第183話天界からの協力者

 アオイ:皆んな知ってる?天界宇宙であるニュースが報じられたの。それは天界宇宙中央政府のエネルギー監督庁の長官が更迭されたというもの。詳しい理由は公表されていなくて。新しく就任した長官が魔界に来界するのだけど、その長官を取材する魔族とは誰でしょうね♪


 魔界時間11:00帝王都サタンヘイルダム 商業エリア 八咫烏文庫やたがらすぶんこ本社


 週間グローバルフォーカス編集部


 先輩記者:お〜い、桃缶!


 桃:もぉ〜!ですから、いい加減苗字か名前で呼んでくださいよ!


 アオイ:知らない方のために。この子は缶塚桃かんづかもも。八咫烏文庫週間グローバルフォーカスの新人記者さん。愛称は桃缶♪


 先輩記者:いいじゃないか。呼びやすいし♪


 桃:で、何ですか?


 先輩記者:社長がお呼びだ。


 10分後社長室


 桃:失礼しま〜す。


 文彦:来たね。


 アオイ:この人は黒羽文彦くろばねふみひこ。魔界宇宙財界に君臨する12人の『王』の称号を持つ人達『トゥエルブ』の1人。『文芸王』八咫烏文庫の社長さん。烏天狗と八咫烏のハーフよ。


 桃:ご用は何でしょう?


 文彦:ふむ、先ずはフローズンダスト連邦戦での一件ご苦労だったね。


 桃:はい。一度はザルダジア様の逆鱗に触れた時は生きた心地しませんでしたが、あの子達に救われました。


 文彦:シルフィード女王の妹君の杏姫とアイゼンフリーズ大統領の小雪嬢だね。


 リズ:ここに私達を呼んだという事は、何か仕事の依頼なんだろ?


 アオイ:彼女はリズ・ヤキシャケ。人界でカオスに侵された魔王を倒した女勇者さん。魔界に対する誤解を自身の目で確かめるために桃ちゃんと同居してる護衛さん。


 文彦:はい。お察しの通り。今回は天界から来る『ある重要人物』の取材です。


 桃:重要人物?


 文彦:取材対象者の名前は香織かおり・ウドン。天界宇宙科学省傘下のエネルギー監督庁に就任した方だ。


 桃:何ですかその、鰹出汁香るコシの強そうな名前は。


 リズ:それ聞くとこの前食べたうどんというのをもう一度食べたくなってくるな。角鶴製麺だったか。


 桃:あそこのうどん美味しいよねぇ♪


 文彦:あ〜、そろそろ本題に入ってもいいかな?


 桃:す、すみません!


 文彦:彼女に会ったら言葉に気を付けたまえよ。なにせあのお方は14天界王の一角『天神』菅原道真公の遠戚にあたるお方。菅原一門は大の親魔家といえどその辺は・・・ね。


 リズ:14天界王?


 桃:天界の神様には、一般の『神様』、神様を束ねて国を持つ『神王様』神王を束ねるのが14天界王様。天界宇宙で天界大帝様に次いで2番目に偉い方達なんだよ。


 リズ:そんな凄い方々の親戚なのか・・・


 文彦:おっと、そろそろ時間か。もう直ぐ空港に着く頃だ。行ってくれるね?


 リズ:それは良いが、取材内容は何だ?


 文彦:エネルギー監督庁前長官の更迭理由ですよ。さ、お待たせしてはいけない。そろそろ行きたまえ。


 1時間後サタンヘイルダム国際空港 国賓専用ゲート


 香織:ふむふむ、やはり魔界の空気は澄んでいるな♪


 桃:お、おおおおお待ち申し上げておりゅ・・・うぅ、噛んだ。


 香織:フフ、そう緊張しなさんな♪君だね?私を取材する記者さんというのは。随分可愛らしい子だ♪


 2人に割って入るリズ


 リズ:ウドン長官。社長が近くにホテルをご用意しております。


 桃:リ、リズさん。


 香織:ふ〜ん♪


 帝王都サタンヘイルダム5つ星ホテル『ナインテイルズ』


 国賓専用フロア


 香織:うんうん。良い部屋だね♪それで、取材したい事って何かな?


 桃:た、単刀直入に聞きます!ズバリ、エネルギー監督庁前長官の更迭の理由は何ですか?


 香織:ハハ♪本当に単刀直入だね。理由はただ一つ。我が親族の恥、菅原インダストリー社長からの収賄と天聖銀行からの不正融資の資金着服だよ。


 桃:じゃあ、袋井耀蔵ふくろいようぞうも逮捕されたのですか?


 香織:残念ながらまだ証拠が揃ってない。そのために私は魔界へ来た。袋井一派の息の根そ止める強力な最終兵器ともいうべき決定的な証拠の数々を持ち立ち向かうアリス・シルフィード女王陛下に会うためにね♪


 桃:それでは暫く魔界に滞在するのですか?


 香織:そういう事になるね。


 桃:滞在先は?このホテルですか?


 香織:そうだねぇ。ここも良いけど・・・


 桃に迫る香織


 香織:君の住まいも良いかな♡


 桃:え、ええ⁉︎


 殺気を放ちながら迫るリズ


 リズ:長官。かなりお戯れが過ぎるのでは?


 香織:お〜、怖い怖い。冗談だ♪(かなり本気だったんだがね)


 香織に耳打ちする秘書


 香織:おっとぉ。もうそんな時間か。すまない。名残惜しいが、この後ある魔界宇宙中央政府の要人と会う約束をしていてね。


 桃:あ、はい。今日はありがとうございました。


 部屋を出ようとする桃達


 香織:あ、ちょっと待ってくれ。


 メモ紙を渡す香織


 香織:これは私のプライベートナンバーが書かれている。何かあったらここに連絡してくれ。デートのお誘いだったら大歓迎だよ♡


 リズ:そろそろ行くぞ!


 香織:おっと、彼女さんは相当ご立腹のようだ♪


 桃:し、失礼しましす。もぉ〜。リズさん待ってよ〜!






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