第353話マリンタワーの死闘
アオイ:同時多発で起こったトランスゲートの機能不全事故。国営農場で怪盗アマヤドリが現れたのと同じ日にアリス・シルフィード女王様にも危機が迫っていました。
トランスゲート機能不全事故前日 魔界時間22:00 トワイライト島港区第3倉庫
蜘蛛の虫人:・・・・・・来たか。
青竜:おまたせしました。レイド・オリオンさんですね?
アオイ:この龍神はドラゴニックマフィア『幻龍会』若頭、
レイド:幻龍会の若頭自らお出ましとは俺も随分と偉くなったモンだ。
アオイ:こちらの蜘蛛の
青竜:元魔界宇宙軍務省特殊部隊の精鋭500人の中で群を抜き尚且つ、自身の部隊を含む45000人を遊びで壊滅させた腕前。天界宇宙でもその武勇伝は届いてますよ♪
レイド:・・・・昔の話だ。それより、俺に仕事となると誰を
青竜:1人の魔王を始末していただきたい。
レイド:魔王?俺を指名で魔王となると6大魔王か?
青竜:いいえ。シルフィード王国女王、アリス・シルフィードです。
レイド:クロウ・シルフィードの娘か。
青竜:ええ。
レイド:真っ先に俺に依頼するのは正解だな。そこらのヒットマンじゃ役不足だ。で、場所は?
青竜:シーラント諸島連合国最大の国際貿易ビル『マリンタワー』です。
レイド:時間は?
青竜:明日の20時。視察の最終予定時、タワー最上階レストランでハイビス大統領姉妹と会食の予定で、その時間タワー全体は警備隊以外誰もいなくなります。
レイド:・・・わかった
翌日 魔界時間12:00 トレード島周辺空域 シルフィード王国女王専用機
アリス:いや〜、成り行きとはいえ国営農場の視察を杏がやってくれて助かったよ〜♪それにしても薫姐さん。急な前倒しはやっぱ『アレ』が関わってる?
アオイ:この方こそ、魔王少女物語の主人公アリス・シルフィード女王様。170歳(人界年齢換算17歳)の若き魔王です。
薫:ああ、フルーツランドに向かうこの機内で聞こえた『心の声』アレは間違いなくお前を国営農場で暗殺を計画してた連中の会話だった。
アオイ:こちらはシルフィード王国外交大臣の
アリス:結果慌てて計画変更してたってわけか。
薫:だが連中、あのマリンタワーでお前を始末する気だぞ。ま、魔界宇宙最強の傭兵団の元団長のお前なら心配するだけ無駄だがな♪
アリス:傷つくなぁ。ちょっとくらい心配してくれてもバチは当たんないと思うんだけどなぁ♪
薫:あんな化け物集団束ねてたお前に勝てるヒットマンなんていないだろ。
アリス:いるんだなぁ〜、これが。
薫:何⁉︎
アリス:1人だけいるんだよ、かつて魔界宇宙4宰相ガグラ軍務大臣や、伝説の軍人、私の父さんだけどクロウ・シルフィード中将とほぼ互角に渡り合ったのがね。
薫:それってまさか!レイド・オリオンか‼︎
アリス:ご名答〜♪あの人めちゃくちゃ強いんだよ。流石の私でも勝てるかどうか。
薫:大丈夫なのか?
アリス:大丈夫、『守るべきものがある者は何よりも強い』父さんの口癖だった。私にも守るべきものが沢山できた。だから・・・負けないよ!
薫:フッ、そうか♪
同時刻 過去を振り返るレイド
レイド:クソッ!なんでだ!なんでアンタに勝てない‼︎
クロウ:守るべきものがない奴はなりふり構わず攻める事ができる。だから強い。だがそれじゃあつまらんし、全てが雑魚に見える。だが、守るべきものができれば攻めるだけの者より強くなる。
レイド:・・・・・・
クロウ:今のお前にはわからんだろう。だが、その内わかるようになる。
レイド:あれから150年・・・か。まだピンとこねぇな。結局、答えを言わねぇままお前は逝っちまうし。・・・チッ!ガグラにつけられた右目の刀傷が疼きやがるぜ!
魔界時間20:00 マリンタワー最上層フロア
アリス:・・・・・シキ姐さん。
シキ:はい。
アオイ:この方は天界宇宙古代兵器ヴァルキリーの中でも1番強いシングルナンバーズ最強の機体『タイプ0』のシキさん。今はアリス女王様の従者です。
アリス:このビルにハイビス姉妹は来てる?
シキ:スキャンします・・・・・・・いえ。来ていないようです。どうやらトランスゲートに異常が発生したようで。
アリス:他は?蜘蛛の虫人がいると思うんだけど。
シキ:・・・・います、1人。他は少数の職員だけです。
アリス:じゃあ、私とその蜘蛛の虫人以外全員このタワーの外に転送させてくれる?
シキ:それは構いませんが。
アリス:あんがと♪あと、その蜘蛛の虫人が襲ってきても手出し無用でお願い。これはいわゆる因縁ってヤツだから。
シキ:・・・・・・・承知致しました。では転送を開始します。
ビル内の職員を転送させるシキ
シキ:転送完了しました。陛下、ご武運を。
アリス:あんがと♪・・・・・いるんでしょ?レイド。
背後から糸を飛ばすレイド、瞬時に糸を掴むアリス
レイド:フッ、コイツを掴むったぁ。随分と腕を上げたじゃねぇか♪
アリス:久し振りだね♪100年ぶりかな?
レイド:ああ、女王になって丸くなったと思ったが腕は落ちてねぇようで安心したぜ♪
アリス:誰の差し金?って、プロがそう簡単にクライアントの情報を漏らさないか♪
レイド:そういうこった、知りたきゃ腕尽くで聞き出すんだな♪
暗闇に潜むレイド
アリス:(暗い室内はレイドの得意分野だから死角のない外に出るか)
非常階段へ走るアリス
レイド:(フッ、ここじゃ不利と見て屋上へ行く気か。それも予想済みだ♪)
アリス:あちゃ〜、やっぱ蜘蛛の巣で塞いでたかぁ。・・・・でも残念でした〜♪
蜘蛛の巣を切り裂き非常階段を駆け上がるアリス
レイド:おいおいウソだろ、俺の糸はオリハルコンでも簡単に切れねぇのに。さてはあのナイフ、ダークマター鉱石で出来てやがるな。
後を追い駆け上がるレイド
マリンタワー屋上
レイド:(チッ!何処に行きやがった⁉︎)
背後をとるアリス
アリス:は〜い♪
レイド:うお!
即座にその場を離れるレイド
レイド:テメェ、俺の背後をとるったぁやるじゃねぇか♪
アリス:そお?瞬時に避けるんだからやっぱ凄いよレイド♪・・・・でも。
瞬時に姿を消し背後に回り込み回し蹴りをするアリス
レイド:ぐお!
すかさず身体を抑え込み喉元にナイフを突きつけるアリス
アリス:チェックメイトだね♪
レイド:・・・・フッ、ハハハハハ!まさかオメェに負ける日が来るったぁな♪トドメはささねぇのか?
アリス:昔の私なら躊躇なくやっただろうね。でもね、それじゃ『師匠』の教えに背くんだよ。
レイド:魔界宇宙伝説の政治家、ジョージ・オゾノンか。
アリス:うん、その時師匠は言ったんだ。父さんと同じ事をね。その時父さんの口癖の意味がようやくわかったんだよ♪
レイド:守るべきものができれば強くなる・・・か。
アリス:レイドもウチ来なよ。元軍人ならウチの兵士を鍛えてくれそうだし、退屈なら私がいつでも相手するし♪
レイド:嬉しい申し出だが俺ぁ、誰かと馴れ合うのはあんまり好きじゃねぇんでね。
アリス:ありゃ、フラれたか♪
レイド:あと。
アリス:ん?
レイド:いい加減どいてくれねぇか。
アリス:あ、ゴメン。
レイド:・・・・・俺を雇ったクライアント。幻龍会だ。
アリス:いいの?守秘義務でしょ?
レイド:奴等の提示したのはデットオアライブ。生死を問わずオメェの相手しろって事だ。暗殺を失敗しても足止めになりゃあ良し、始末すりゃあ尚良しってさ。どっちにしても依頼は達成、報酬も貰ってるし、依頼人も仕事が終りゃ言っても良らしい。
アリス:話上手すぎない?
レイド:ああ、不気味なくらいにな。
アリス:足止めって何する気だろ?
レイド:さあな、気を付けろよ。奴等お前を目の敵にしてるらしいからな。
アリス:レイドはどうすんの?
レイド:暫くアサシンは休業だ。アイツの口癖の意味でも考えてみるさ。
アリス:いいんじゃない♪
レイド:じゃあな。
魔界時間7:30マリンタワー入り口
レイド:さあて、どうするかねぇ・・・あ?
ワームホールから盛大に海に落ちる蓮
蓮:うぅ・・・・何で私だけこんな目に。
レイド:フッ♪
蓮:あうぅ・・・虫に鼻で笑われた。
蓮に詰め寄るレイド
レイド:おい。
蓮:なに〜?
レイド:俺は虫じゃあねぇ!
蓮:格好良く言っても虫は虫じゃん・・・ヘックション!
アオイ:この2人がこの後コンビを組む事になるのですが、それはまた別のお話♪
レイド:おい、そこのナレーター!
アオイ:は、はい?
レイド:そりゃどういう意味だ!
アオイ:どういうもなにも、
レイド:ちょっとソレ貸してみろ!・・・・チッ!肝心な事が書いてねぇ。
アオイ:それではまた次回お会いしましょう♪
レイド:おい待て!まだ話は終わって・・・
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