第391話目撃者
アオイ:紫堂組一斉摘発に備え準備を進める中、アリス女王陛下のもとに目撃者の情報が寄せられて来ました。
魔界時間9:58 ポリストンホテル 国費専用フロア
ジェニファー:目撃者・・・ですか?
アリス:うん、大統領官邸で清掃員をやってる人間さんで事件前日大使館で来賓があるからって要請を受けて手伝いに行ってたらしいんだ。
マサアキ:一体何を見たんすかね?
アリス:それを聞きに行くんだよ。
25分後 大統領官邸 大統領執務室
魔王秘書:大統領閣下、シルフィード王国のアリス女王陛下がお越しになられておりますが如何致しましょう?
ダニエル:アリス殿が?ふむ、魔王会談は明日の筈だが・・・わかった、通してくれ。
アオイ:この方がポリスティア合衆国第450万代大統領ダニエル・ハザードさんです。
魔王秘書:畏まりました。
アリス:突然申し訳ありません。実はこの大統領官邸で清掃員をされてる方にお話を聞きたくて参りました。
ダニエル:ふむ、
アリス:はい。
ダニエル:君。
魔王秘書:はい。
ダニエル:塔野さんをここへ。
魔王秘書:畏まりました。
10分後・・・
女性の声:失礼します。
ダニエル:入りたまえ。
正座して三つ指立てる女性
塔野:私、この大統領官邸で清掃員を務めます
アリス:ど、どうも・・・あ、もしかして日本人の方ですか?
塔野:はい。
ダニエル:彼女は我が国の遥か北東に位置するインターポート州コロンブ市で巡回中の警官が転移してくるところに遭遇し保護してここに連れて来たのだよ。閻魔庁の総合データバンク『閻魔帳』によると、大正4年の日本から来たそうだ。
魔王秘書:清掃のテクニック、特に和室にかけては右に出る者はいないほどの腕前で、大の親日家のゲイリー・フォード大使閣下から大使館に作った和室の清掃を頼みたいとオファーがあり、事件前日も行っていたのです。
ジェニファー:すみません、遅れました!
マサアキ:もぉ〜、ジェニファーさんが限定スイーツの行列に並んでるからっすよ〜。
アオイ:こちらの2人がこの章の主役、天界宇宙国際警察のジェニファー・
ジェニファー:いらん事言うな!
マサアキ:自業自得なのにまさかのグーできた。
ダニエル:そ、それより彼女に聞きたい事があったのではないのかね?
ジェニファー:あ!そうでした。塔野さん、貴女は最近背後から誰かの視線を感じたり謎の脅迫状が送りつけられていると聞きましたが?
塔野:はい、これがそうです。
『事件前日に拾ったブツを始末しろ、さもなくばお前の命はない』
マサアキ:そのブツというのは?
塔野:これです。
風呂敷に包まれた物を出す塔野
ジェニファー:中を見ても?
塔野:ええ、元々大統領閣下の指示で警察に持っていくつもりでしたから。
手袋をして包みを開けるジェニファー達
マサアキ:これは、輸血パック⁉︎
輸血パックのラベルを見るジェニファー
ジェニファー:『天上界総合病院』『
ダニエル:この湯島咲妃というのはおそらく血液の提供者か或いは・・・
アリス:輸血する患者さんの名前か。
ダニエル:兎に角、科捜研でDNA鑑定すればハッキリする事だ・・・ん?ジェニファー君、その書類は何かね?
ジェニファー:え?あ、ホントだ。何だろう?
1枚目『古代天界宇宙の狂気 魔界の番犬に祝福を与える』
2枚目『闇の秩序を司る国の柱 偽りの天上の血を以て倒し新たな柱を建てよ』
3枚目『仕掛けが整いし時 混乱に乗じて闇の秩序の柱を闇に紛れて葬り国を出よ』
マサアキ:これって・・・
塔野:失礼ですが、それはもしや紫堂組という者達の『犯罪計画書』ではないでしょうか?
全員:⁉︎
ダニエル:そうか!これらは全て私を暗殺するためのものか!
塔野:あと・・・
ジェニファー:ん?
塔野:実は殺神未遂犯の方、前日の晩に誰かと話しているのを聞いてしまいまして・・・
ダニエル:なんだって⁉︎アリス殿!
アリス:そうですね、塔野さん。
塔野:はい?
アリス:実は現在この国の巨獣『生ける監獄』プリズンドーベル体内最深部に収監されている幻龍会会長『
塔野:私で良ければ♪
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