第63話VSサイエント共和国(前編)

 サイエント共和国大統領クレア・M・サイエントからの宣戦布告から1週間、遂に開戦となる。その舞台は国境線テクノ峡谷・・・


 魔界時間9:57 魔王界中枢 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア


 八咫烏文庫本社 週間グローバルフォーカス編集部


 編集者:ジェームス・カタナ編集長、今週の見出しはやっぱりシルフィード王国VSサイエント共和国ですね!


 カタナ:フム、それで良い。


 編集者:確か開戦は今日の15時でしたね?


 カタナ:ああ。


 編集者:それじゃ、早速現地に飛びます!


 カタナ:待て。


 編集者:はい?


 カタナ:私も行くぞ。


 編集者:編集長自らですか⁉︎


 カタナ:編集長が現地に赴いてはいけないと誰が決めた?


 コートを羽織り振り向きざまに不敵な笑みを浮かべて語るカタナ


 カタナ:編集長以前に私も『ジャーナリスト』なのだよ♪


 3時間後シルフィード王国・サイエント共和国国境テクノ峡谷


 武崎アナ:さあ!始まりました国土争奪戦争!今回は科学超大国サイエント共和国VS新進気鋭の新興国にして今話題のシルフィード王国!シルフィード王国は果たして3連勝なるか?実況は私OHN(オールヘルネット)テレビアナウンサー、武崎健二と解説は国際政治学者の風間仁博士でお送りします!


 審判:それでは両国首脳前へ!


 アリス:宜しく。お互い正々堂々全力でいきましょう♪


 クレア:その余裕いつまで持つかしら♪


 カタナ:間に合ったか。


 記者:まさか編集長自らお出ましとは♪


 カタナ:シルフィード王国の相手は魔界最年少の魔王クレア・M・サイエントか。さて、どうする?アリス・シルフィード女王。


 審判:それではシルフィード王国側、学術都市フラスコープのエリアフラッグと科学大臣ソフィア・クルーガーを。


 壇上に上がるソフィア


 ソフィア:あの時はよくもガセネタ掴ましてくれたねぇ。祐。


 祐:僕は嘘なんてついてないさ。『遠縁』とは一言も言ってなかっただろう?


 ソフィア:フッ、よく言う♪


 審判:次にサイエント共和国側、工業都市メタリカのエリアフラッグと、市長リーシャ・メタリカを。


 壇上に上がるリーシャ


 リーシャ:・・・・・


 審判:それでは先攻サイエント共和国側


 カタナ:さあ、誰を出す?


 クレア:一気に引き離すわ♪私の先鋒は彼よ!


 壇上に上がる白衣の東洋系の男性


 武崎アナ:おーーーーっとぉ!これはいきなり大物が出たーーー‼︎


 カタナ:おいおい、いきなり出すかそんな超レアカード。


 武崎アナ:医学界なら知らない者は恥とされるあのお方『野口英世』だーーーー‼︎野口英世は細菌学者で人界地球は日本福島県三ツ和村出身、黄熱病・梅毒等の研究で知られ、ノーベル生理学・医学賞に三度ノミネートされる程の偉人。良心ランクはいきなりのSSSこれはかなり飛ばしてきたぞーー!


 クレア:さあ!降参するなら今の内よ。ソフィアお姉様と別れてもらうわよ!


 アリス:別れる?


 クレア:と、惚けないで!貴女、お姉様と付き合ってるんでしょ!


 アリス:あ〜・・・誤解してるから言っとくけど、私、ソフィア姐さんとは付き合ってないよ?


 クレア:・・・・・え?


 ソフィア:アリスの言う通りこの子とは恋人でも何でもないよ。


 クレア:なぁんだぁ〜、じゃ、この戦、私の敗けで良いわ♪メタリカはお詫びの印にあげるわ。


 メタリカ:・・・・・・はぁ。


 カナタ:やれやれ、コイツぁシルフィード王国の不戦勝か。


 クレアの前に行き頬に平手打ちをするアリス


 クレア:な、何すんのよ⁉︎


 アリス:良い加減にして!私がソフィア姐さんの恋人じゃなかったからって貴女はあっさり自分の大事な国民と臣下を捨てるの?私達魔王はいくら『一滴の血も流れない死者の出ない』戦争だからといって自分の国の人達を、貴女を信じて付いてきた臣下を物の様に扱う事はしない。私はそんな真似出来ない!そんな事やるくらいなら死んだ方が万倍マシよ‼︎


 カナタ:へぇ、自ら3連勝のチャンスを捨ててまでスポーツマンシップを貫くとは大した女王様だ♪


 アリス:私達魔王は自分の国の国民『家族』を賭けて闘っているの。そんな軽はずみな気持ちだったら今直ぐ魔王を辞めなさい‼︎


 ソフィア:さっすが、皆んなが惚れ込んだ女王様なだけあるねぇ。益々気に入ったよ♪


 クレア:・・・・ごめんなさい。改めてこの戦、続けてくれる?


 アリス:勿論♪


 審判:それではシルフィード王国側、先鋒前へ!


 中編へ続く・・・





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