第219話天才プロデューサー

 アオイ:皆さんはサテュロスという魔族をご存知ですか?半人半獣の方で、好色な上に悪戯好き。そういう種族柄テレビの製作。特にバラエティ方面で活躍するの♪今回の主人公は中でも天才プロデューサーで名高い方なのですよ。


 魔界時間21:00 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア


 OHNテレビ 第7スタジオ


 AD:お疲れ様でした〜!


 直規:はいは〜い。おつかれ〜ん♪あ、AOIちゃん。アタシの紹介ヨロシク☆


 アオイ:はぁい♪彼女は一宮直規いちみやなおき。一見すると男性の名前だけどれっきとした女性。彼女の親御さんが役所に間違って出生届を提出した様なの。そのせいなのか、同性にしか興味ないみたいなの。


 直規:ありがと♪でも魔界じゃ女同士の恋愛も子作りも珍しくないでしょ♡


 AD:誰と喋ってるっスか?


 直規:さて。次のターゲットだけど。


 AD:スルーされた。


 直規:次のターゲットはシルフィード王国医療大臣マチルダ・グロッタよ♪


 AD:一国の閣僚はマズくないっスか?


 直規:だから良いんじゃないの〜♪グロッタ大臣はブラックオーク族。あの種族の女は綺麗どころが多い。しかもグロッタ大臣は別格。エルフ顔負けの美貌に3mの長身に加え鎧の様な重厚な筋肉に巨大な乳と尻。なのに抜群のボディーバランス。あれを見逃す手はないでしょ!


 AD:でもどうやって?


 ディレクター:ブラックオーク族随一の美女マチルダ・グロッタですか。通称『歩くエロス』確かに男女ともにモテる彼女なら『アリ』ですな。


 直規:『アレ』で釣る。


 AD:アレ?


 ディレクター:国土争奪戦争ビバロン王国戦ですね♪


 直規:そう。彼女は貴族時代から無類の温泉好き。地獄界に次ぐ温泉の聖地での特番のゲストという偽設定で持ちかければ・・・釣れる!


 AD:ですが、国土争奪戦争は視聴率90%の魔界宇宙最大のエンターテイメント。とてもじゃないですけど無理ですよ〜!


 直規:何もあんなバケモン番組と張り合えって言ってるわけじゃないわよ。『利用する』の♪


 ディレクター:成る程。共同企画という名目で持ちかければこの番組の視聴率も一気に底上げ出来るってわけですか。


 直規:ご名答☆


 AD:相当大掛かりですよ?


 ディレクター:シルフィード王国がビバロン王国と闘るのはライコウ皇国、トレイント共和国に次いで3番目。時間はたっぷりある・・・ですよね?


 直規:そういう事。AD君。忙しくなるよ〜♪


 AD:はい!


 直規:マチルダ・グロッタのお色気ドッキリ。想像しただけでゾクゾクするわぁ♡


 AD:(これで同性にモテるからわっかんないなぁ)


 直規:なに考えてるのかなぁ?


 AD:な、何でもないっス!






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