第365話国土争奪戦争開戦前夜祭

 アオイ:国土争奪戦争を明日に控え、シーラント諸島連合国はお祭りムード。そんな中1人のケットシー族の男性が入国しようとしています。果たして彼は誰なのでしょうか?それでは365話スタートです。


 魔界時間11:45 首都トワイライト島 次元国際空港 到着ゲート


 パスポートを見る入国審査官A


 入国審査官A:え〜っと、名前は『ルパン☆』種族はケットシー、出身地は魔王界帝王都サタンヘイルダム商業エリア2番街4番地の3。職業トラべルライターっと。アンタ、これ本名じゃないでしょう?


 入国審査官B:あ〜、知ってる!ネットマガジン『トラベルパン』の著者だよこの人。次回予告に・・・


『次回あなたの国のお得情報を頂戴しに参上します トラベルパン』


 入国審査官B:ってフレーズが人気なんですよね♪


 ルパン☆:そうそう!我ながらよく思いついたと思いましたよ♪


 アオイ:この方は魔界宇宙の各国を巡ってお得な行楽情報を提供するネットマガジン『トラベルパン』の著者ルパン☆さん。ケットシー族で本名は・・・すみません。中央政府から固く口止めされてるのでご容赦を。


 入国審査官A:スタンプを見る限り他の国では入国審査通ってるようだけど、アンタこれでどうやって通ったの?


 ルパン☆:実はこのパスポートは『特別製』でして空港や国境の税関で中央政府から配布されてる『専用の機械』をこのページに当てると・・・


 入国審査官A:中央政府から配布されてる特別製の機械って・・・まさか!


 パスポートに機械を当てる入国審査官A


 入国審査官A:・・・・な、なんてこった!


 入国審査官B:どうした?


 ルパン☆:お分りいただけましたかな?


 入国審査官A:た、たたた、大変失礼致しました!どうぞお通りください‼︎


 ルパン☆:魔界宇宙国際法でもあるように、くれぐれも私の正体はご内密に♪


 入国審査官A:も、勿論であります!


 入国審査官B:おいどうしたんだよ。あの人の本名何だったんだよ。


 入国審査官A:ば、馬鹿!あの人は・・・いや、『あのお方』はだな・・・


 ルパン☆:審査官さん、ご内密に。


 入国審査官A:ハッ!


 到着ゲートを後にするルパン☆


 入国審査官A:・・・ふぅ。まさか魔界帝王様直属の『アレ』がこの国に来たとは。


 入国審査官B:魔界帝王様直属の『アレ』ってまさか『アレ』の事か⁉︎


 入国審査官A:そうだよ。この仕事に就く奴なら絶対に耳にする方々だよ。


 入国審査官B:それがあの人・・・じゃなかった。あのお方とは・・・


 2時間後 国土争奪戦争シーラント諸島連合国戦戦場コンサート島


 ルパン☆:一口に戦場と言っても血で血を洗う血生臭い戦争じゃないのが魔界の戦争。魔界の戦争は・・・


 売店店主:さあ!ここでしか買えない限定品だよ〜!


 売り子:ビールにおつまみ、ジュース各種にホットスナックはいかがですか〜?


 リポーター:はい!ここは明日のシルフィード王国戦を控えた戦場のコンサート島です。このように多くの売店で賑わいを見せています♪


 ルパン☆:国土争奪戦争は魔界宇宙最大のエンターテイメント。オープニングのライブバトルは勝てば先攻を取れるだけでなく、戦争自体に勝利すればその国の魔王の歌はダウンロード数倍増、その収益金がそのまま国の国益に繋がるから上手く出来てる♪


 リポーター:最近では天界宇宙No.2の権力者である14天界王様の内の2柱様が観戦されるとだけあって14天界王様を一目見ようと観戦目的の観光客も過去最高となっております。


 ルパン☆:おや?噂をすればかな?


 天界警護兵:これはハデス様!お待ち申し上げておりました!


 フレイラ:うむ。


 アオイ:このお方が14天界王の1柱で3代目冥王ハデスのフレイラ様です。


 璃姫:間に合ったかな?


 アオイ:こちらは3代目スサノオの璃姫あき様です。


 リタ:リタもここにおとまりするの?フレイラ。


 アオイ:この子はロシア出身の人間の女の子でリタ・ヌルマユちゃん。3歳の女の子で今魔界宇宙のお姉様方に人気沸騰中のもぐもぐガールズのメンバーの1人です。


 フレイラ:そうですよ師匠♪


 天界警護兵:お言葉ですがハデス様、この先は14天界王様専用で流石に下界の、しかも人間は・・・


 フレイラ:前例がないだけだろう?まさか貴様、我が至高の御方たる師匠を追い返せと言うのではあるまいな。


 天界警護兵:め、めめめ、滅相もございません!どうぞお師匠様もお通りください!


 フレイラ:さ、参りましょう師匠♪


 リタ:ねぇ。


 フレイラ:はい?


 リタ:あんずちゃんたちもいっしょにおとまりしてもいい?


 フレイラ:何を仰いますか!良いに決まってるじゃないですか♪


 リタ:わ〜い♪フレイラだ〜いすき〜♡


 ルパン☆:おやおや、仲の良い事で♪


 フレイラ:ん?


 リタ:どうしたの?


 フレイラ:あ〜、いえ。あのケットシー族の男、魔界帝王様に謁見した時に会ったようなと思いまして。おそらく他人の空似でしょう。


 リタ:ふ〜ん。


 ルパン☆:ふぅ、危ない危ない。14天界王様とは何度かお会いしているから私の正体がバレるかと思った。さ、もう少し取材してからホテルでまとめますか。







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