第106話無限金庫のクララ

 無限金庫に4000億年住んでいたクララ・B(バアル)・ファウスト博士。しかし彼女は金庫に4000億年居たとは気付かなかった様だ。


 解錠から3時間後 魔界時間15:45 無限金庫内 『クララの自宅?』


 アリス:へぇ〜、じゃあクララ姐さんはここに閉じ込められてから4時間しか経ってなかったんだ。


 クララ:そうよ〜。でもぉ〜、多少の時差はぁ予想してたけどぉ〜。まさか4000億年経ってたなんてねぇ〜。驚きだわ〜♪


 バンクフルト大統領:緊張感0だな。


 エドワード:まぁ、それくらいじゃないと此処に4000億年なんて居られないだろうな。ま、此処じゃ4時間位しか経ってないらしいが。


 クララ:じゃあもう弟はこの世には居ないのね〜。


 アリス:故郷の旧プロフェス帝国跡地に弟さんのお墓があるけど。行く?案内するよ。


 クララ:じゃあお願いしようかしら〜。


 アリス:魔界もクララ姐さんが居た頃より大分変わってるよ。


 クララ:そうねぇ〜。4000億年だもんねぇ〜。それに〜、故郷も無くなってるし、この国にお世話になろうかしら〜♪


 アリス:良いの⁉︎


 クララ:アリスちゃんさえ良かったら〜♡


 アリス:よろしくね、クララ姐さん♪


 クララ:宜しくですよ〜♪それに私が居ればシキちゃんのメンテも出来るしねぇ♪


 ソフィア:そうか、確かに私の技術では限界もあるし、そうしてくれれば助かる♪


 エドワード:しっかし、ゆる〜い喋り方だな。


 バンクフルト大統領:嫌なら先に帰っても良いんだぞ♪


 エドワード:んだと⁉︎テメーこそ帰りやがれ!


 バンクフルト大統領:断る!この金庫にはまだまだ見足りないくらいの『宝』が眠ってるのだ!この目で見ないで帰れるか‼︎


 クララ:アリスちゃん。私が設計した機材とぉ、研究所建ててくれる?


 アリス:クララ姐さんあの状況見て微動だにしないなんて。凄いなぁ。良いよ♪烏丸さんトコの黒鴉建設グループなら出来と思うから。


 クララ:アリガトね〜♪それにしても、まさかバンクフルト副大統領が国創ってなんてね〜。


 バンクフルト大統領:な⁉︎今何と言った?


 クララ:だ〜か〜ら、貴方の祖先はぁ〜、元はアリスちゃんのお父さんの祖先の側近。副大統領だったのぉ〜。


 エドワード:へぇ〜、コイツの先祖がね〜。


 クララ:貴方もぉ他人事じゃ〜ないわよ〜♪


 エドワード:ど、どういう事だ⁉︎


 クララ:ギャンブレットの名で思い出したのぉ〜。貴方の祖先はぁ、旧ファンドルフ合衆国の財政大臣だったのよぉ〜。もっともバンクフルト副大統領とはこの頃から仲悪かったけどねぇ〜♪


 アリス:この2人の仲の悪さは遺伝なんだ。


 ソフィア:魔源図書館の『超大国建国史』によれば、ファンドルフ合衆国滅亡直後、バンクフルト副大統領派とギャンブレット財政大臣派の真っ二つに分かれて建国されたのがバンクフルト合衆国とギャンブレット帝国らしいぞ。


 シキ:私の記憶にある記録によれば、この2カ国の国土は元々1つの国土。つまり、旧ファンドルフ合衆国の国土という事です。


 アリス:つまり、2人の祖先は父さんの祖先の国を乗っ取ったって事になるよね?遺族に断りもなしに。


 バンクフルト大統領:あ、いや、これは・・・その。


 エドワード:な、なんか。悪かったな。


 アリス:良いよ、昔は昔。今は今でしょ?


 バンクフルト大統領:そう言ってもらえると祖先も救われる!


 エドワード:まぁ〜、そのぉ〜なんだ。これからも仲良くしてくれや。


 アリス:ウン!








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