第377話狙われしクラリネット
アオイ:音楽超大国オーケストル帝国。国土争奪戦争オープニングライブバトルで勝利する曲をプロデュースする者の9割がこの国の出身と言います。今回はそんなオーケストル帝国一のクラリネット奏者が来国するのですが、ここで事件が発生します。その事件とは?それでは377話スタートです。
ニュースキャスター:皆さんこんにちは。本日午後17時より首都コンサートホールにて、音楽超大国オーケストル帝国のクラリネット奏者キコ・
魔界時間 9:00 ポリスティア合衆国大統領官邸
ダニエル:この度は我が国でのコンサート開催ありがとうございます♪
アオイ:この方はポリスティア合衆国の魔王、ダニエル・ハザード大統領です。
タクト:うむ、貴国でのコンサートは実に『意味のあるもの』である。
アオイ:こちらがオーケストル帝国皇帝タクト・オーケストル45世です。
ダニエル:『例のクラリネット』ですか。
タクト:左様、あのクラリネットは『特別製』でな。アレで奏でると心地よい音が出るが『ある特定の者だけ』動きを封じてしまう効果がある。その素材はある特定の者を御する時に使う素材らしいのだ。
ダニエル:同時に『ある者』を製造するのに重要なもの・・・ですな?
タクト:うむ、4界宇宙国際法で禁じられている『アレ』の製造に関わる重要な・・・ね。
ダニエル:それを狙って『奴等』が動き出す。
タクト:そのため貴国を選んんだのだ。
ダニエル:お任せください!必ず捕らえてみせます!公安超大国の名にかけて!
開演2時間前 コンサートホール控え室
クラリネットを見つめるキコ
キコ:・・・・・・・
アオイ:この方がオーケストル帝国一のクラリネット奏者、キコ・風深さん。種族はダークエルフ族。僅か70歳(人界年齢換算7歳)という若さで帝国一の奏者を決める『御前演奏』で見事優勝を勝ち取り170歳(人界年齢換算17歳)になった今でもその無敗記録は伸び続けています。
キコ:(皇帝陛下から賜ったこのクラリネット。奏者を選ぶって言うけど、何故私を選んだの・・・・ん?)
ふと机に置かれた手紙を見付けるキコ
キコ:手紙?
『今宵貴女のクラリネット、ヴァルキュリアソウルを頂きに参上します。怪盗アマヤドリ』
キコ:これ、予告状⁉︎
20分後コンサートホール入り口
マサアキ:ウチら幻龍会専任なのに何で怪盗アマヤドリ担当なんすか?
アオイ:この方は魔界宇宙国際警察組織犯罪対策課のマサアキ・クローズ刑事。種族は悪魔族です。
ジェニファー:この件、『ハザード大統領直々』のご指名らしいわ。
アオイ:こちらの方はクローズ刑事とコンビを組んで幻龍会を追うジェニファー・
マサアキ:って事は『幻龍会』が絡んでるって事か。
ジェニファー:取り敢えず話を聞いてみましょう。
控え室
ジェニファー:キコ・風深さんですね?
キコ:はい。
ジェニファー:(いつも思うけど何で魔族の女ってこんな発育凄いんだろ?)
キコ:あ、あの。
ジェニファー:あ、すみません!それで予告状は?
キコ:これです。
ジェニファー:怪盗アマヤドリ。盗みも逃走も100%成功させる伝説の怪盗。
マサアキ:でも最近じゃ一回も盗みが成功してないって噂ですよ。逃走成功率100%は健在みたいっすけど。
盗作:魔界宇宙国際警察を仕切る魔王のお膝元でコンサートなんてあのおっさん、上手い事考えよったなぁ♪
アオイ:この方は天界宇宙の裏社会を牛耳るドラゴニックマフィア最大の5大組織フィフスドラグネアの1つ『
盗作:やかましいわ!
レイラ:急に柄にもなく『キコ・風深のコンサートチケット取ってくれ!』って言うから何事かと思えばやっぱり幻龍会絡みなのね。
アオイ:この方はレイラ・A・壱宮さん。通信業界魔界宇宙最大手DNS(デーモンネットサービス)グループの社長さんで、種族はソロモン72柱のアガレス族。元魔界宇宙最強の天才ハッカーなのです。そして天界宇宙最強の天才ハッカーだった盗作さんの弟子でもあります。
盗作:当たり前や!『あのアホ』出国したって言っといてちゃっかりシーラントに残っておったから今度はワシが先回りするんや!
