第292話エクソシストと狂気の亡霊
アオイ:夏といえば・・・そう。怪談ですね。でもこの世界の創造主(作者)は怪談やホラーといったのが物凄く苦手らしいので笑いの要素若干濃いめでお届けします♪
魔界時間15:00 ビバノン城 謁見の間
チョウスケ:・・・・ふむ。解せんな。
アリス:と言いますと?
ソフィア:蒼流鯉の行く手を阻んだノコギリタガメ。そして紅流鯉の体内に居た霙蟻。この2種類の昆虫はどちらもこの国には『生息していない』種類っていう辺りだろう?解せないのは。
チョウスケ:うむ。それに・・・ケン。
ケン:あいよチョウさん。皆んなこれを見てくれ。
アオイ:この方はこの国の科学大臣ケン・シムラムさん。誰がモデルかは聞くだけ野暮ですよ♪
謁見の間の中央の立体映像に投影するケン
ケン:2つの山の中央の空域の積乱雲。これが神王ゼウス様の張った雷の結界なんだがよ〜。これが『人為的』に解かれた跡が見付かったんだ。ホレ。ここ。
映像の中心部をアップして魔法陣の跡を見せるケン
ソフィア:これは?見た事ない結界だね。
ピエトラ:あ。コレ見覚えある。
ソフィア:ホントかい⁉︎
ピエトラ:うん。一時期結界にハマってた事があって。その時天界の聖源図書館の『結界大全』の中にあったよ。
ソフィア:それはどんなものなんだい?
ピエトラ:確か・・・
ウグイス:ゲルマルク・
ソフィア:ゲルマルク・鶯。天界宇宙史上最悪のマッドサイエンティスト。そして・・・
ウグイス:思い出したくもねぇ!アタシを造ってあの忌々しいイカれた科学者だ。アタシの体内に大量のカオスぶち込んだ野郎だ‼︎
ソフィア:だがゲルマルクは天魔大戦終戦後旧クラウント王国の女王クラウディア・クラウント1世にコテンパンにやられた上に魂を封印されたと聞いたが。
アリス達の前に現れるアズサ
アズサ:どうやらその封印を解いたのはこの者の様です。
カルメ元議員:・・・・・・・・・
立体映像がグローバリア公王に切り替わる
グローバリア公王:その者の正体は袋井耀蔵一派の残党でドナルド・カルメ元上院議員。どうやら奴の計画の中にゲルマルクの封印を解き魔界宇宙全体にカオスを蔓延させて天界が魔界を攻め滅ぼす『大義名分』を作ろうとしたらしいが・・・
カルメ元議員:アイツ。同胞の私すら殺そうとしたのだ!
アリス:直ぐに討伐隊を編成し・・・
ケン:そりゃ駄目だぁ。
アリス:どういう事ですか?
ソフィア:そいつが根城にしてる旧フロオウケ伯爵別荘は感染型精神汚染物質カオスが充満している。それも1番危険な『古代種』がな。
アリス:う〜ん!打つ手無しって事〜?
チョウスケ:せめて人間の僧侶か霊媒士でも居れば良いのだが・・・
衛兵:チャトウ宰相閣下。
カトレア:今取り込み中だよ。後にしな。
衛兵:で、ですが。人間のエクソシストと名乗る者が来ているのですが・・・
チョウスケ:何⁉︎今直ぐここに通せ!
チョウスケの前に跪くソニア
ソニア:お初にお目にかかります国王陛下。人界はロンドンにてエクソシストをしておりますソニア・ニワコウと申します。
アオイ:先に自己紹介されたのでこの方の紹介は割愛させてもらいますね。
アリス:ソニア姐さん⁉︎
ソニア:ア、アリス・・・女王陛下。
チョウスケ:知り合いか?
アリス:ええ。成り行きでというかなんというか。
ソニア:お困りでしょうか?
