第305話南海大海戦を阻止せよ(後編)
アオイ:要塞亀フォートレストータスの暴走の原因を突き止めアイランドクラブの縄張り突入を無事回避したオリビアさん達。アイランドクラブの方でも何か問題が起こっているようです。
南海大海戦阻止作戦進行時 クラブ海 アイランドクラブ背中甲羅後部
エリカ:確かにリゾートホテル建設の融資の話も無事済んで建設予定地の島を見たいとは言ったよ。言ったけど・・・
移動するアイランドクラブ
エリカ:何でこの島動いてんのよーーーーー‼︎
同時刻 グランドナッツの木頂上
ピエトラ:うおーーー!たっかーーーい!・・・でもこの島動いてない?・・・ま、いっか♪
1時間前・・・
エリカ:ここね。ウチが融資したホテルの建設予定地になる島は。
アオイ:彼女は魔界宇宙4大メガバンクの一角『
同時刻 グランドナッツの木の根元
ピエトラ:おー!大っきい木だね〜♪
アオイ:彼女の方はシルフィード王国科学大臣ソフィア・クルーガーの右腕として活躍しているピエトラ・プレツィオーザ博士。天使族の鉱物学者。何でここにいるのでしょう?
ピエトラ:この木の上にあるんだな!この木になるミルキーナッツの殻を唯一砕ける石『ナッツロック』が♪・・・・およ?
突如大きな揺れが襲う
エリカ:え?え?何なのこの揺れ⁉︎
同時刻 シーラント諸島連合国 国防省
オペレーターA:マカデミア国防大臣閣下!休眠中のアイランドクラブが突如移動を開始し、クラブ海境界海域に向かっています!
ナタリア:なんですって⁉︎
アオイ:この方はシーラント諸島連合国の国防相ナタリア・マカデミアさん。種族はオーガ族。文武両道のお姉様です。
オペレーターB:更にフォートレストータスが一直線にクラブ海へ向け移動開始!
ナタリア:マズイわ。あの2匹が接触したら全面戦争になる。そうなったら周囲の島々が彼等の戦火に巻き込まれる!
そして現在・・・
アイランドクラブ上空
晃斗:そうか、フォートレストータスの件は無事解決したんだな?
オリビア:ええ。これであの2匹が接触する心配はないわ♪
晃斗:それに水を差すようで申し訳ないのだが。
オリビア:ん?
晃斗:今度はアイランドクラブの方が真っ直ぐそっちに向かって海上を爆走してる。
オリビア:なんですって⁉︎
晃斗:更に悪い報せだ。そのアイランドクラブの方にも誰か乗ってるようだ。
オリビア:えーー⁉︎
同時刻 科学省自然観測所
オペレーター:所長!
所長:どうした?
オペレーター:本島南西部クラッツ島海域の水温が急速に低下しています!
所長:クラッツ島海域といえば今アイランドクラブが休眠している海域だな。水温は?アイランドクラブは低い水温が苦手だ。
オペレーター:計測します・・・・え!マ、マイナス1500万℃⁉︎
所長:マズイ!その低さは彼が飛び起きる水温だ!
オペレーター:水温はクラブ海境界海域へ向けクラッツ島から徐々に低下しています!
所長:まるでアイランドクラブを『誘導』しているかのようだ。
国防省
オペレーターA:アイランドクラブの眷属であるジャイアントクラブの軍団も追従するように移動を開始しました!
自然観測所
所長:その周囲の『生態反応』を調べてくれ。
オペレーター:生態反応を・・・ですか?
所長:ああ。私の推測が正しければあの海域にいない筈の『奴等』がアイランドクラブの水面下にいる筈だ!
境界海域上空
オリビア:この時期休眠期にある筈のアイランドクラブが突然動き出す?フォートレストータスが彼の縄張りに侵入するならまだしも・・何故?
オリビアのデバイスに着信が入る
オリビア:はい?あ、ハイビス大統領!
ジュリア:今良いですか?
アオイ:この方は妹の方のジュリア・ハイビス大統領。銀角族ですね。
オリビア:はい。ジュリアさんのお伝えしたいのはもしやアイランドクラブが突然動き出した原因の『
ジュリア:流石です。海水温度の高いあの海域に生息しない筈の氷結鮟鱇の群れが確認されたとのウチの国の自然観測所から報告がありました。
オリビア:氷結鮟鱇は周囲の海水温度が自身の危険水温に達すると群れで固まり水温を下げて生命維持する習性がある・・・でしたね。
ジュリア:はい。しかも4日前に現地の漁師達が追いつかないほどの謎の大繁殖を起こし、その翌日。つまり昨日忽然と姿を消したとか。
オリビア:おそらくゲルマルクが強制的に繁殖させてあの海域に転送したんだわ。氷結鮟鱇のこの移動先が彼らの生息する海域への最短のルートだから。
ジュリア:あの2匹を接触させるために仕組んだという事ですか・・・
ミリア:あ、あの〜。
オリビア:はい?
ミリア:氷結鮟鱇さえ居なくなれば解決するんですよね?じゃあ氷結鮟鱇の群れ全部とジャイアントクラブ1匹調理して良いですか?
ジュリア:本来なら氷結鮟鱇の大量漁獲は禁止ですが、増えすぎたらある程度は減らさなくてはいけません。よって緊急事態につき許可します。
ミリア:ありがとうございます!