レイラ:幻龍会って音楽の趣味結構オシャレね。クラリネットの演奏会に来るなんて。
盗作:阿呆!そないなわけあるわけないやろ!奴等の狙いは『クラリネットそのもの』や!
レイラ:クラリネットそのもの?
盗作:あのクラリネットは別名『ヴァルキュリアソウル』とも言われとるんや。
レイラ:聞いた事ある。ヴァルキリーの動きを封じる素材で楽器を作って奏でるとヴァルキリーの動きを封じる事が出来るんでしょ?
盗作:せや、奴等ヴァルキリーを密造しようとしとる。
レイラ:天魔大戦の再来・・・
盗作:なんとしても止めなアカンねや!
開演10分前舞台裏
ジェニファーと通話する警官
警官:こちらA班、こちらは異常ありません!
ジェニファー:了解、引き続き警戒を怠らないように細心の注意を・・・
警官:了解。さてと・・・
背後から殴られる
警官:うっ!
幻龍会構成員Bと通話する構成員A
幻龍会構成員A:兄貴、予定通りこっちは抜かりないぜ!
幻龍会構成員B:わかった、手筈通り頼むぞ。
幻龍会構成員A:りょ〜かい♪
通信を切る
幻龍会構成員A:へっ、余裕だな♪
女性の声:何が余裕ですって?
幻龍会構成員A:だ、誰だ!
振り向く間も無く背後から回し蹴りを喰らう幻龍会構成員A
幻龍会構成員A:ぐお!
幻龍会構成員達:兄貴どうしました・・・って、誰だお前は⁉︎
霧香:シルフィード王国特務機関『蜃気楼衆』風組隊長霧香。
幻龍会構成員C:シ、シルフィード王国だと⁉︎
駆けつける警官隊
警官隊:こ、これは⁉︎
霧香:我等が主君、アリス・シルフィード女王陛下より伝言です。
『東西南北それぞれの区画に幻龍会の影あり、シルフィード王国特務機関蜃気楼衆が援護する』
敬礼する警官隊
警官隊隊長:対戦国とはいえ、御心遣い感謝致します!総員、幻龍会構成員全員の身柄を拘束せよ!
警官隊:ハッ!
闇属性の龍神族:何?仕込んでた奴等が全滅しただあ⁉︎
アオイ:こちらの闇属性の龍神族は幻龍会直参紫堂組組長、
幻龍会構成員B:どうもシルフィード王国の『影』が動いているようで。
紫堂:メディア超大国グローバリア公国公王のお気に入りの元諜報部隊か。確か国土争奪戦争でシルフィード王国に敗戦して里丸ごとシルフィード王国の傘下に降ったっていう。
男の声:随分詳しいな、流石は『幻龍会の情報源』だけあるなぁ。
紫堂:久し振りだな、輪島。
盗作:本名言うなや!盗作って言わんかい!
紫堂:邪魔しに来たのか?
盗作:それ以外何があるっちゅうねん♪
コンサートホール 国賓観覧席
タクト:まさか、天界宇宙第2位の権力者『14天界王』様がお越しとは思いませんでしたぞ♪
フレイラ:久しいな、オーケストル45世。
アオイ:このお方は天界宇宙を東西に分けて統治する国の14柱の王様『14天界王』の1柱、3代目冥王ハデスのフレイラ様です。
フレイラ:我が至高の御方たる師匠リタ様が特等席で聴きたいと仰せだから来たまでだ。
リタ:えっへへ〜、とくとうせき♡
アオイ:この子はロシアの人間族の女の子でリタ・ヌルマユちゃん。特別な力があるわけでもない他の3歳の女の子よりは博学ですが、フレイラ様はこの子の何に惹かれたのか私は勿論の事、
ダニエル:それにしても・・・
タクト:ここに並ぶは全員天界宇宙最強の古代兵器ヴァルキリー。しかもその中でも群を抜いて最強たるシングルナンバーズか。これは壮観♪
アリス:すみません、私達まで。これ、オーケストル45世殿をお誘いしてたんですよね?
