第241話飲み女子inトレイント共和国

 アオイ:一輪の花にかける想い。素敵でしたね♪今回のお話は・・・ん?


 カンペを出すAD


 アオイ:え〜っと・・・『今回から新コーナーが始まります』?さて。なんでしょうね〜?


 魔界時間13:00 トレイント共和国首都ステーショナリア郊外霊園


 太郎:という事は貴女の国は今閣僚は私だけと。


 イザベラ:そう。この後宰相になってくれる人とここで合流する事になってるの。実は正直言うと科学大臣だけアテがなかったの。


 太郎:そこに私がいたと。


 イザベラ:そうなの。そして宰相になってくれるのは月光の邪神『かぐや姫』


 太郎:え⁉︎かぐや姫ってあの『竹取物語』のかぐや姫かい?


 イザベラ:あら。知ってたの?


 太郎:私の故郷の国では有名人さ!


 イザベラ:へぇ〜・・・あ。来たみたい♪


 同時刻トレイント共和国財政省前


 ディアナ:ん〜!やっと終わったー!意外と話せる大臣さんでスムーズに進んだわ♡こういうめでたい日は一杯呑みたいなぁ♡


 アオイ:はじめての方のために軽く紹介を。彼女の名はディアナ・A・グロリアさん。ソロモン72柱の大悪魔火の使い手アイム族。魔界宇宙最大の家電量販店スケイルベストグループの社長さん。


 凛:む?ディアナか?


 アオイ:こちらは今回初登場の凛・藺棹緒いざおさん。種族は鬼神族。魔界宇宙第2位の製薬会社、藺棹緒製薬グループの社長さん。凄腕の剣士さんなんですよ♪カッコイイですよね。こういう感じだから同性にモテるんですよ♡


 ディアナ:そっちも売り込み?


 凛:うむ。医療省の方にな。


 ディアナ:こっちは上手くいったわ♪そっちはどうだった?


 凛:首尾は上々♪


 リムジン車中から外を眺めるシエル


 シエル:あら?あの2人は・・・運転手さん。停めてくれる?


 ディアナ:ん?


 凛:あのリムジンのエンブレムは・・・シエルか。


 シエル:奇遇ね♪アンタ達ここで何してるの?


 アオイ:彼女の名はシエル・朝唯あさたださん。魔界宇宙で5本の指に入る大財閥、朝唯コンツェルンの総帥。種族はあのベリアル族ですよ♪


 ディアナ:出張。この国未だだったから売り込みをね♪


 凛:私もだ。この国は製薬会社が不足してるらしいからな。ビジネスチャンスと思い来たのだ♪お前は?


 シエル:私は視察。この国にウチの系列のドミニオン重工があるの。それに最近『トゥエルブ』の一角『ゴレオン重工グループ』の動きが活発になってるから。


 アオイ:『トゥエルブ』というのは魔界宇宙財界に君臨する『王』の称号を持つ12の企業の事ですね。トゥエルブになるという事は同時に魔界宇宙財界の支配者になるという事だから皆んなそこに憧れて目指すの。それが魔界宇宙が他の宇宙よりズバ抜けて科学と経済が発達している秘訣なの♪


 ディアナ:『重工王』ダレス・ゴレオン・・・か。またとんでもないのとやり合っているわね。そういえばアンタもじゃない?凛。


 凛:ああ。『製薬王』の経営する『妖凱製薬ようがいせいやくグループ』が拠点を構えている。


 ディアナ:ま、なにはともあれ、無事トレイント共和国に進出出来たという事で・・・どお?これから3人で一杯♪


 凛:こんな日の高い内にか?


 シエル:私まだ夕方まで予定空かないから夜じゃ駄目?


 凛:私も建設予定地に視察に行って建設会社との打ち合わせがある。夜は空いてるぞ。


 ディアナ:じゃ、18時集合って事で♪


 凛:店は何処だ?


 ディアナ:ふっふ〜ん♪実はもう見付けてるんだ〜♡


 デバイスの画像を投影するディアナ


 凛:『BARパープルグラス』有名なのか?


 ディアナ:そういやアンタは日本酒専門だから洋酒は疎かったんだったわね。この国って鉄道ファンの聖地としてファンの間じゃ知らなきゃ恥っていうくらい定着してるけど、実はワインの一大産地としても有名なのよ♪


