第18話ガーネットフォレストの味覚

 ウエスティン公爵家が統治する西方エリア。その傘下の貴族紅(くれない)伯爵家の治めるガーネットフォレストの中心部に『秋の珍味』があるという・・・


 魔界時間8:00王城 女王執務室


 アリス:もう秋だねぇ〜♪秋は兎に角食べ物が美味しいよねぇ♡


 執務室中央のモニターに映るミリア


 ミリア:アリスは〜ん。おはよ〜さん♪


 アリス:ミリアちゃんおっはよ〜♪


 ミリア:今年もこの季節がきたで〜♪


 アリス:何かあんの?


 ミリア:ウチの傘下の貴族で天狗族の紅 茜(くれない あかね)ちゅう子が治めるガーネットフォレストって紅葉の綺麗な森があんねんけどな。


 アリス:うんうん。


 ミリア:そこにごっつ大きい『栗』があんねん♪


 アリス:く、栗〜♡


 アナスタシア:栗って何?


 ミリア:アナスタシアはん栗知らんのかいな〜。


 アリス:しょうがないよ〜、アナスタシアちゃんの世界には無いかもしれないよ。


 ミリア:あ、そっか。栗ちゅうのは棘の生えた殻に入った実の食べ物でな。それをスイーツにするとごっつ美味いねん♡


 アナスタシア:へぇ〜、大きさってどれ位なの?


 アリス:私が人界の『日本』って国で見たのは殻付きだと、この拳位の大きさだよ。


 アナスタシア:ふ〜ん


 ミリア:ふっふっふ〜。ガーネットフォレストの栗はそんな『小さい』もんとちゃうでぇ〜♪と・く・に1000年に一度実をつける『あの栗』は。


 アリス:これは行ってみないですなぁ〜アナスタシアさん。

.

 アナスタシア:そんなの聞いたら行かなきゃですなぁ〜アリスさん


 ミリアほな決まりやな。茜ちゃんに伝えとくでぇ〜♪


 魔界時間12:09 西方エリア ガーネットフォレスト領


 ここは緋き紅葉広がる森。その美しさはガーネット様な事からガーネットフォレストと名付けられた・・・


 アリス:ほえ〜、綺麗だぁ♡こんな綺麗な紅葉見たのは20年前に行った京都以来だよ〜♪


 アナスタシア:京都ってところもこんなに綺麗な景色があるの?


 アリス:うん!ここに負けないくらい綺麗なトコだよ〜♪


 茜:ようこそ陛下、ガーネットフォレストへ。私がこの地を治める紅 茜、爵位は伯爵です。種族は天狗。以後お見知り置きを。


 アリス:ミリアちゃんから聞いたけど、この森の真ん中に『大きな栗』があるって聞いたんだけど・・・


 茜:あ〜、『大王栗』の事ですね。今が丁度時期ですよ♪


 アリス:だ、大王栗。


 茜:それでは早速行きましょうか。


 アリス:は〜い♪


 魔界時間 14:39 ガーネットフォレスト中枢 大王栗の木


 大王栗の木。それは天を貫くほどの巨木で、そこに実る大王栗は殻付きで全長1万kmにもなり、中の実の大きさは5000mになる超巨大栗である。


 アリス:で、でっかい。


 アナスタシア:規格外の大きさね。


 茜:実自体も美味しいのですが、その中心にある。『王の宝石』という部分が絶品なのですよ♪


 アリス&アナスタシア:ほぅ♡


 静香:待たせたな


 茜:お待ちしておりました。大臣閣下


 アリス:おりょ?静香ちゃん?


 茜:この国で刀を使いこなせるのはこの方だけなのでお呼びしました。


 アナスタシア:剣じゃ駄目なの?


 茜:叩き斬る剣でも良いんですが、そうすると衝撃で中央の『王の宝石』が急速に鮮度が落ちて食べられなくなるんです。振動を与えない刀と高度な技術が絶対条件なのです。


 アナスタシア:守りが硬い割には繊細な実なのね。


 静香:では・・・・・参る!


 大王栗の上部で精神を統一して一気に斬りかかる静香


 アリス:お〜!静香ちゃんすごーい♪


 アナスタシア:これが『王の宝石』


 紅伯爵家専属パティシエ:それでは調理開始いたします。


 アリス:お〜♡


 アナスタシア:こ、これが栗.。美味しい♡


 静香:栗も美味いが、それをスイーツという形で更に上いく美味!


 茜:ふふ、お気に召していただき光栄です♪




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