第110話政界に吹く新たな風

 魔界宇宙中央政府には570京人と文字通り星の数ほどの議員がいる。それだけいると政党も多いと思いがちであるが、その大半は3大勢力に吸収されるため最初から3大勢力に属する新人・若手議員が続出する。そんな中、紅一点で政党を立ち上げた1人の若手議員がいた・・・・


 魔界時間10:00 魔界宇宙中央政府 議事堂


 若手議員A:フッ、見ろよ♪


 若手議員B:ああ、新しく政党を立ち上げたっていう。名前・・・何ていったか?


 若手議員A:歩加(あゆか)・スカーレットだろ?『未来党』代表の。


 若手議員B:いつまで保つかね〜


 若手議員A:どうせ1カ月も保たないだろ♪


 未来党議員:言われてますな。


 歩加:誰かに媚びるしか生きていけない議員はいずれ政界から消える。そう思わない?


 未来党議員:ええ、そうですな♪


 若手議員A:フン!短命政党が!


 年配議員:君達にそれを言う資格があるのかね?


 若手議員A:あ、貴方は!ダイモン党のジェラルド・オゾノン代表‼︎


 ジェラルド:君達は一度でも政党を立ち上げ我々3大勢力に立ち向かおうとした事はあるのかね?彼女の行為は『無謀』ではなく『勇気』と『信念』に基づくものだ。私は称賛に値すると思うぞ。君達はそう思わんかね?


 若手議員B:さっすが、オゾノン代表!まさにその通りでございます‼︎


 若手議員A:いやはや、3大勢力の一角のトップに立つ方は言う事が違いますなぁ!素晴らしい‼︎


 若手議員B:で、では我々はここで。


 逃げる様に去る若手議員達


 ジェラルド:やれやれ、腰巾着が。


 歩加:有難うございます。お陰で胸がスッとした思いです♪


 ジェラルド:私と対峙して尚、物怖じする事なく話せるとは♪


 歩加:同じ政党の代表ですからね。政党の大きさなんて意味はありませんよ。


 ジェラルド:ハハハ!確かに君の言う通りだ♪『政界の若獅子』達といい、君といい、新人・若手議員が全て君達の様な者だったらと最近は思ってるよ。


 歩加:オゾノン代表はこれから上院議会に?


 ジェラルド:ああ、息子の晴れ舞台だからな。欠席するわけにはいかない。


 歩加:それは楽しみですね♪


 ジェラルド:では私はここで失礼するよ。最初は小さな政党で苦労すると思うが、それを乗り越えられればきっと成功する。頑張りたまえ!


 歩加:はい!







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