第50話静寂王の錫杖

 深淵の森の遺跡で発見された魔王具『静寂の錫杖』科学大臣不在の状況により解析に科学省は難航しており、魔界宇宙第2位の工学系大学の名門校『ビーストヘッジ工科大学』より魔王具専門の研究家を呼ぶ事となった・・・


 魔界時間16:00 王立研究所


 通信先のソフィア:なんだいなんだい!揃いも揃って情けないねぇ。まぁだ手こずっているのかい?


 研究員:申し訳ありません大臣閣下。コアの部分の解析が思いの外難航しておりまして。


 連絡先のソフィア:・・・はぁ、しょうがないね〜。魔王具のエキスパート呼んどくからちゃっちゃと調べとくれ。


 研究員:ハッ!


 同時刻 ビーストヘッジ工科大学


 通信先のソフィア:急な話で悪いね、サラ。


 コイツの名はサラ・S・菱川、ビーストヘッジ工科大学魔道工学教授で長年魔王具の研究をしている友人だ。


 サラ:良いよ。魔界宇宙創生時代の魔王具を解析出来るなんてこの上ない光栄な事だからね。喜んで引き受けさせてもらうよ♪


 3時間後・・・


 研究員:お待ちしておりました。菱川教授!


 サラ:これがそう?


 研究員:えぇ、これが深淵の森の遺跡より発見された魔王具『静寂王の錫杖』です。


 錫杖に手を当てて静かに瞑想するサラ


 サラ:確かに、この魔力の流れ、魔界宇宙創生時代のもので間違いないね。


 研究員:おおよその解析は出来たのですが、このコアの部分だけがどうしても解析出来なくて。


 サラ:ふうん・・・・どうやらこれは『この錫杖の持ち主かその血族、或いは錫杖に選ばれた者』でないと調べさせてくれないみたいだね。何か心当たりある?


 研究員:閣下の話では女王陛下が持った瞬間輝き始めたとか。


 サラ:『ソフィアのお気に入りの女王様』か。これではっきりした。悪いけどソフィアと女王サンに繋いでくれないかい?


 研究員:ただ今!


 通信先のソフィア:何か判ったかい?


 通信先のアリス:で?で?どんな感じ?


 サラ:まぁ2人共そう慌てなさんな。コイツぁ間違いなく魔界宇宙創生時代の代物。それだけにコイツを使うには単に国力上げりゃ良いってモンじゃあない。


 通信先のソフィア:というとやっぱり・・・


 通信先のアリス:?


 サラ:もしかしてこの国、他に遺跡があったりするかい?


 通信先のソフィア:あぁ、文献じゃああと4つある。


 サラ:やっぱりね。現在の魔王具なら国力を一定量上げれば普通に使えるようになるが、魔界宇宙創生時代の代物はそうはいかない。6つの遺跡の試練を受け錫杖に『認められる』必要がある。でないとこれ以上の解析は到底不可能だ。


 通信先のソフィア:やっぱりそうかい手間をかけさせて悪かったね。


 サラ:なぁに、現物拝められただけでも大収穫だ♪もし試練に合格した時はまた呼んでくれ。喜んで引き受けさせてもらうよ♪


 通信先のアリス:あんがとね♪


 サラ:そんじゃ私はこれで。


 通信先のソフィア:あぁ。助かったよ♪

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