第295話音楽フェス前夜

 アオイ:毎年ビバロン王国で行う音楽フェス。今回は国土争奪戦争前日という事で『前夜祭』という形になるそうです。魔界宇宙各界から参加権を得たアーティスト達が続々と入国してきているようですね。


 魔界時間:18:00 泉湯山麓 音楽フェス会場


 ナナ:・・・ここで私が歌うんだ。


 リディア:緊張する?


 ナナ:いいえ・・・と言えば嘘になります。正直緊張と成功するかっていう不安でいっぱいです。


 リディア:それで良いのよ♪


 ナナ:え?


 リディア:アイドルもアーティストも上に進むにつれて1番気を付けておかないといけないのは『慣れからくる失敗』常に緊張しつつリラックスしてるのが1番なのよ♪


 ナナ:リディアさんも現役の時はそうだったんですか?


 リディア:誰だって初めてはそうよ。


 辺りを見回すナナ


 リディア:どうかした?


 ナナ:あ、いえ。毎年テレビで観てるのと何だか雰囲気が違うような気がして・・・


 リディア:あ〜。それは多分今年は丁度国土争奪戦争の前日だからだと思うわ。諸外国の魔王も観にくるそうだから。


 ナナ:え!そんな大舞台で私歌うんですか⁉︎


 リディア:失敗するリスクはあるけどその分成功すれば効果は大きい。他の新人アーティストより差をつけるチャンスよ♪


 同時刻 ビバノン城 国王執務室


 チョウスケ:今年も始まるな、王国音楽フェス。


 カトレア:特に今年はシルフィード王国との国土争奪戦争とも重なって更に注目を集めてるわチョウさん♪


 ロイド:興行収益も過去最高の見込みだ♪


 ケン:楽しみだ♪


 ブートン:出店で美味いもん食えそうだ♪


 チョウスケ:何が何でも成功させようぞ!


 一同:おーー‼︎


 更に同時刻 温泉旅館『柚子の華』


 薫:いよいよだな。


 アリス:うん!


 薫:どういう戦術でいくつもりだ?


 アリス:今回は真っ向勝負!


 薫:相手はあのビバロン王だぞ。


 アリス:『だからこそ』だよ。あの人も絶対そうする!


 薫:・・・フッ♪


 19:00 清流河 中洲国立公園


 ミシェル:明日は音楽フェスっスね〜♪


 リタ:おんがくフェス?


 ミシェル:色んなお歌が聴けるっスよ♪


 リタ:おうた♡


 小雪:オラたちもいきたいべ〜♪


 杏:いきた〜い!


 ミシェル:そうっスね〜。皆んなで行こうね〜♪じゃ、帰ってお風呂入って寝るっスよ〜。


 3人:は〜い♪


 ビバロン王国最北端 湯楽湖ゆらくこ


 アオイ:湯楽湖、それはビバロン王国最北端に位置する国内最大級の湖。ここには双流鯉に次ぐ伝説の巨獣が住んでいるという言い伝えのある所です。


 管理人:いつもと違う・・・


 僅かな間に映る巨大な影


 管理人:これは・・・・大変だ!


 再び国王執務室


 執務室に緊急通信が入る


 管理人:陛下!


 チョウスケ:其方は湯楽湖の管理人。如何した?


 管理人:湯楽湖の水面に巨大生物の影あり!


 チョウスケ:ケン!


 ケン:ああ。たった今報告があった。確かに巨大生物の反応が一瞬だが確認された。


 チョウスケ:湯楽湖に住まう伝説の巨獣・・・か。


 同時刻 王国国際次元空港


 オリビア:晃斗。出国は中止だ。


 晃斗:何か気になる事でもあったか?


 オリビア:この気配。この国の北の巨獣が目を覚ましたようだ。


 晃斗:真に心に響く歌声を持つ者の前にしか現れないこの国の伝説の巨獣『シンフォニードラグネア』か。だとしたら・・・


 オリビア:音楽フェスの参加者の中にシンフォニードラグネアのおめがねに構う歌い手がいるという事だ。行こう晃斗!


 晃斗:ああ!







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る