第118話友のために
白い小箱の秘密を解明した後学生時代の親友にして好敵手であるクロード財団代表セシリア・クロードより助けを求められていた。
ディアナとの通話翌日 魔界時間6:30 リムジン車内
運転手:・・・・・様・・・・・シエル様。
シエル:え?
運転手:間も無く本社に到着しますよ。
シエル:・・・・そ。
運転手:昨夜セシリア様にお会いしてから浮かないご様子でしたが。
シエル:大丈夫。何でもないわ。
運転手:そうですか?
本当は大丈夫じゃない。あんな事頼まれたら流石の私もどうしたらいいか・・・
ディアナとの通話直後魔界時間19:00
シエルのデバイスが鳴る
シエル:セシリア?
セシリア:・・・・・シエル。この後会える?
シエル:良いけど、どうしたの?
セシリア:ごめん、会ってから話すわ。
1時間後 朝唯邸 シエル自室
セシリア:ごめん、急に押しかけて。
シエル:良いわよ、そんなの・・・何、相談って?
セシリア:・・・・貴女にウチの社員7000正人全てを貴女の下に加えてほしいの。
シエル:それってクロード財団をウチの傘下にしろって事?何で?
セシリア:・・・・早くしないと『あいつ』に財団を乗っ取られる!
シエル:乗っ取られる?誰に?
セシリア:天界宇宙中央政府上院議員、賢二・ランドック。
シエル:ランドック⁉︎天界宇宙でも黒い噂の絶えない恵比寿族の大物議員じゃない!何でそんな奴に目をつけられるのよ。
セシリア:判らない。ただアイツ。『白い小箱』が目的らしいの。
シエル:・・・⁉︎ちょっとまってて。
ディアナと通話するシエル
シエル:遅くにごめん!大至急調べてほしい事があるの。白い小箱の中に『ランドック』の名前がある?
ディアナ:ちょっと待って・・・・・・あった!『恵比寿族 伸二・ランドック』でもどうしてその名を?
シエル:・・・・そういう事。ごめん!事情は後で話す。
ディアナ:?わかった。
通話を切るシエル
シエル:兎に角検討はしてみるわ。
セシリア:迷惑かけるわね。
そして現在 本社 役員会議
重役A:・・・・・師・・・・朝唯総帥。
シエル:え?
重役A:クロード財団の件ですが・・・
シエル:あ、あぁ。傘下に加える件ね。
重役A:はい、クロード財団が傘下に加われば我が朝唯コンツェルンは『トゥエルブ』に追いつく勢いですよ!
シエル:悪いけどこの件の答えはもう少し待って。明日の役員会議迄には答えを出すから。
魔界時間19:30 リムジン車内
運転手:今日もいつものBARに寄りますか?
シエル:ええ、お願い。
BAR『ナイトメア』
マスター:いらっしゃいませ。
シエル:マスター、何か適当にお願い。
マスター:もう『じいや』とは呼んでくれないのですか?
シエル:立派な店を持ってるんだからもうじいやとは呼べないじゃない。
彼はこのBARナイトメアのマスター。元々は朝唯家に仕えていた執事。定年後趣味のカクテル作りが高じてお店を出した。
マスター:ではこれを。ハニーカクテル『ロイヤルクラウン』です。昨日カントリア王国の知り合いから上質の蜂蜜が手に入ったので♪
シエル:・・・・有り難う。
マスター:その浮かないお顔の理由は昨夜お越し頂いた時に話してくださったセシリア様が関係してますか?
シエル:・・・・ええ。
マスター:セシリア様は幼少の頃よりの親友でしたからな。ではこの爺めが良い名案がございます。
シエル:え?
マスター:人界に『木を隠すなら森の中』という言葉があるのをご存知ですね?
シエル:ええ。知ってるわ。
マスター:確かシルフィード王国は今『白い小箱』の件で魔界帝王陛下から直々に保護を受けておりますよね?聡明なお嬢様の事です。もうお察し頂けますよね?
シエル:・・・・・・!そうよ!その手があったわ‼︎
マスター:魔界帝王陛下直々の保護下にあるシルフィード王国に天界宇宙中央政府は手が出せないならば?
シエル:クロード財団本社をシルフィード王国に移転すれば、財団全体は魔界帝王陛下の保護を受ける事になる!有り難う!じいや♪
マスター:どういたしまして♪
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