第29話不法入国者
マザーテレサに次いでナイチンゲールも保護したシルフィード王国。そんな中、国境警備隊より不法入国者の身柄確保の報せが入る。
魔界時間13:00 王城客間
アグネス:貴女も保護されたのね。
フローレンス:ええ、とても悪魔と思えない親切な対応でした♪
アグネス:フローレンスさんっていいましたね。もしかしてフローレンス・ナイチンゲールさん?
フローレンス:ええ、そうです。
アグネス:そうでしたか。貴女の事は世界的にも有名ですよ♪
フローレンス:そ、そうですか?女王様から聞いたのですが、いまいち実感なくて。
アグネス:無理もありません。貴女が世界的に有名になるのは貴女が亡くなって大分経ってからですから。
衛兵:失礼!こちに陛下がおいでと聞きまして。
アグネス:アリスさんなら先程部屋を出て行きましたよ。
衛兵:そ、そうですか。失礼しました!
魔界時間13:10 女王執務室
衛兵:失礼します!
アリス:ん〜?どったの?
衛兵:ハッ!北方エリア国境にて不法入国者を確保したとの報せが国境警備隊よりありました!
アリス:不法入国者?
衛兵:それが、人間の女性の様なんですが。一向に話す様子がなく、国境警備隊も下手に手が出せず困っている様子で。
アリス:ふ〜ん。人間ねぇ〜・・・判った。私が行くよ、女同士なら話し易いだろうし。
衛兵:よ、よろしいので?
アリス:よろしいも何も、私が行かなきゃいつまで経っても状況は平行線のままでしょ?
衛兵:では、国境警備隊の方にはそう打診しておきます。
アリス:よろしく〜♪
魔界時間16:00 北方エリア山岳国境 フロスト要塞
フロスト要塞。シルフィード王国北方エリア最大の防衛拠点。自然の要害のため北からの入国はこの要塞を通らなければならない。
フロスト要塞 取調室
人間の女性:・・・・・・・・・
取調官:はぁ〜・・・・いい加減話してくれませんか?別に貴女をどうこうするわけじゃないんですよ〜。
取調室 隣室
大佐:駄目か。
兵士:えぇ、一向に話す気配が無くずっと黙秘したままで。
アリス:やっほ〜!どんな感じ?
大佐&兵士:へ、陛下!
大佐:身柄を確保してから4時間余り、この通りダンマリを決め込んだままで。
アリス:そんじゃ、取調官と代わる様に言って。
大佐:ハッ!
マイク越しに取調官に話す大佐
大佐:私だ。今から其方に行く方と交代するんだ。
取調室
人間の女性:・・・・・・・・・
アリス:こんちわ〜!・・・あ〜、そゆ事。いきなり迷い込んだ挙句、訳も分からないまま連れて来られりゃそりゃ〜不安にもなるよね〜。
人間の女性:⁉︎
アリス:私はアリス。ここの女王様やってるんだ〜♪
人間の女性:ふふ♪
アリス:あ、やっと笑ったね♪
ダイアナ:ダイアナ・フランシス・スペンサー。ダイアナで良いわ♪
アリス:・・・・・んん?今『ダイアナ』って言った?
ダイアナ:えぇ。
アリス:ダイアナって・・・あ、ゴメン何でもない。
ダイアナ:?それよりここはホントに魔界なの?
アリス:うん、そだよ〜。ダイアナみたいに突然この国に迷い込んだ人もいるよ。アグネスさんや、ナイチンゲールさんとか♪
ダイアナ:アグネス⁉︎それにナイチンゲール⁉︎ほ、本物?
アリス:う、うん。来た時間軸はダイアナみたいにバラバラだけど、2人共本人だよ。
ダイアナ:今から会える?私ファンなの!
アリス:一緒に来るんだったら会わせてあげるけど?
ダイアナ:行く!
アリス:チョットだけ待ってて。
ダイアナ:ええ、早くね!
取調室 隣室
大佐:はっきり『ダイアナ・フランシス・スペンサー』って言ってましたね。
アリス:うん。年齢からしてイギリス王室に嫁ぐ10年位前のダイアナ妃だね。
大佐:マザーテレサ・フローレンス・ナイチンゲールに次いで3人目ですか。
アリス:うん、間違いないね。じゃあ連れてくね。
大佐:ハッ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます