第272話神聖なる秘湯

 アオイ:ビバロン王国には多くの秘湯がありますが、中でも国王と国王の許可を得た者しか立ち入れない伝説の秘湯があります。一般人は勿論、メディアも立ち入れないこの秘湯に2人は入るのですが。どうやら桜さんは『誰かに何かを依頼』されていたようですね。


 入国 1週間前 魔界時間10:00 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア 某所


 桜:私に何をさせようっていうんだい?


 アオイ:この方は桜・乱捕さん。魔界では知る人ぞ知る魔界宇宙最強の傭兵団『黒翼の剣』の副団長さん。魔界宇宙一のダークエルフ族のスナイパーで女性でありながら女好き♪


 直規:そう難しい事じゃないわ。この人の入浴前の脱衣所で気付かれないようにブラ紐を撃ったり。足下に石鹸忍ばせて転ばせたりとエロいドッキリ仕掛けて撮影してくれれば良いのよ♪


 アオイ:このロクでもない事依頼してるのは一宮直規いちみやなおき。名前は男性でもれっきとした女性ですよ。種族は半人半獣のサテュロス族。これでも天才プロデユーサーなのですよ。これでも。


 直規:これでもは酷いな〜AOIちゃ〜ん。


 桜:報酬は?


 直規:魔界宇宙一のマッチョと美貌を兼ね揃えたあのマチルダ・グロッタのお色気シーンを撮りまくれるのよ。これ以上の報酬がある?


 桜:・・・・・フッ、確かにこれ以上の報酬は無いね♪


 それから入国3日前 シルフィード王国 王都某所


 麗華:そういうわけや。マチルダはんのあのエロい身体をコレで撮りまくってほしいんや。報酬はこのマチルダはんの脱ぎたて下着一式や。どないどす?


 アオイ:この方はシルフィード王国財政大臣の鈴峰麗華すずみねれいかさん。種族は貧乏神。筋肉美女をこよなく愛する変態さん。


 桜:マチルダ・グロッタ。カントリア王国の元伯爵。エルフ族顔負けの美貌に黒褐色の肌。巨大な乳と尻。男性のブラックオーク族にも引けを取らない鎧の様な迫力ある筋肉で性格もイケメンな事から『抱かれたい逞しいお姉様』で常に1位をキープしている絶世の筋肉美女。


 麗華:そうどす!


 桜:今は幅広い医師免許を持っている事からこの国の医療大臣を務めていて、貴族時代では知る人ぞ知る稀代の温泉通で知られてる・・・だったね。


 麗華:へぇ。しかし去年の王国聖夜祭での一件以来ウチとお風呂行くのを物凄い警戒して入ろうとせえへんのや。


 桜:それは自業自得というか・・・ま。報酬がそれなら受けましょう♪


 麗華:おおきに!


 そして現在・・・


 ビバノン城最奥 魁皇温泉らんおうおんせん門前


 門番:お待ちください。この先は秘湯中の秘湯。『国湯こくとう』です。許可無き者は立ち入る事は禁止されている『聖域』です!


 ビバロン国王の許可証を提示するマチルダ


 門番:これは!失礼致しました‼︎さ、お通り下さい!


 桜:(参ったな。まさか温泉は温泉でも撮影厳禁の国湯とはこれは予想外だった)


 門番:この先は撮影等は厳禁とされますのでご注意を。何か質問は?


 桜:周りに何があるとか分からないようにするなら・・・じゃあ駄目ですか?


 門番:まぁ、建物内部のみなら良いでしょう。


 桜:(よし!)


 マチルダ:?


 アオイ:温泉へと続くその道は灯篭に明かりの灯ったなんとも幻想的な光景が広がっていました。ここはかつて天界宇宙創造主であり天界宇宙最高権力者『天界大帝』様がここを訪れた際に感動のあまり言葉を失ったと言われている道なのです。


 マチルダ:成る程、ここを撮影厳禁と言っていたのはこのためだったのか。


 桜:これは撮ったらいけないね♪


 温泉入口で出迎える巫女


 巫女:ようこそお越しくださいました。脱衣所はこの先を真っ直ぐに行ったところでございます。


 桜:温泉に・・・巫女?


 マチルダ:ここはかつて天界大帝様が訪れて入った秘湯・・・いや。神湯しんとうなんだ。だから常に湯を清める為に宮司と温泉に入る客人をもてなす巫女が居るんだ。


 桜:へぇ〜。流石は温泉通名高いマチルダ・グロッタだ・・・・ん?


 マチルダ:どうした?


 桜:(やばい。あの2人から預かったカメラが無い!)


 マチルダ:・・・・・探し物はコレか?


 桜:へ?・・・・えーーー⁉︎


 マチルダ:OHNテレビプロデユーサーの一宮直規とウチの国の麗華だろ?あの2人は似た者同士だからな。1カ月前から我が国の諜報機関『蜃気楼衆』に探らせていたのだ。


 桜:警戒されてるとは聞いてたけどまさかここまでとはね。


 マチルダ:で?どうする気だ?


 桜:バレたら依頼の意味ないし、ホイ。


 マチルダの下着一式を返す桜


 桜:ウチの流儀だからね。巻き添え喰らってお仕置き受けるのは勘弁してほしいからこの依頼は両方とも降りるよ。


 マチルダ:賢明な判断だ♪


 桜:そんじゃ、純粋に温泉を堪能させてもらうとしましょうか♪


 温泉に向かう2人


 マチルダ:・・・・・これは!


 桜:驚いたね〜♪


 ※ビバロン王国の機密に関わる為、この先の温泉の内容はお届け出来ません。


 門前


 マチルダ:言葉に表せないなアレは。


 桜:天界大帝様が感動のあまり言葉を失ったというのも頷けるね♪


 マチルダ:さて。宿に戻るか。


 桜:そうだね♪

















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