惠に繋ぐミリア
ミリア:惠、聞いてたでしょ?『アレ』転送して。
惠:え〜!ミリアの調理セット〜?ミリアの料理人モードはものすっごく怖いから嫌ニャ〜。
ミリア:料理人モード?何の事かわからないけど8000億人の民間人の命がかかってるのよ!つべこべ言わない!
惠:わ、わかったのニャー!
ミリア:桜さんも協力してください!
桜:ハイハイ。雇い主の御意志とあらば。(正直私も料理人モードのミリアは怖いから苦手だけど)
ミリア:あと、ペリカンさんの部下で私達のサイズに合う子はいませんか?あまり大き過ぎると動き辛くて。
ハル:・・・・はい。伝えます。『吾輩の眷属の中にテイサツペリカンがいる。高速で動く故其方の素早い動きについていけるであろう』と言ってます。
ミリア:ありがとうございます!
30分後クラブ海域 アイランドクラブ前
ミリア?:・・・来たか。
同時刻 アイランドクラブ背中グランドナッツの木頂上
ソフィア:ピエトラ、無事かい?
ピエトラ:ソフィアお姉様!この島動いてるけどどうなってるの?
ソフィア:アンタ上陸する島間違えてる。ソイツは島じゃなくて1匹の超巨大ヤシガニ『アイランドクラブ』の背中の上だ。
ピエトラ:えーーー⁉︎コレ全部カニの背中なの⁉︎軽く銀河系の10倍の大陸くらいあるんだけど。
ソフィア:今ソイツは氷結鮟鱇って魚のせいで絶賛爆走中だ。そこで私の旧友のオリビアから伝言がある。『ミルキーナッツを唯一砕く事が出来る石ナッツロックと天上鋼を使った合金を木の根元向けて落下させてほしい。それでそのヤシガニの動きを止められる』だそうだ。出来るな?
ピエトラ:ガッテン承知!
秘書:頭取、ご無事ですか?
エリカ:ねえ。この島動いてるんだけど。
秘書:申し訳ありません頭取。どうやら現地ガイドが間違った地図を渡したようで。そこは島ではなく1匹の超巨大ヤシガニの背中です。
エリカ:こ、コレがヤシガニの背中⁉︎めちゃくちゃバカデカイんですけど。
秘書:そりゃ〜、まぁ。この国の6体の『ヌシ』と呼ばれる巨獣の一角ですから。今緊急事態にあります。頭取は炎の魔法が得意でしたよね?
エリカ:え?うん。
秘書:ではこれからアクガリタル総理のもとへ転移させます。そこでアクガリタル総理をサポートしてください。
エリカ:え?え?上手く状況が飲み込めないんだけど・・・
秘書:では・・・いきます。
エリカ:ちょっ!待ってまだ状況理解出来てな・・・
アイランドクラブ前テイサツペリカンの背中
エリカ:こ、ここ何処?
紅く冷たい鋭い眼光で仁王立ちしているミリア?
エリカ:え?ミリア・・・さん?
桜:ようこそ戦場へ。
エリカ:え?戦場・・・え?
ミリア?:何を惚けてる。早く詠唱しろ。そして私の合図で放て。
エリカ:え?何がどうなってるの?
エリカを睨むミリア?
ミリア?:早くしろ・・・2度は言わん。
エリカ:ヒィー!メチャクチャ怖い
桜:今のミリアに逆らわない方がいいよ。
ミリア?:桜、無駄口叩いてないで早くジャイアントクラブの眉間を撃ち抜け。
桜:イ、イエッサー!
撃ちぬくと同時に海中に飛び込み氷結鮟鱇を全て捌くミリア?
エリカ:は、速っ!
桜:こっちは終わったよ!
同時にジャイアントクラブを解体するミリア?
ミリア?:塩はブルーソルト、蟹味噌で味をつけて氷結鮟鱇の身とアラを入れ・・・エリカ!
エリカ:こっちはいつでも良いわよ!
ミリア?:甲羅の下めがけて放て!
甲羅の下へ火炎魔法を放つエリカ
ミリア?:甲羅が赤くなるまで続けろ!
ジャイアントクラブを解体されて怒る仲間達
ミリア?:何だ?文句があるのか?ならば・・・捌かれたい奴から前へ出ろ‼︎
萎縮して一斉に逃げ出すジャイアントクラブ軍団
桜&エリカ:こっ、怖っ!
ミリア?:よし!出来た。
調理器具を専用のトランクに仕舞うと元の人格に戻る
ミリア:おーーー!鮟鱇入りのデッカい蟹鍋だ〜♡2人で作ってくれたんですかぁ?
エリカ:え?貴女覚えてないの?
口いっぱいに頬張るミリア
ミリア:ふえ?
桜:当の本人は覚えてないんだって。
アイランドクラブ上空
晃斗:あの包丁、親父の作か!
デバイスを取り出す晃斗
晃斗:俺だ、こっちは無事片付いた。アイランドクラブの動きも止まった。気絶してそのまま休眠状態に入ったようだ。
ジュリア:ご苦労様でした。アイランドクラブの方は我が国の輸送艦隊で元の休眠ポイントへ移しておきます。
全員へ通信するオリビア
オリビア:皆んなご苦労様!情報交換したいから一旦集まりましょう。
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