チョウスケ:うむ。実はな・・・・
これまでの経緯を話すチョウスケ
ソニア:・・・わかりました。神の魂を祓うのは未経験ですが。魔界には恩義がありますのでお引き受け致します。
チョウスケ:おお!助かる!この通り感謝するぞ。
深々と頭を下げて礼を言うチョウスケ
ソニア:そんな陛下!どうか頭をお上げ下さい‼︎
アリス:私からも礼を言うよソニア姐さん。
同時刻 旧フロオウケ伯爵別荘
ゲルマルク:お〜!この世は愛に満ちている・・・・が。これは私の知る愛ではなぁーーーーーい‼︎良からぬ愛だ!不浄な愛だぁーーーー‼︎
アオイ:この方こそ天界宇宙史上最悪と謳われたマッドサイエンティスト。ゲルマルク・鶯博士。
ゲルマルク:愛とはぁ!混沌に満ちた狂気の世界で恐怖に震え狂う者達の事をいうのだぁーーーー‼︎・・・・私の可愛いタイプ03はもう私の知ってるヴァルキリーではない。スクラップにして救ってやらねば!
手元にあるスイッチに手を伸ばすゲルマルク
さらばだ愛しのタイプ03よ!そしてお前の中のカオスで皆に愛を注いでおくれ☆
スイッチを押すゲルマルク
更に同時刻 シルフィード王国王立研究所
研究員A:ん?
研究員B:どうした?
研究員A:あ〜。いや。今そこの起爆装置が作動したんだが・・・
研究員B:あ〜。あのヴァルキリーの体内にあったアレか。でもアレは確かファウスト博士が体内から取り出して。クルーガー大臣閣下が中の爆弾バラバラに解体しただろ?
研究員A:ああ。結局アレは遠隔操作型だったんだなぁって。
再び旧フロオウケ伯爵別荘
ゲルマルク:なぁぜだーーー!何故だ何故だ何故だ。なぁぜ爆発しない⁉︎何故タイプ03は生きている⁉︎まさか!ファウストか⁉︎ファウストしかいない筈だ!タイプ03から安全に爆弾を処理出来るのはこの世で奴しかいなーーーい!
ソニア:そこまでだ!
ゲルマルク:んん〜?誰だ貴様。
ソニア:エクソシストとだけ言っておこう。
ゲルマルク:お〜!エクソシスト!あの忌々しい悪魔供を退治するあのエクソシストかーーー‼︎素晴らしい!では君に私の『愛』を授けよう♡
試験官のカオスを振りかけるゲルマルク
ソニア:ん?なんともないが。コレがどうかしたか?
ゲルマルク:そんな!まさか・・・まさかまさかまさかまさかまさかまーさーか貴様!人間か⁉︎人間なのか⁉︎
ソニア:ああ。そうだ。
ゲルマルク:何故だ!どうしてだ!神の子たる人の子が何故神である私に仇なす⁉︎何故穢らわしい悪魔供に手を貸すぅ‼︎
ソニア:(重度のカオス感染者と聞いていたが。聞いてた以上のイカれっぷりだな)お前の魂を祓わせてもらう!
ゲルマルク:・・・・・・フッ♪
ソニア:ん?
ゲルマルク:フフフフフフ♪ゔぁあかめ!ここにいるのが『本物の私』と思ったのか〜?ププー!おめでたい奴だな♪
ソニア:成る程、ここに来た時から霊気を感じないと思ったら予想通りか。
ゲルマルク:そうだぁ!私は封印が解かれたばかりで本調子ではなぁい!よって勝てぬ戦は最初からしないのだぁ!・・・ではさらば♪
目の前から消えるゲルマルク
ソニア:・・・・ふむ。
デバイスを使って会話するソニア
ソニア:ビバロン国王陛下。申し訳ありません。奴が一枚上手でした。
チョウスケ:そうか。無駄足を踏ませてすまなかったな。
ソニア:いえ。ではこの辺のカオス駆除を行なって戻ります。
チョウスケ:ご苦労であった。
ビバノン城謁見の間
アリス:どうします?
チョウスケ:話の様子からまだ遠くには行けない筈だ。ましてや相手は生きた神ではなく霊体であれば尚更危険だ。地獄界と周辺諸国と連携して国際警察の方にも国際指名手配の申請もしておくとしよう。
アリス:こちらも国に警戒態勢を敷くよう通達します。おそらく奴の最終的な狙いは我が国でしょうから。
チョウスケ:そうだな。
旧フロオウケ伯爵別荘
ソニア:ゲルマルク・・・次は必ず私が祓う!
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