第341話 タイガがワイバーンの群れに対して無双状態だった。
「うぉぉ……タイガすごいぞ。」
タイガは空気を蹴って上空へ昇り、結界を越えて驚いたワイバーンを瞬殺。
死体がそのままマルクス城へ落下してきそうだったので、俺が
タイガもそれを確認したのか受け台を狙って死体を落としてくれるようになった、器用だな。
しかし床を使って受け台を作ったからな、後で直しておかないと。
守護天使はタイガと俺を交互に見ながら口をパクパクさせている――中には気絶している者も居るな。
タイガの戦いっぷりにしろ
しかし暇だな、タイガは楽しそうだからいいけどさ。
何か出来ることを考えよう……このワイバーンの処理くらいしか思いつかない。
「なぁ、ワイバーンの死体の処理ってお願い出来るのか?」
俺がする必要があるかどうか守護天使の代表に確認を取る、マルクス城に侵入してきた以上このワイバーンの肉の所有権はマルクス城にあると思うし。
あくまで俺とタイガのワガママでワイバーンを倒しているだけで。
「畑を掘って埋めますが……ここまでの数は初めてですから埋めきれるかどうかわからないです。」
「埋める?
なんでそんな勿体ない事をするんだ。」
ワイバーンなんて上等な肉をただ埋めて肥料にするなんて狂気の沙汰だぞ。
少なくとも村でそんな事をしたら大ブーイング必至だ。
「勿体ないとは?」
代表が首をかしげて聞き返してくる……まさか。
「ワイバーンの肉は上等で美味しいんだぞ。
食べたことないのか?」
「あんな固い鱗と骨ですよ!?
倒すのでやっとなんです、それを食べる大きさに加工なんて出来ません!
タイガさんがあんな簡単にワイバーンを切り裂いてるのが異常なんですよ?」
村では食堂でバサバサ切っているけどな。
「分かった、あのワイバーンの死体の処理は任せてくれ。
村から応援を連れてきて加工から調理・保存までやってもらうよ。」
「は、はぁ……。」
代表はよくわかってない様子で返事をしてきた――さて、すぐに取り掛からないと肉の鮮度が落ちてしまう。
早速村に帰って応援を呼んでくるとするか。
俺はそう思い村の食堂を思い浮かべて瞬間移動をする。
呼んでくるのはドワーフ族とラミア族かプラインエルフ族、それにミハエルが居れば完璧かな?
「すまん、ちょっと相談がある!」
「うぉぉぉっ、いきなり現れてどうしたんじゃ!
びっくりさせるでないぞ……まったく。」
食堂の厨房へ瞬間移動した直後にデニスへ話しかけると物凄い驚かれてしまった、反省。
「すまん、今タイガと見つけた新しい場所にワイバーンの群れが通りかかってな。
それをタイガが全部倒してくれてるんだが、ワイバーンを加工する技術をそこの種族は有してないんだ。
協力してくれないか?」
「それはいかんぞ、すぐに準備をする。
ワシはシュテフィ殿を呼んでこよう、村長は他に必要な種族へ声をかけてくれ。」
「分かった、準備出来次第広場に集合という事で。」
そうして俺とデニスは一時解散、俺は生活魔術を使える人とミハエルを呼んでくるとするか。
とりあえず生活魔術は必須だよな、転移魔法陣は最悪俺が瞬間移動で往復すれば何とかなるし。
カタリナの手は空いてないかな、ちょっと瞬間移動で近くに飛んでみよう。
念じて飛んでみると家に到着、カタリナは眠っているみたいだ。
起こすのも悪いし他の人を探すとしよう――と思った矢先。
「んん……村長……?」
カタリナがもぞもぞと起き上がり、目をこすりながら俺を呼んだ。
「すまん、起こしてしまったか。」
「大丈夫、ちょっとお昼寝してただけだから。
それよりもう戻ったのね、てっきり天使族という種族ともっと話をすると思ってたのに。」
「事情が変わってな、ワイバーン肉を保存するため力を貸してほしい。」
「何をどうしたらそうなるのよ?」
「実はな――」
俺はマルクス城での経緯をカタリナに説明。
「なるほどね、そういうことなら納得。
せっかくのワイバーン肉を腐らせるわけにはいかないわ。
デニスさんはシュテフィさんを呼ぶだけだしもう広場に居るはず、ミハエルさんは後回しにしてまずはお肉の保存を第一に動きましょう。」
「分かった、それじゃ広場へ移動するぞ。」
俺はカタリナと手を繋いで広場へ瞬間移動。
カタリナの言う通り、デニスとシュテフィは既に広場へ到着して待機していた。
だがそこにはウーテも加わっている、どうしたんだろう。
「ワイバーンのお肉いっぱいあるんでしょ、私が運搬してあげるわ!」
そのあたりはアンドレアに許可を取らないとダメな気もするが……料理を振舞えば少しくらいは分けてくれるかもしれない。
とりあえず出発するとしようか。
アンドレアも待たせちゃってるし、完全に泣いてしまう前に会議室に顔を出してやらないとな。
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