第342話ダイクとゼウスの釣り浪漫inシーラント

 アオイ:ええと、テレビ局のお偉いさんの会議の結果。まだ尺がだいぶあるらしいので、ここで新たに新シリーズが始まるようです。それでは第342話スタートです。


 ミリアのフィッシュネル島上陸前日 魔界時間13:00首都トワイライト国際空港


 ドワーフ族の社長:(遂に、遂に着いたぞ!魔界宇宙一の海釣りの聖地、シーラント諸島連合国に!)


 秘書:・・・・・長・・・・社長!


 ドワーフ族の社長:おわ!ビックリした、なんだよいきなり。


 アオイ:この方は魔界宇宙で5本の指に入る医療機器メーカーの大手、ニチヨウテクノグループ社長のダイク・ニチヨウさん。ドワーフ族で医療器具の職人から巨大企業へと育てあげた職人畑の叩き上げの豪腕社長です♪


 秘書:・・・・はぁ。その様子ではまた釣りの事でも考えてたんでしょう。


 ダイク:な、何で分かるんだ!お前さてはサトリ族だな?


 秘書:ヴァンパイア族です!それより私の話聞いてました?


 ダイク:お・・・おう!え〜っと、ほら、その〜・・・なんだ。


 秘書:はぁ、これから発注元のトワイライト中央病院への視察でしょう!実際現場を見て修理して新しく作らなくてもいいかどうかを院長と交渉するって言ったのは社長ですよね?ま・さ・か、シーラントで釣りがしたいがために適当な事言ったんじゃないでしょうね?


 もの凄く動揺して目が泳ぐダイク


 ダイク:お、おおお前!俺がそんな不純な動機で適当な事い、言うわけないだろうが!


 秘書:まぁ、いいでしょう。社長が仕事とプライベートはキッチリ区別してちゃんとやってくれるというのは私が1番知ってますから。


 ダイク:な?ってわけだから・・・・


 秘書:駄目です!せめて現場の視察が終わってからにしてください。そうすれば明日1日釣りしても良いですから。


 ダイク:3日!せめて3日は欲しい!


 秘書:はぁ、しょうがないですね。3日だけですよ。


 ダイク:ありがてぇ!そうと分かったら善は急げだ。とっとと行ってキッチリ片付けるぞ!


 翌朝5:50 フィッシュネル島 桟橋


 ダイク:さあて、先ずは肩慣らしに磯釣りからだな♪この時期だとダイオウヒラメとゲッコウイカが旬だが、それは明日の楽しみとして・・・ん?


 桟橋で絡まった釣り糸に苦戦するアロハ姿の老人


 アロハの老人:こ、これは困りましたな。


 ダイク:あ〜あ〜、それじゃ駄目だぜ爺さん!ほれ、貸してみろ。


 器用に絡まった釣り糸を解くダイク


 アロハの老人:お〜!手慣れたものですな♪


 ダイク:まったく!これじゃあ上等な釣竿が泣いてるぜ・・・お?コイツは天界宇宙一の釣具メーカーのポセイドンライノ社製だな。まったく釣りは素人のくせに得物だけは立派だなぁ爺さん。


 アロハの老人:これはお恥ずかしい。実は今日が神生じんせい初の釣りだったもので。


 ダイク:アンタ絶対物事は道具からってタイプだろ?いいか爺さん、釣り具ってぇのはな。値段云々、ブランド云々じゃあねぇんだ。誰にでも自分に合った得物ってのがあるんだコイツはアンタにゃレベルが高すぎ・・・!こ、このエンブレム・・・まさかアンタ、ゼウス様かい⁉︎


 ゼウス:おやおや、もうバレてしまいましたか♪


 ダイク:やれやれ、天下の天界宇宙第2位の権力者集団、14天界王西洋サイドの筆頭が釣りのど素人とは。ホレ、先ずはこの釣り針に・・・ってアンタ、これで何釣る気だよ。


 ゼウス:クリスタルマグロを釣ろうかと・・・


 ダイク:あのなぁ、クリスタルマグロは完全に時季外れな上にこの国にはいねぇよ。それに磯釣りで釣れるような奴じゃねぇ。仮にこの国にいたとしてもほら、彼処に停泊してるああいう漁船で沖まで行って釣る奴だよ。


 ゼウス:そ、そうでしたか。


 ダイク:まったく!素人はどうしてこうも自分よりレベルの高いモン釣りたがるんだか。ま、気持ちはわかるがな♪


 ゼウス:では私のような初心者は何を狙えばいいのでしょうか?


 ダイク:この国でアンタが狙うんならベニヅルカサゴだな、そこから徐々に大きな奴を狙って初心者のアンタの最終目標はイッカクタチウオだ。


 ゼウス:先ずはベニヅルカサゴですな♪


 ダイク:よし!先ずは釣り針に餌を付けるんだ。それとゼウスじゃあ目立ち過ぎる。お忍びなら・・・そうだな、雷を操れるんなら雷神の雷蔵って名乗れば良い。


 雷蔵:差し当たって私が雷さん貴方がダイちゃんですな。私が弟子で貴方が師匠で♪


 ダイク:お?悪くねぇな♪そんじゃ、餌を付けたら・・・こうだ!


 勢いよく釣竿を振りルアーが遠くへ飛ぶ。


 ダイク:やってみな。


 雷蔵:こ、こうですかな?


 ダイク:ほほぅ、素人にしちゃあ上出来だ♪そうしたらここからは魚との根比べだ。浮きが沈むのを待て・・・


 雷蔵の浮きが沈む


 雷蔵:だ、ダイちゃん!


 ダイク:落ち着け雷さん!ゆっくり、ゆっくりリールを巻くんだ!


 雷蔵:こ、こうですかな!


 ダイク:そうだ!時折緩めながら魚の体力を奪いつつリールを巻くんだ!


 魚が雷蔵の目の前に現れる


 ダイク:よおし、今だ!一気に巻いて釣り上げろ!


 釣り上げた瞬間大きなベニヅルカサゴが釣れる


 ダイク:こ、コイツぁ只のベニヅルカサゴじゃねえ!この大きさ、この特徴ある王冠の様な棘、コイツは『ダイオウベニヅルカサゴ』だ!始めたばかりの初心者が滅多に釣れるような奴じゃねえ!凄いじゃねぇか雷さん♪


 雷蔵:おお!やりました!やりましたぞ♪



 ダイクのデバイスに秘書からかかってくる


 ダイク:なんだよ!いいとこだったのに・・・何だ?


 秘書:そろそろお時間です。トワイライト島へ戻って来てください。


 ダイク:チッ!もうそんな時間か。悪りぃ雷さん。俺ぁ今から仕事だ。


 雷蔵:それは残念。


 ダイク:なに、あと2日は釣りが出来る。明日また行こうや♪


 雷蔵:楽しみにしてますぞ♪


 ダイク:じゃ、おっと。その魚、この島のシーサイドレストラン『ブルーシャトー』に持って行きゃタダで料理してくれるぜ!あそこの魚料理は絶品だぜぇ♪


 雷蔵:そうですか、では行ってみるとしますかな♪


 ダイク:そんじゃまたな♪


 雷蔵:はい、明日を楽しみにしてますぞ♪

























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