第128話赤備えの侍

『次元刑場』天魔大戦時代に旧天界軍の刑場であったこの地に赤き鎧を身にまとう1人の女武将が佇んでいた・・・


 魔界時間10:00 王国文化遺産 次元刑場前広場


 赤備えの侍:深い。この穴はどこまで続いているのか・・・


 ハル:姫様、本当にここでよろしいので?


 杏:あい!ここでいいのです!ここでおえかきしたかったです!


 ハル:絵をお描きになるのであればもっと良い場所があると思うのですが。


 杏:なにか『であい』のよかんがするです!ホラ、さっそくあったです!


 ハル:はて?赤い鎧の女性、それも東洋系。妖魔族か何かでしょうか?


 匂いを嗅ぐ杏


 杏:ふむふむ、あのおねいしゃんはにんげんしゃんです!


 ハル:人間⁉︎何故生きた人間が此処に?


 杏:このくにさいきんはよくにんげんのおねいしゃんが、まいごになるってねえしゃまいってたです!


 ハル:一体何者でしょうか?


 杏:さっそくきくです。レッツゴーなのです!


 赤備えの侍に近づく杏とハル


 ハル:こんにちは、おねいしゃん。あんずはあんずっていいます!おねいしゃんはだれですか?


 直虎:私は直虎。井伊直虎だ。


 ハル:なおとらしゃんですか。


 直虎:此処は何処だ?


 ハル:此処は魔界。貴女の世界でいうところの地獄というべきでしょうか。


 直虎:な!此処が地獄だと⁉︎この極楽浄土の様な所がか?


 天魔大戦からの事を説明するハル


 直虎:そうか、此処は私の居た時代より420年後の世界か。それに魔界?だったか、そんな大昔にそんな事があったとは。


 ハル:それよりどうします?


 人界と魔界の時差を説明するハル


 直虎:そうか、此処でのひと月は私の居た世では1つ数える程度か・・・・ならばその国土争奪戦争とやらに参戦してみよう。何より『一滴の血の流れぬ死者の出ぬ戦』というのが気に入った!


 杏:そんじゃいっしょにいくです!


 直虎:そうだな、この国に世話になるならこに国の王に挨拶せぬのは礼節を欠く故宜しく頼む。


 1時間後 王城謁見の間


 直虎:此度は女王陛下に御拝謁賜り、恐悦至極に存じます。私は駿河の国遠州井伊谷(現静岡県)領主井伊直虎と申します!


 アリス:そう堅くならなくても良いよ〜。


 直虎:そうはまいりません!国土争奪戦争なる戦に参陣するのであれば、貴女は総大将。私はその配下の武将なのですから!


 麗華:なんや生真面目なお人おすなぁ。


 直虎:その京訛り。もしや京の都のお方ですか?


 麗華:あ〜、貧乏神族の女子はんは皆んなこうどすぅ。


 アリス:じゃあ、貧乏神族の女の人って・・・皆んな変態?


 風華:流石にそれはな・・・・・あ、あるかもな。


 麗華:そらどういう意味どすか?


 直虎:ま、まぁ、兎に角宜しくお願い致します!


 アリス:宜しくねぇ♪



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