第52話 みんなの移住と仕事分担が終わった。
プラインエルフ族の里を引き払い、皆で村に帰った。
俺は急いでプラインエルフ族との居住区を整備、急なことだったので寝具も
ミハエルは一時的にグレーテと住むらしい、同じ魔族だし大丈夫とのこと。
素材ギリギリ足りたな……ケンタウロス族に素材も仕事も取ってしまって申し訳ないと謝っておく。
「大丈夫ですよ!」と返事がもらえたのでよかった、これからまたよろしく頼むぞ。
プラインエルフ族はとんでもないスピードで居住区が出来上がってしまって混乱しているが、まぁ慣れてくれ。
毎度のことなので気絶した人を看護するための人が数人構えてる、こっちは慣れすぎのような気もするが。
ウェアウルフ族とケンタウロス族が荷物の仕分けをプラインエルフ族に聞いて、どんどん運び込んでいく。
その間にザスキアにプラインエルフ族の仕事について話しておくか、宴会の準備ももう少しかかりそうだし。
「ザスキア、プラインエルフ族の仕事だがこの村の生活魔術を担当してくれ。
どこでどんな生活魔術を使うかはカタリナがよくわかっていると思う、意見交換をしてプラインエルフ族の仕事配分を頼む。
後は魔よけの魔術を使える人はそれも頼もうか、警備部隊の危険が軽減出来そうだし。」
「えぇ、わかりました。
世界の危機を救ってもらっただけでなく歓迎会なんて開いていただいてありがとうございます……プラインエルフ族は開さん……いえ、村長と神を信仰するようにいたしますね。」
俺を信仰しても何もないからな、神を信仰してやってくれ。
待てよ?
ミノタウロス族の仕事の話、ヤンにしたっけ……?
ミハエルの件でかなり中途半端に村に移住してもらって終わってしまっている気がする、ちょっと聞いてきてみよう。
「すまん、ザスキア。
ちょっと前に移住したミノタウロス族のところへ行ってくる、これからよろしくな!」
「わかりました。」とザスキアが頭を下げる、俺も軽く頭を下げてミノタウロス族のところへ向かった。
「ヤン、いるか?」
ミノタウロス族の居住区へ着き、ヤンの家の前でノックをする。
「おぉ、村長ではないですか。
巨悪の魔人の件はお疲れ様です、無事解決なされたとか……して、どのような用事で?」
「いや、居住区を作って歓迎だけして仕事の割り振りをしてないと思ってな……すまなかった。
今仕事はどうなっている?」
「えぇ、大丈夫です。
村長が忙しそうでしたので、一時的に村長補佐となったラウラさんに話すとドワーフ族のところに行けば仕事があるとのことでしたので。
一緒にダンジョンに潜り石炭と鉱石を採掘していますよ。」
石炭を採掘出来るようにしておいてよかったな。
「石炭と鉱石の採掘は引き続きよろしく頼むよ。
後は人員に余裕があれば田畑の拡張をお願いしたい、頼めるか?」
「もちろんです、たくさん食べさせていただけてるのでその分はきっちり働かせていただきますよ!」
頼もしい、拡張が出来ればカタリナと2人で一気に色々な種類の野菜や穀物を収穫まで出来るようになる。
その足でヤンに田畑の拡張予定地と範囲を伝え、「では手の空いてる者を当てて、明日から取り掛かります。」と返事をもらった。
急ぐことじゃないから無理しなくていいからな?
宴会はいつも通り、新規移住者の紹介を終えた後はどんちゃん騒ぎ。
久々だったので盛り上がったな。
宴会が終わり夜が明けた。
ミハエルはどこにいるかと探していると、鍛錬所で見つかった。
他の訓練には混ざらず、1人で軽い柔軟とかトレーニングをしている。
「混ざらないのか?」
「うん、体がなまりすぎててね……まずは軽く慣らしていかないと戦闘鍛錬はとてもじゃないけど無理かな。
それにこの村でトレーニングしてる人たちの練度が高すぎるよ、全盛期の私と同じくらいの身体能力なんじゃないの?」
ミハエルの全盛期って世界を最大規模の災害に陥れたレベルだろ、流石に言いすぎなんじゃないか?
「そうだ、転移魔術について話したいんだが大丈夫か?」
「うん、柔軟しながら聞けるから話していいよ。」
「この村と魔族領を繋ぎたいんだが、移動距離と移動する質量と大きさに制限はあるか?」
人物だけと、荷車やそれより大きいものも運べるのじゃ運用の仕方が変わってくるからな。
「移動距離は2点さえ決まれば制限は全くないね、好きなところへ繋げる。
大きさや質量は人物だけならそこまで広い面積は必要ないけど、通りたいものの大きさより少し余裕を持った面積さえあれば大きさも問題ないわ。
けど、この村に1日居てわかったけど魔族領よりずっと快適だけど、魔族領に何の用があるの?」
グレーテもそんなことを漏らしていた気がするが、この村はそんなに快適なのか。
未開の地視点なら他の原住民が住む里よりは間違いなく快適だとは思うが、貨幣経済がある魔族領より快適とは考えてなかったな……風呂がないのは問題だが。
「ここにはない食材が欲しい、確定しているのは魚だな。
他にも市場なんかを見て欲しいと思ったものは手に入れたいと思っているよ。」
「てっきり侵略すると思っていたけどものすごい平和的な理由なんだね……。
まぁ侵略するような気概を持った人間がこんな平和な村を作るわけもないか。」
無駄な争いはごめんだ、だから俺は神からもらうスキルを
「よし、問題なさそうなら近いうちに魔族領に行くから転移魔術を展開しておいてくれ。
展開出来たら報告してくれたらいいからな。」
ミハエルがキョトンとした顔をしてこっちを見ている、どうした?
「何を言ってるのさ、転移する2点を決めて魔法陣を書くって言ったでしょ?
この村と魔族領に魔法陣を書かないと、確実な転移魔術は起動出来ないよ?」
え、そうなのか。
俺の解釈が悪かったな、確かに魔法陣を書いて起動する魔術だからよく考えれば当たり前だ……。
ならやはり、一度魔族領に行く必要があるのか。
手っ取り早くドラゴン族に乗っていくのが一番だな、安全だし。
「なら先に村の魔法陣を書いておいてくれ、明日平原側の門の近くに広めの場所を作っておくから、そこに頼む。
今度魔族領に行く部隊を編成するから、ミハエルもそこに加わってくれ。」
「うん、わかった。
戦闘は出来ないから転移魔術と生活魔術しか出来ない人材だと思ってね。」
大丈夫だ、俺も戦闘は出来ないから。
よし、今日はご飯食べてお風呂入って家に居よう……ちょっと早いけどプラインエルフ族の村から帰ってあまりメアリーと顔を合わせれてないから許してもらいたい。
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