第379話情報交換

 アオイ:常闇草採取現場を目撃したという千夜さんと充さん。無事大統領官邸に到着し、別室ではプリズンドーベル救助にあたったビーストガーディアンズを交え情報交換をするのでした。


 魔界時間10:00 ポリスティア合衆国大統領官邸 応接間


 ダニエル:長旅ご苦労。さ、座りたまえ。


 千夜:はい。さ、充も。


 充:ええ。


 30分後・・・


 ダニエル:成る程、やはり幻龍会はヴェルキリーを密造しようとしてたか。


 充:幻龍会って天界のヤクザって事はわかりました。そもそもドラゴニックマフィアというのは?


 ダニエル:ドラゴニックマフィア。それは天界宇宙の裏社会を支配する様々な龍神族が組織を持ち暗躍している。中でも強大なのが火、水、土、光、闇の5つの種族の龍神からなる5大組織『フィフスドラグネア』だ。


 千夜:5大組織。


 ダニエル:ドラゴニックマフィアの9割の組織は必ずと言って良い程フィフスドラグネアの傘下に降っている・・・が、5つのどの組織にも属していないのが幻龍会だ。それには『理由』がある。


 充:理由?


 ダニエル:奴等は袋井耀蔵ふくろいようぞうの後ろ盾があったのだ。


 千夜:袋井耀蔵、七福神布袋族の神王で、天界宇宙中央政府の闇の中枢と言われた一族。確かアリス・シルフィード女王陛下によって4界宇宙大法廷で裁かれたんでしたよね?


 ダニエル:そう。しかしその影響で袋井耀蔵の後ろ盾を失い、その恩恵を受けられない事で幻龍会とその傘下の二次、三次組織はフィフスドラグネアに一斉に狙われる形になったというわけだ。


 千夜:その上警察にも狙われて、フィフスドラグネアと天界宇宙国際警察との板挟みって事かぁ。


 充:うわっ!キッツい。


 ダニエル:だが袋井耀蔵が猛威を奮っていた頃から前会長による袋井擁護ふぅろいようご派と、現在プリズンドーベルに収監中の当時No.2だった現会長の反袋井派で真っ向から対立していた。が、袋井が裁かれた事で前会長は失脚・逮捕された。そしてそれを機に彼女は会長になった。


 充:でも反袋井派のトップって事は良い女性ひとって事でしょ?何で逮捕されたの?


 ダニエル:私もそれが腑に落ちずにいる。だが彼女は誰かを庇っているのか、或いは人質にとられているのか、何1つ喋ろうとしないのだ。このままでは『容疑が固まってしまう』


 千夜:容疑?何のです?


 ダニエル:・・・・殺神さつじんだ。


 別室


 アリス:やっぱり、って事は今行っても何も喋らないね。


 ゲン:そういう事にゃ。


 アリスのデバイスが鳴る


 アリス:ナイスタイミング♪


 チャールズ:ん?吾輩を待ってたのか?


 アオイ:この方はアリス女王陛下が初めて闘った国土争奪戦争最初の対戦国だったメディア超大国グローバリア公国魔王チャールズ・グローバリア13世です。


 アリス:早速ですけど・・・


 チャールズ:あ〜、言わんでも良い。幻龍会の会長が口を割らん『理由』であろう?


 アリス:さっすが魔界宇宙一の情報力を持つグローバリア公王、頼りになる♪


 チャールズ:おだてても情報しか出んぞ。ちと待っておれ・・・


 魔王具『万里の見聞録』を読むチャールズ


 チャールズ:ふむ、成る程のぉ。あの小娘はどうやら『妹』を人質にとられて脅されているようだ。・・・・ふむ、誘拐犯の指示で行った先が殺神現場でそこに突入してきた警官隊に・・・


 アリス:逮捕されたっと。その妹を助け出せば・・・


 オリビア:喋ってくれるって事ね。


 チャールズ:居場所教えてやろうか?


 アリス:お願いしま〜す♪


 チャールズ:・・・・なんと、捕らわれている妹はまだ30歳(人界年齢換算3歳)ではないか!


 アリス:そこはウチの蜃気楼衆に任せよう。


 杏:あんずもいくです!


 小雪:オラもおたすけするべ!


 リタ:みんなでいけばだいじょうぶ♪


 雛:ウチらがいけばそのこもあんしんどしゅえ〜♪


 ミオ:そうでにゃんす〜♪


 豆子:アン♪


 マル:ピピィ♪


 カマル:ボク達も行くのです♪


 リネフィ:この子達だけで大丈夫かしら?


 アリス:リネフィ姐さん、この子達にはフレイラ様とヴァルキリー達が付いてるから逆に敵が可哀想だよ♪


 リネフィ:そ、そうね。


 アリス:そんじゃ、作戦をまとめると。蜃気楼衆ともぐもぐ5で妹さんの救出、その後私が会長さんに情報を聞き出す。


 ジェニファー:その間私達は出来うる限り証拠をかき集めるってトコね。


 マサアキ:俺は弁護士に心当たりがあるんでそこ当たってきまっす!


 アリス:じゃ、皆んな頼んだよ♪


 全員:おー!


 応接間


 別室のアリスと通話するダニエル


 ダニエル:ふむ、わかった。その件についてはこちらも手配しよう。


 千夜:何と?


 ダニエル:グローバリア公王の持つ魔王具『万里の見聞録』によれば、やはり人質にとられていたようだ。しかも30歳という年端もいかない子供だ。


 充:元人間の私が聞いたら30歳と聞いてもピンときませんね。確か人間の歳で言うと3歳でしたっけ?


 千夜:そうよ。


 ダニエル:アリス殿が救出部隊を組んでくれたようだ。こちらも動かないといけないな。


 充:私も最大限協力させて頂きます!


 千夜:当然!


 ダニエル:心強い事だ♪それにしてもこの映像は良い証拠になる。それと、君達には裁判までこの国に滞在してもらう事になる。


 充:その間昨晩のような連中がまた来たら・・・


 ダニエル:それについては問題ない。君達には今度の国土争奪戦争を観戦する14天界王『大国主命おおくにぬしのみこと様』と『ポセイドン様』のご宿泊されるフロアに移ってもらう。勿論、お2柱様にも了解を得ている。


 千夜:へぇ〜、大国主命様に・・・


 充:ポセイドン様・・・


 千夜&充:えーーーー⁉︎








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