回遊祭花火打ち上げ現場
先輩花火師:おーい新人!リハ用花火の準備しとけよー!
シンディ:はーい!
アオイ:この方はシンディ・マモハナさん。種族は妖怪磯女族。彼女には『秘密』があるようですが。それはこの後わかりますよ。
先輩花火師:準備に時間がかかるからDコーティングも忘れるなよー!
Dコーティング内
シンディ:・・・・・・・いつまでそこに隠れてるつもり?桜。
桜:やっぱ気付いてたか。流石『爆薬の魔術師』
アオイ:ここから読む方のために。この方は桜・乱捕さん。種族はダークエルフで、魔界宇宙最強の傭兵団『漆黒の剣』の副団長さん。同時に魔界宇宙一のスナイパーでもあるのですよ♪
シンディ:もう戻る気はないって言った筈。もしその気なら・・・容赦しない!
桜:脱退後の新たな道を進む君に戻れだなんて野暮なこと言いに来たんじゃないよ♪
シンディ:じゃあ何しに来たのよ。
桜:アンタが惚れ込んだ『親方』ってのがどんなのか見に来たのと『元団長』がこの国に来てる。
シンディ:知ってるわよ。今はシルフィード王国の魔王アリス・シルフィード女王でしょ?
先輩花火師:おーい!準備出来たかー?
シンディ:もうちょっとです!
先輩花火師:はやくしろよ!親方待ってるぞ!
シンディ:はーい‼︎
桜:珍しいね。アンタ程の腕ならこれくらいDコーティングしなくても30分もかからないだろ?
シンディ:花火は多くの人に楽しんでもらえる火薬の使い方だ。爆薬とは全く違う!一瞬の気の緩みが大事故に繋がるんだ!
桜:変わったね、アンタ。私は今のアンタの方が好きだよ♪
シンディ:・・・・・・ありがと。
桜:じゃ、頑張れよ♪
Dコーティングを解くシンディ
先輩花火師:よし!準備出来たな♪親方!リハ始めます!
ゴロウ:おう。
アオイ:この方が花火職人の親方でゴロウ・ユキノフさん。種族はドワーフ族で魔王具職人のダルトンさんの双子の弟なんですよ♪
シンディ:(私はもう二度とこの手を血で染めたくない!この手で葬った人達への弔いのため、これを見てくれる人のためにこの花火を打ち上げたい!)
ゴロウ:危ねえ!
シンディ:え?
花火の筒が暴発し、シンディを突き飛ばし庇うゴロウ
シンディ:親方!・・・親方‼︎
ゴロウ:テ・・・テメェ・・・考え事しながらやってやがったな!
シンディ:すみません!
ゴロウ:馬鹿・・・野郎が!・・・花火ってぇのは一瞬の・・・気の緩みが命取りだって・・・あれほど言っただろうが‼︎
シンディ:・・・・・はい。
ゴロウ:職人は花火師に限らず・・・最初から失敗しねぇ奴なんざいねぇんだ。
シンディ:はい!
ゴロウ:・・・職人ってぇのはな・・・し・・・失敗を重ねて俺達の技盗んで始めて『一人前』って言えるんだ。
シンディ:はい。
ゴロウ:テメェは今・・・デケェ失敗を身を以て体感した・・なら・・・出来るな?
決意に満ちた目をするシンディ
シンディ:・・・はい‼︎
ゴロウ:良い〜目をしやがる♪
シンディ:親方!もうこれ以上は喋らないで!
ゴロウ:馬鹿野郎!こちとら修羅場潜った下町の魔界っ子だ!これくらい・・・どうって事ねぇ・・・・うぐぅ!
先輩花火師:シンディ!救急隊来たぞ!
救急隊員:さ!こちらの転送ゲートへ!
病院へ緊急搬送されるゴロウ
先輩花火師:シンディ。
シンディ:はい。
先輩花火師:親方はお前を選んだ。なら親方の代わりにやってくれるな?
シンディ:はい‼︎
先輩花火師:ようし!お前等‼︎デケェの1発。2匹の双流鯉に魅せてやろうや‼︎
花火師一同:おーーー‼︎
アリス:そろそろ通るね。双流鯉♪
ソフィア:ホント何処いったんだか・・・・ん?
泉清湖から飛び出す双流鯉
杏:ふおーーーー♪
ピエトラ:ヒャッホーウ♪
シャンパンを噴き出すアリスとソフィア
アリス&ソフィア:ブーーーーー‼︎
アリス:あ、杏⁉︎
ソフィア:なかなか帰って来ないと思ったら何してんだいあの子は!
チョウスケ:ど、どうなってるんだこれは⁉︎
カトレア:チョウさん!動揺すると各国諸侯が!
チョウスケ:そ、そうだな。
同時刻 清流河中洲 国立公園 回遊祭会場
ミシェル:う〜わ〜。マルのご飯食べさせに行ったっきり帰って来ないと思ったらあの子何してんっスか。
小雪:あんずちゃんすごいべ〜♪
リタ:リタもおさかなさんのりたい♪
河を下り中洲を回遊し始め祭りが最高潮に達する。
シンディ:・・・・・
回遊した2匹が跳ねる
シンディ:今です‼︎
跳ねた双流鯉バックに打ち上がる花火
祭り客:おーーー‼︎
先輩花火師:やったな♪
シンディ:はい♪
ビバノン城
アリス:なんか・・・ウチの妹がすみません。
ソフィア:ウチの妹分がすみません。
チョウスケ:いや、良い。先程聞いた。双流鯉が世話になったようだ。恩にきる。双流鯉が乗り手の巫女に2人を選んだ理由がそれなら何も文句は無い♪
湯治病院
ダルトン:全く。相変わらず無茶しやがる。あんまり俺に心配させんじねえ。
ゴロウ:兄貴にも見せてやりたかったぜ。
ダルトン:あ?花火なら見てんだろうが。
ゴロウ:バッカ。シンディだよ。ありゃもういっぱしの花火師の目だぜ♪
ダルトン:先が楽しみか?
ゴロウ:ああ!鍛え甲斐があるってモンよ♪
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