第15章 農林水産超大国カントリア王国

第500話 カントリア王国へ

 アオイ:次なる魔王具回収のためアリスさんは新たな情報を得て、農林水産超大国カントリア王国へと向かうのでした。


 魔界時間12:55 カントリア王国 王都国際次元空港


 アリス:着いたね、カントリア王国♪


 ヴィオラ:国土争奪戦争後に同盟を結んで以降国交はあったものの、こうして訪問するのは初めてですね。


 アリス:この国に12の魔王具の1つがある事が分かったのは良い機会だったね♪


 ヴィオラ:そうですね。それにしてもまさか、カントリア王が病床に伏せっておられたとは。


 アリス:病気っていっても風邪でしょ?


 ヴィオラ:健康が取り柄のカントリア王にとっては風邪でも大事ですよ。


 アリス:何で風邪引いたんだろ?


 ヴィオラ:詳しくは存じ上げませんが聞くところによると、ヴェルナース帝国領から逃げ出したコールドモスキートという昆虫獣類の巨獣を捕まえる時に風邪のウイルスを含んだ体液を浴びて風邪を引いたとか。


 アリス:コールドモスキートって、あのバカでかい蚊の巨獣でしょ?体内でウイルスを培養して研究機関にワクチン作りのために提供している。


 ヴィオラ:はい。ヴェルナース帝国で作った即効性のワクチン摂取があったとはいえ暫くは安静にしてる必要があるそうで。


 アリス:先ずはお見舞いにいこうか。魔王具についても話聞かないと前に進めないから。


 ヴィオラ:ですね。


『ファーマー城内国王寝室』


 アリス:ラクスさん、お加減如何ですか?


 起き上がるラクス


 ラクス:おお、わざわざすまないでブヒ・・・ゴッホ、ゴホッ!


 アリス:む、無理しないで。 

 

 再び横になるラクス


 ラクス:そういえば、例の魔王具についてだったでブヒな?


 アリス:そうです。


 ラクス:アリスが探している我が国にある魔王具の名は『開拓王のまさかり』この国が建国される遥か昔に存在した国、旧グランロード王国の魔王が持ってたとされる魔王具・・・いや、正確には魔神具か。


 アリス:できればそれをお借りしたいのですが。


 ラクス:勿論、喜んで貸そう・・・と言いたいところなのだが、その魔王具はでな。


 アリス:移動中?


 ラクス:我が国が契約している3体の巨獣の1体、クラフトワームの腹の中なのでブヒよ。


 アリス:クラフトワーム?


 ヴィオラ:ナレーターさん、解説宜しくお願いします。


 アオイ:は〜い♪クラフトワーム、ウロボロス科ウロボロス目、環形動物門貧毛類かんけいどうぶつもんひんもうるいつまりは超巨大ミミズですね。体長9900万㎢、体重45兆6000万トン。超空間転移能力を持ち、カントリア国内の星々の地中を巡り体内で肥料を生成・散布して回っている農家の強い味方です。


 アリス:体内にあるって事は、最悪何処かの星の地中に埋まってる可能性があるかもと?


 ラクス:すまんブヒ。


 シルビア:陛下が迂闊にもクラフトワームが大口開けて寝てるところに来賓の前で見せびらかして手を滑らせて落とすのがそもそもの元凶ですから。


 ラクス:うぐっ!


 シルビア:その翌日には博物館の館長にこっ酷く怒られてましたし。


 ラクス:おっふぅ!


 アリス:シルビア王妃、もうその辺で。  


 シルビア:申し訳ありませんが、現在王国軍にクラフトワームの行方を追わせておりますのでもう暫くお待ち下さい。

 

 アリス:私も探しに行きますよ、この国を見て回る良い機会なので♪


 シルビア:そう言っていただけると助かります。


 アリス:じゃ、行こうか。


 ヴィオラ:はい。




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