第2話 家は出来た、今後のためにポーションを作ろう。
目の前に家が出来て愕然としている。
「こんな簡単に家が出来るのか……?
想像以上に便利だなこれ。」
驚きつつも、労せず衣食住のうちの一つが解決して嬉しかった。
大きくはないが、一人で住むにはこれで充分だろう。
人に出会えば町の場所もわかるし、家具なんかはそれからでもいい。
そう考えていると、衣食住のうち一番大事かもしれない「食」の解決が出来ていないことに気づく。
肉や魚を食べたいが、どんな動物が存在してるか、どれが食べれるかわからない。
前の世界では狩猟なんてしたことあるわけがなく、釣りも趣味程度のもので道具がないと出来ない。
「一番確実なのは野菜か?
しかしこれもどれが食べれるかわからないからな……。」
食の心配に不安になりながらも、野菜を育てる準備だけはしておこうと思い、畝を作るためクワを錬成した。
「これで畝を作れるとして、人が来た時に物々交換や情報交換を持ち掛けなきゃな。何か商品になるものは作れるか…?」
そう考えた時、神がスキルを3つから選ばせてくれたことを思い出した。
「剣術や魔術があるなら、傷を癒すアイテムなら需要が高いんじゃないか?
もしもの時は自分でも使えるし。」
傷を癒すアイテムならポーションが妥当だろう。
ポーションを思い浮かべると、泉・その辺に自生している草・砂が光り出した。
「砂からビンを錬成したのか、つくづく便利だなこのスキル……。」
砂から何かを取り出し、かなり高い温度で熱さなければいけなかったはずだが、そんな工程もお構いなしにすっ飛ばしている。
ガラスが作れるなら家の通気口を窓にしようと思い、スキルを使い窓を付けた。
砂と通気口を選択すると通気口が窓になった。
陽の光が家で浴びれるのは嬉しい。
「ポーションも1つだけじゃ心許ないな、備蓄と物々交換に20個ほど作っておくか。」
ポーションを20個ほど作成すると、スキルレベルアップの通知が頭に流れた。
「スキルレベルアップなんてあるのか、さすが異世界だなぁ。」
ステータスウィンドウを確認すると、<錬成したものの配置を自由に変更出来る>らしい。
ちょうどポーションをしまう棚が欲しかったので、棚を思い浮かべると木と砂が光った。
それらを選択すると、ちょうど棚の大きさくらいの四角い光が目の前に出てきた。
「この光の場所に錬成出来るってことか?
なら、部屋の角に……あれ?」
そう思うと光が消え、家に入ると部屋の角に光が移動していた。
急に光が消えて少しびっくりしたぞ。
ともかく場所もそこに置こうと思っていた所だったので、ガラス扉の棚をそこに作成しポーションを保管した。
「これで人が通れば物々交換や有益な情報と交換出来るな。
……盗賊とかじゃなければだけど。」
不安に思いつつも、先ほど錬成したクワで家の近くを耕しはじめた。
何が食べれるかわからない以上、最初はポーションの原材料の草を育てることに。
ちょうどその草に種らしきものが実っているのを見つけることが出来た。
ポーションの材料になる以上、毒とかはないはず。多分。
最悪その草と泉の水で飢えと渇きを癒そう。
ある程度耕し終わり、畝に種を植えることに。
「早く大きな草に育ってくれよー、俺の食糧事情のために!」
そう思うと種と畝が光り出した。
「は???」
本日三度目の素っ頓狂な声が出た。
恐る恐るスキルを発動させると、草が畝に生えていた。
「材料があれば工程をすっ飛ばせるのはわかってたが、植物の成長もすっ飛ばすのか……。」
自然の摂理を無視するのはどうかと思う。
調整ミスしてないかな、あの神様。
今度会ったら殴った後に聞いてみよう。
ともかく助かることに間違いはないので、種と草を分けて収穫する。
草はポーションとは別の場所に仮置きし、種はビンを錬成してそこに保管。
「後は草以外の食糧が欲しいな、普通の野菜とか肉とか米とかパンとか。
パンはともかく米はもう食べれないかもしれないなぁ……。」
とにかく人が通ってほしい、物々交換が一番だが情報も欲しい。
そう願いながら家の中で休憩していると、森から虎のような鳴き声と何かの雄たけびが聞こえてきた。
ものすごく嫌な予感がする、こっちに近づいてきてるぞ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます