第214話不法占拠する神

 アオイ:杏姫のはじめてのお使い、可愛かったですね♡さて、シルフィード王国西方エリアにある実り豊かな森『ガーネットフォレスト』ここに勝手に畑を作って住み着いてる方がいるようですね。


 魔界時間10:00 王城 応接室


 アリス:不法占拠?


 ミリア:せや。国立自然公園に指定されとるガーネットフォレストに最近住み着いてなんや畑作っとるらしいんや。


 アオイ:この物語をここから読んでる方のために。この方はミリア・ウエスティン公爵。シルフィード王国4大貴族で王国西方エリア全土を統治する偉い貴族さんなの。種族はソロモン72柱の一角パイモン族。


 ミリア:ナレーターはん。紹介ご苦労さ〜ん♪


 アリス:彼処は豊穣の恩恵を受けて年中作物の実る土地だよね?


 ミリア:せや。ところがここ最近その森の植物の成長がハンパないんや!


 アリス:で、その畑って何を育ててるの?


 ミリア:『芋』や。


 アリス:芋?


 ミリア:至る所に畑作っては色んな種類の芋作ってんねん。


 アリス:誰なの?


 ミリア:ウチの軍総出で探しとるが、一向に見つからんねや。


 アリス:取り敢えず現場行ってみようか。


 ミリア:いつもすまへん。


 1時間後 王国4大国立自然公園『ガーネットフォレスト』


 アリス:う〜ん!相変わらず紅葉の綺麗な森だねぇ♪


 ミリア:で、問題の畑がアレや。


 アリス:ホントだ。芋ばっかり。


 シキ:陛下。僅かですが、この畑から神族の神気が残ってます。


 アオイ:この方は天界最古の古代兵器ヴァルキリー。その中でも最強と言われた2トップの『タイプ0』今はアリス女王の専属メイドをしているの♪


 畑に手を当て静かに瞑想するアリス


 アリス:ホントだ。


 ミリア:てことはこの畑作ったんは神さんかいな。


 アリス:それも豊穣を司るタイプのね。


 ミリア:そこにガーネットフォレストの特性が加わってこないな異常な大豊作状態ってわけかいな。


 アリス:あ!居た!


 ミリア:何処や?


 アリス:ここから真っ直ぐ1000キロ先!


 双眼鏡で覗くミリア


 ミリア:あ、ホンマに居った。よぉあないなトコ見えるなぁ。アンタの視力どないなっとるねん。


 一心不乱に畑を耕す狐耳の女性


 アリス:あれって。稲荷神?


 シキ:はい。豊穣を司る東洋の女神『命婦みょうぶ族』ですね。


 背後に転移するアリス達


 尊:だ、誰です!


 ミリア:そらこっちの台詞や!勝手に国立自然公園にこないに畑ぎょうさん作ってからに。


 尊:国立自然公園⁉︎す、すみません!そうとは知らず・・・



 アリス:先ずは名前聞いていいかな?


 尊:はい。私はみこと・アーキトレーブ。命婦族。出身は今は亡きグリーンヒル王国の農林水産相をしていました。


 アリス:グリーンヒル王国⁉︎ヴィーナス姐さんトコの?


 尊:陛下をご存知なのですか⁉︎陛下は無事なのですか?


 アリス:うん。国の皆んな無事だよ♪


 次元大震災から現在の経緯を説明するアリス


 尊:・・・・そうでしたか!なんとお礼を言ったら良いのか・・・。


 アリス:まさか次元大震災の後ここに飛ばされてるなんてね。でも何で芋?


 赤面して語る尊


 尊:あ、あの。それは私の好物なので。


 アリス:あ〜。そゆこと。


 ミリア:兎に角この神さんには国に戻ってもらわんと、このままじゃ森の生態系がどんどん崩れるで。


 アリス:あ、そだね。じゃ、外交省へ行って帰国の手続きしようか♪


 尊:はい!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る