第362話家にかける情熱
アオイ:『魔界宇宙5大ゼネコン』魔界宇宙建設業界でその名を欲しいままにする巨大企業。今回は黒鴉建設グループに次ぐ第2の建設会社の社長さんのお話です。
魔界時間12:00 シーラント諸島連合国首都 タワーマンション建設現場
作業者A:へぇ!風見さんは元建設会社の社長なんすか♪
風見:おう!
アオイ:この方は
作業者B:どうりでアルバイトにしちゃスゲー腕前だと思ったぜ!
風見:ハハハ!伊達に場数踏んじゃいねぇよ♪
バイトA:・・・・はぁ。
風見:あ?どうした?わけぇのにそんな溜め息なんぞついて。
バイトA:このコッコー建託グループのバイトのシフト、えらくシンドくて。
風見:ああ、確かにな。俺もバイトの面接受かってシフト表見たときゃ『何だこりゃ⁉︎』って思ったぜ。
現場責任者:皆んな、休憩中悪いが集まってくれ。
風見:何だ?
全員集まる
現場責任者:帝王都サタンヘイルダム本社から営業一課の城田さんが視察に来た。さ、城田さん。
城田:営業一課主任の城田です。最近この現場の工期が遅れてるようですが、これはどういう事ですか?
風見:どうもこうもねぇだろ。こんなシフトじゃやってられっかってんだ。
現場責任者:か、風見さん!
城田:何か不服でも?
城田に詰め寄る風見
風見:あ?不服だぁ?あるに決まってるだろうがよ!このシフト表は何だ?これじゃまるで『バイトは使い捨てです』って言ってるようなモンじゃねぇか!
城田:これは本社のシフトマネージメント課との協議の上で決めたものです。嫌なら辞めてもらって結構。
風見:おうおう!有名大学出のお坊ちゃんが随分とデケェ口叩くじゃねぇか、え?その分じゃ現場経験なんざあるわけねぇな♪
城田:だったらなんだと言うんですか!
風見:正規だろうが、バイトだろうが共に良い家建てようと頑張ってる連中だ!それを
城田:な!なんだと⁉︎
ダークエルフ族の美女:随分とお熱いですね。
風見:あ?こっちは今取り込み中だ!黙ってろ!
現場責任者:しゃ・・・じゃなかった。か、風見さん。う、背後!
風見:ああん?背後だぁ?
ダークエルフ族の美女:ここで何をしてるのですか?『社長』
風見:あ、アレッサ!オメェ何でここにいるんだ⁉︎
城田:え?社長・・・え?
風見:やれやれ・・・
変装を解く風見
カルロス:おい、城田だったな。この俺の顔、見忘れたたぁ・・・言わせねぇぞ?
アオイ:では改めてご紹介します。この方こそ魔界宇宙5大ゼネコンの一角、コッコー建託グループ社長カルロス・コッコーさんです。
城田:しゃ、しゃしゃしゃ、社長ーーーー!
カルロス:まったく!会社がデカくなりゃなる程に目が届かなくなるからこうしてバイトになりすまして潜り込んでみてみりゃ案の定このザマだ。おい城田ぁ!
城田:はっ、はい!
カルロス:今すぐに本社に戻ってシフトマネージメント課とバイトのシフト組み直せ!
城田:い、今すぐにですか?
カルロス:つべこべ言わずにとっとといかねぇか!あと出来たら俺んトコ持ってこい。もし俺のOKが出なかったらダメだしする度にオメェ等の給料10%引いていくからな。覚悟しとけ!
城田:え〜!
城田を睨むカルロス
カルロス:クビにしねぇだけでもありがてぇと思え。わかったらさっさと行かねぇか!
城田:はいーーー!
カルロス:ま、若ぇモンはこれくらい尻引っ叩いてやらねぇといつまでも天狗になるからな♪
アレッサ:めでたしめでたしのムードの中大変申し訳ありませんが。
カルロス:あ?
アレッサ:社長、今日の正午はこの国の建設大臣との会食の予定でしたよね?
カルロス:あ〜、いやぁ〜、まぁ〜、そのぉ・・・なんだ。
アレッサ:回を増す毎に変装の腕前を上げるので毎回探すこちらの身にもなってもらいたいのですが。
カルロス:俺はよ、接待やらとかって堅苦しいのは苦手でよ。
アレッサ:はぁ。貴方もいい加減5大ゼネコンの一角という自覚をお持ちください。
カルロス:で、でもよぉ・・・
カルロスに壁ドンするアレッサ
アレッサ:あんまりごちゃごちゃぬかすと・・・殺すぞ。
アオイ:この方、カルロスさんの秘書室長なのですがその昔・・・
アオイの足下に銃弾が当たる
アオイ:ヒッ!
アレッサ:人の過去ほじくり返すような発言はあまり感心しませんね。次は・・・ありませんよ♡
カルロス:こ、こわ〜。
アレッサ:さ、行きましょうか社長♪
※目が笑ってない
カルロス:はい!ただ今!
作業者A:アレッサ秘書室長の過去って。
現場責任者:それは知らない方が良い、命が惜しかったらね。
作業者全員:・・・はい。
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