第293話天邪鬼な秀才
アオイ:クリスタルレイクの巨大遺跡の調査がひと段落しアリス女王様と合流した科学大臣ソフィア・クルーガーとその相棒ピエトラ・プレツィオーザ博士。彼女達が宿泊する部屋に『ある方』から通信が入るのですが、一体それは何でしょう?
魔界時間19:00 ビバロン王国王都テルマエユ 温泉旅館『柚子の華』
ピエトラ:お姉様〜!デバイス鳴ってる〜!
ソフィア:誰だい?・・・・これはまた。ビーストヘッジ工科大学の学長さん御自らとは。
オズワルド:久しぶりだな。ソフィア。『学界の魔女』の君が今や科学大臣か♪
ピエトラ:誰だ?この爺ちゃんは。ナレーターさ〜ん!
アオイ:は〜い♪この方はオズワルド・ビーストヘッジさん。種族はキングベヒーモス族。魔界宇宙の名門大学の1つビーストヘッジ工科大学の学長さんですよ♪
ピエトラ:あ〜。思い出した♪
ソフィア:で?そんな学長様が何の用だい?
オズワルド:君は今、シルフィード王国のクリスタルレイク巨大遺跡を調査しているそうだな。
ソフィア:ま、あれだけ科学雑誌で大々的に報道されてたら知れ渡って当然か。
オズワルド:我が校の附属高校に紹介したい生徒が居るんだが。興味はないか?
ソフィア:アンタが自ら紹介するなら期待できるね♪で、どんな奴だい?
オズワルド:性格に少々難はあるが、物質工学科の生徒でクリス・初音という天邪鬼族だ。
ソフィアのデバイスに映像を転送するオズワルド
ソフィア:ふむふむ。茶色のロングで白衣姿に・・・
ピエトラ:こりゃまた際どいミニスカですなぁ♪
ソフィア:確かに性格に難ありそうだね♪今何処にいるんだい?
オズワルド:国土争奪戦争でシルフィード女王が指定した
ソフィア:遺跡自体には興味はある・・・っと。
オズワルド:ま、頑張ってスカウトしてみたまえ♪
通信を切るオズワルド
ソフィア:行ってみるか♪
ピエトラ:え〜!今から〜?私温泉入って寝たい〜。
ソフィア:そうだね。そうするか♪
翌日 鬼岩温泉郷
クリス:・・・ここか。
アオイ:彼女こそ、オズワルド学長が推薦するクリス・初音さん。どうやらこの鬼岩神宮に何か気になる事がある様ですね。
クリス:ときに宮司。
宮司:はい。
クリス:この柱はこの鬼岩神宮が建つ前からあったものなのか?
宮司:はい。文献を紐解くと、4界宇宙創生時代以前からあると書いてあります。
クリス:思った通りか。
ソフィア:アンタがクリス・初音だね?
クリス:やっと来たか。アンタの事だ。ここの事は当然目をつけてたんだろう?
ソフィア:へぇ。若いのに大したモンだ♪
クリス:学界の魔女の通り名に
ピエトラ:何か嫌な感じ〜。
煙管を指して語るソフィア
ソフィア:それだけ憎まれ口叩くんだ。当然ソイツが何の役割をしてるか見当はついてんだろうね?
クリス:当然だ。この石柱に使われる石は只の石じゃない。この地下深くにある巨大遺跡の1区画の浮上を抑えるものだろう?
ソフィア:大方正解だが。まだまだだねぇ♪
クリス:どういう意味だ?
ソフィア:言葉通りの意味さ。着眼点は抜群だが、読みが甘過ぎる♪
クリス:何⁉︎
ソフィア:アンタ。その石柱の成分分析はしたのかい?まさか・・・
煙管をクリスに向けるソフィア
ソフィア:推測だけで答えを出してんじゃないだろうね♪
クリス:うっ!
ソフィア:ピエトラ。この石柱に荷重力物質反応はあったかい?
ピエトラ:・・・・うんにゃ。無いよ。
ソフィア:コイツがアンタの言う遺跡の1区画の浮上を抑える働きをするものなら荷重力物質反応がある筈だ。それが無いという事はこの石柱『全く別の用途』で存在するという事さ♪
クリス:ぐぬぬ!
ソフィア:アンタも専門家の端くれならそれくらいは調べとかないとね♪
ピエトラ:調べとかないとね♪
クリス:じゃあアンタはコレが何の為にあるのか答えは出てるのか!
ソフィア:勿論♪
クリス:そ、それは何だ⁉︎
ソフィア:それは教えられないね♪
クリス:・・・・やる。
ソフィア:ん?
クリス:アンタんトコに行って絶対答えを見つけてやる‼︎
ソフィア:そいつは頼もしいね。期待してるよ♪
ピエトラ:してるよ♪
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