タクト:ハハハ!いやいや、シルフィード殿。賑やかで大いに結構♪
フレイラ:さ、師匠。始まりますよ♪
リタ:うん!
演奏が始まる
アリス:(さぁて、幻龍会は抑えたって報告あったし。あとは怪盗アマヤドリって奴がどう動くかだよね♪)
ヴァルキリー全員の様子がおかしい
小雪:ユキ、いったいどうしただ⁉︎
アオイ:この子は鉱物資源超大国フローズンダスト連邦の魔王クラウド・アイゼンフリーズ大統領の娘さん。種族は雪女で30歳(人界年齢換算3歳)の女の子です。
ユキ:演奏が始まった途端・・・か、身体が・・・動かなく・・
杏:ハルしゃん!ウグイスしゃん!ねえしゃま〜。
アリス:大丈夫、大丈夫だから。演奏が終わったら元に戻るから。それより、いい加減出てきたら?そこに隠れてるんでしょ?
紫堂組構成員:いつから気付いていた?
アリス:最初からだよ♪
紫堂組構成員:ヴァルキリーは頂いていく。
アリス:成る程ねぇ、演奏して動きを封じている間にシキ姐さん達を強奪してその後にクラリネットを頂くってわけか・・・でも、ちょっと惜しかったなぁ♪
紫堂組構成員:何だと?
アリス達の前に転移するソフィア
アリス:ナイスタイミング♪
ソフィア:さあ!コイツを耳に装着してみな♪
ウグイス:お!動ける♪
ソフィア:コイツはただの耳栓じゃあない。ヴァルキュリアフリーズの発生する周波数のみを遮断する物質が組み込まれている。
ヴァルキリー全員が動けるようになる
アリス:さ、こっちは私を含めた魔王3人にハデス様1柱。加えてヴァルキリーシングルナンバーズに、アマテラス様とゼウス様を喚べる杏にエクスカリバーを持つ小雪。形成逆転だね♪
紫堂組構成員:クッ!
紫堂から通信が入る
紫堂:アリス・シルフィード、俺の想像以上のやり手だ。ここは退くぞ!
紫堂組構成員:はい!
アリス:あちゃ〜、逃げられたか。
フレイラ:今の声は紫堂だったな。
演奏が終わると同時に照明が落ちる
民間人:な、何だ!何が起こってるんだ⁉︎
アリス:成る程ねぇ〜、演奏が終わって余韻に浸って油断したところで照明落として盗む手口かぁ。やるねぇ♪
突如スポットライトがステージ真上を照らす
アマヤドリ:ハ〜、ハハハッ!怪盗アマヤドリ、予告通り参上♪・・・とうっ!
盛大に飛び降り盛大に着地失敗する
アマヤドリ:ぐえ。
明かりが辺りを照らし警官隊が取り囲む
ジェニファー:そこまでよ、怪盗アマヤドリ!
マサアキ:大人しくお縄につけ!
アマヤドリ:ムムム〜!また失敗か。ではまた会おう!
照明が落ち再び明るくなるといなくなるアマヤドリ
ジェニファー:え!いない⁉︎
マサアキ:逃走成功率100%は健在かぁ、これだけの包囲網で逃げ切れるなんて。
ダニエル:これでハッキリした。幻龍会はヴァルキリーを密造しようとしている。
警官:大統領閣下!実はシーラント諸島連合国警察当局より気になる情報が・・・
ダニエルに耳打ちする警官
ダニエル:何、それは本当か?
警官:はい、間違いありません!
ダニエル:至急その2人をこの国に呼ぶのだ!ここまでの交通費・宿泊費を2人分我が国が負担すると伝えるんだ!
警官:ハッ!
控え室
ジェニファー:すみません。取り逃がしてしまいました。
キコ:いえ。無事演奏する事が出来ましたし、こうしてクラリネットも無事でしたからどうかお気になさらずに♪
マサアキ:そう言って頂けると有り難いっす。
警官:三黒刑事、クローズ刑事。本庁より『シーラント諸島連合国で幻龍会の目撃者2人を大統領官邸まで護衛せよ』との事です。
ジェニファー&マサアキ:了解!
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