 シエル:それは楽しみね♪


 同時刻 首都ステーショナリア4番街


 綾:さて、困ったな。ヘルベルト帝国行きの便に乗り遅れてしまった。イザベラの奴待ってるだろうに。


 アオイ:彼女も初登場ですね。彼女の名は綾・梟帥たける。種族は酒呑童子。イザベラさんの国で軍政大臣になる予定の方ですね。酒呑童子だけあってお酒が大好きなんですよ♪


 綾:取り敢えず一言・・・・あ。私のデバイス修理に出してたんだったな。・・・ふむ。彼処のネットカフェからメールでもしておくか。


 メールを送信する綾


 綾:これで良し。次の便は・・・明日朝か。ならば折角だ。この国の地酒でも愉しむとしよう♪


 19:00 BAR『パープルグラス』


 ディアナ:お〜!イイ雰囲気の店ねぇ♪


 凛:ふむ。静かなのがまた良い♪


 シエル:へぇ。アンタ相変わらず良いセンスしてるわね♪


 マスター:いらっしゃっいませ♪こちらがメニューとなっております。


 メニューを見る3人


 ディアナ:じゃあ私はこの『ブランルージュ』


 シエル:だったら私は・・・あ!これが良い♪『ハニーレッド』


 ディアナ:アンタ本当に蜂蜜系好きよね〜。


 凛:ならば私はこの『紫冷酒しれいしゅ』を。


 ディアナ:なにソレ⁉︎


 凛:ワインに使う葡萄を日本酒の製法で作る酒らしい。


 シエル:へぇ〜。珍しい。きたら一口ちょうだい♪


 ディアナ:あ!私も♪


 凛:気になるなら後で自分で頼めば良いだろ。


 ディアナ&シエル:え〜!いいじゃない!ケチ〜♡


 凛:ハモるな!


 来店する綾


 マスター:いらっしゃっいませ。お好きな席へどうぞ♪


 凛:・・・・ふむ。


 ディアナ:どったの?生理?


 凛:お前もう酔ってるのか?ホラ。あの席の御仁。


 シエル:あの酒呑童子のお姉さん?


 凛:かなりデキるぞ。


 ディアナ:アンタがそう言うなら相当強いんだろうね。


 マスター:ご注文は?


 綾:『ヴァイオレットローズ』を。


 シエル:ヴァイオレットローズ⁉︎


 凛:ヴァイオレットローズ?


 ディアナ:ちょ!アンタ知らないの⁉︎ヴァイオレットローズっていったら魔界宇宙でも50本しか出回らない幻のワインじゃない!あのお姉さんかなりの『通』だよ。


 シエル:酒呑童子は酒好きで酒の知識も豊富とは聞いてたけど。まさかワインにまで精通してたなんて。


 マスター:お待たせしました。


 凛:ご主人。何かこれに合う肴はあるか?


 シエル:あのお姉さんの話題で盛り上がってるのにアンタってホントにマイペースね。


 マスター:ではこちらなど如何でしょう?


 凛:ふむ、鏡鱒かがみますのムニエルか。それを頂こう。


 マスター:そちらのお2人は?


 シエル:そうね・・・ハニーレッドに合うのは・・・クリアパインのケーキ♡


 ディアナ:こんな時間にケーキって・・・太るよ。


 シエル:うっさい!


 ディアナ:じゃあ私は・・・


 綾:隣、良いかな?


 ディアナ:ど、そうぞ。


 綾:ほぉ。貴女のオーダーはブランルージュか。ならばカールスの桜チップ燻製がおススメだよ♪


 ディアナ:お〜!良いねぇ!じゃ、マスター。それお願い♪


 マスター:畏まりました♪


 ディアナ:あ。そういえば、貴女よくこの店にヴァイオレットローズがあるってわかったわね。ここって相当な常連でもなかなか出ないのに。


 綾:採ってきたのさ。ヴァイオレットベリーを。素材を採ってさえくれば出してくれるんだよ。ヴァイオレットベリー自体が栽培不可能な上に険しいところに自生してるから製法がわかっててもなかなか作れないんだ。


 ディアナ:確か・・・魔界宇宙最大の5大秘境の1つ『テンペストフォール』っていう魔界最大の滝でしょ?彼処のてっぺんに自生してるんだっけ。


 綾:ご名答♪


 ディアナ:確かそこって魔界宇宙3大珍味の1つオーロラフェニックスの卵で有名な親鳥の休息所でもあるんでしょう?この時期産卵を控えて気性が荒くなってるから危険だってネットにも書いてあったけど。


 シエル:入手困難の理由がそれでしょ?産卵地に向かうオーロラフェニックスの休息の時期と収穫時期が重なる・・・だったっけ?


 凛:オーロラフェニックスはかの酒呑蒼牙流しゅてんそうがりゅうの創始者であり、魔界宇宙貴族4大公の一角でもある酒呑大公ですら深手を負うほどの強さと聞く。


 綾:オーロラフェニックスに気付かれないように採るのは流石の私も緊張したよ。あれは運が良かったとしか言いようがない。たまたま無謀にもオーロラフェニックスに挑んだ奴に注意が向いていたお陰さ。


 シエル:そいつ大丈夫だったの?


 綾:敵わないと知るや直ぐに退いたさ。自分の力量を見極め退いたのは称賛に値する。それにオーロラフェニックスも腹の中の我が子優先だから深追いはしない。


 マスター:お待たせしました♪


 シエル&ディアナ:お〜!きたきた♡


 シエル:それでは・・・・


 ディアナ:トレイント共和国進出成功と・・・


 凛:新たな呑み友の出会いに


 3人:カンパーイ♪


 一方ヘルベルト帝国帝都ジュエリート


 アサギ:うぅ・・・来ない。


 重臣:今日来ると女帝陛下から聞いてたのですが、おかしいですなぁ。


 衛兵:あ、あの。


 重臣:何だ?


 衛兵:トレイント共和国より梟帥様からメールで『ヘルベルト帝国行きの便に乗れなかった。次の便は明日になるから今日は行けない』だそうです。


 アサギ:えーーーー‼︎


 重臣:普通にトランスポートステーションで来れば良かったのでは・・・


 アサギ:そ、そうですね。何ででしょう?


















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