第405話 陽の季節が近づき、村が慌しくなった。
もうすぐ陽の季節、村は様々な事が重なって色んな所がバタバタしている。
まずはデパートの準備、前回より早めに準備する期間へ入った。
これは村と各領の商人が話し合って決めたそう、特段重要な決定でも無いので俺の許可は取らなかったらしい。
俺としても別に問題無いし、各々で正式な手続きをして村に来ているわけだからな。
それよりもサキュバス・インキュバス族がデパートや商人の対応等を一手に引き受けてるのに驚いた。
それは報告してほしかったぞ、道理でここ最近俺の所にお金があまり流れて来ないわけだ。
お金をどうしているか聞くと、ドワーフ族にオレイカルコス製の金庫を作ってもらいそこで保管しているらしい。
金庫の場所に辿り着くにはコロポックル族が施した結界を越えなければならないし、開錠のやり方は一部のサキュバス・インキュバス族しか知らないそうだ。
そのうえで毎日中にあるお金のチェックをしているらしい……徹底しているな。
だが現状武力以外の警備としては最適だ、今度からそういうのは報告するように。
そして出産施設も賑わっている。
もうすぐフライハイトが培養液から出れるそうだ、ウルリケ曰くデパートが終わったくらいじゃないかとのこと。
本当にもうすぐだな、俺も楽しみだ。
産まれた時よりかなり大きくなっている……本当に元気に育ってくれてよかったよ。
ウルリケには本当に感謝しないとな。
そしてこの間ローガーと奥さんの一人であるウェアウルフ族の子どもも誕生した。
全力で祝ったら相当恥ずかしそうにしていたが、尻尾をブンブン振っていたので嬉しかったんだろう。
そして立て続けにヒルデガルドも妊娠が発覚。
リザードマン族って卵生なのか胎生なのか……しかし妊娠しているという事は胎生なのだろう。
すごい違和感があるが、そのあたりに突っ込むのは凄い失礼だと思う。
その他にも数人の妊娠が発覚した、本当におめでたい。
この調子で人口が増えていくと、村の居住スペースも広げる計画を早めに立てておいたほうがいいな。
このあたりはキュウビと地図を見ながら相談させてもらうとしよう。
そしてもう一つ、村とリゾート地に影響を与えた事象がある。
クリーンエネルギー機構の稼働だ。
色んな苦難を乗り越えて、ついに静音と防振を兼ね備えたクリーンエネルギー機構が稼働した。
もちろん一号機は村、何かあってもいいようにオレイカルコスで出来た小屋の中に設置された。
配線以外は全て村の技術で作られた物……それが電気を生んでいる。
稼働の時に少し感動してしまった、携わった人達は抱き合ってギャン泣きしてたけど。
長い期間頑張ってたもんな、そうなるもの仕方ない。
前の世界に比べたら相当早い気もするけど……。
配線はやらないのか聞いてみると、建物の基礎に干渉して不具合が起きると困るので俺に一任された。
現在LED照明が足りないので必要な石を絶賛採掘中、今のペースを見る限りデパート前には間に合うだろう。
ちなみに配線工事とLED照明が取り付けられる柱、それに各家に必要な場所へ取り付けるためのシーリング設置は終わっている。
神になってかなり好き放題な範囲を一気に錬成出来るようになったのに気付く、人間の時でもすごかったが今の方がすごい。
流石神だな。
俺が一瞬でこの工事を終わらせると、流澪から物凄い白い目で見られたけど。
「やっぱそれずるい。」
そんな事言われてもなぁ……
そしてマックスの講義も開始した、教育施設には毎日多数の人が押し寄せている。
どうやらマックスの名は魔族領に留まらず人間領にも伝わっているらしい。
何せキュウビもその名前を知っていたからな。
講義の内容は様々だが、席は常に満席……受講したくても出来ない人が頻出していると報告があがっている。
今の教育施設だと50人程度しか受けれないからな……この際前の世界の大学のような講義室を作ってしまってもいいかもしれない。
これは要相談だな、あの辺りは土地の空き状況に余裕が無いし。
村を広げる計画、割と急いだほうが良さそうだな。
居住区も施設区も少し手狭だし……デパートが終わって落ち着いたら話し合いを開くとしよう。
そうだ、話し合いで思い出したが本当にいい加減集会所のようなところを作らないといけない。
ずっと神殿や広場でやるわけにも行かないし、時々外部に聞かれるのは憚られる内容を話すことだってある。
とりあえず居住区に建てるとするか、
それに俺が作ったものなら自由に移動出来る、もっといい場所があったり要望があったりしたら動かせばいいからな。
そう思い俺の家の近くに集会所を錬成するため、荷物を選定しようと倉庫へ。
そこにはケンタウロス族とミノタウロス族が待ち構えていた。
「「村長が何か作られるように村を見ていたので。」」
そんな事に注目しなくていいから。
ちょっと怖かったぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます