第275話 麻雀で遊んでいると、妻達も住民にも大ウケした。

ラウラとクルトが帰って麻雀を片付けていると、他の妻達が帰宅。


麻雀を見て最初に興奮したのは流澪、どうやら前の世界で結構やっていたらしい。


ネット麻雀らしいけどな、流石に雀荘に通う年ではないからそうだろうけどさ。


それに釣られたウーテとカタリナもどんな遊びかを聞いてくる、俺・メアリー・流澪の3人で2人にルール説明をするとカタリナは興味を持ったがウーテはそこまでの様子。


「その牌をチマチマ積み上げるのが難しそう……。」


「クルトでも難なく出来てたぞ?」


「ならするわ、ゲーム自体は面白そうだし。」


安心というよりライバル心のようなものを感じた、クルトに負けるのがそんなに嫌なのだろうか。


そういえば幼馴染でライバルのような存在だと言っていたな、それなのによく恋愛感情を抱かなかったものだ。


それとも逆にそういう存在だから抱かなかったのだろうか、だが今俺はウーテの居ない家なんて事情が無いと考えれないのでそれでいいと思っている。


他の妻達も居ないのは考えれないけどな、自分でもこんなに複数の女性を好きになっていることにびっくりするけど。


説明を終えた後そんな事を考えながら麻雀を始める準備、一人遊べないので今回はメアリーが観戦に回るそうだ。


4着が交代、そして食堂からお酒とおつまみを取ってくるというルールに。


軽い罰ゲームがあったほうが燃えるしいいだろう、さっきは負けたけど一番の経験者であるところを見せつけてやらないとな。


「ロン!

 村長、12000点よ!」


「ツモ!

 8000・4000!」


カタリナに振り込み、俺の親番で流澪にツモ和了されて一気にピンチ。


まだ南場ですらないんだけど。


そして次の局、配牌からかなり高目が狙える手牌に。


清一色に一盃口、平和にドラもあるうえ多面張になりそうだな……ツモが良ければ九連宝燈まであるんじゃないか?


そう思いながら、まずは字牌を整理しようと河に捨てると「ロンよ!」とウーテの声。


「これって確か役満ってやつよね?」


倒された牌を見ると国士無双十三面待ち、嘘だろ。


東3局にして俺の4着で終了、取り決めの通り食堂へ酒とつまみを取りに行くことに。


「開様には休んでほしいのですが……。」というメアリーに言われたがこれくらいは何ともないので罰ゲームを遂行。


負けたけど悔しさはない、いくら結構な麻雀の経験があると言っても全て5巡目以内に終わってしまってはどうしようもない。


あんな状況で勝てるヤツがいるなら教えて欲しいくらいだ。




外に出て酒とつまみを受け取って帰ると、俺の家の前に何人か集まっているのが見えた。


「どうしたんだ?」


俺は集まってる人達に声をかける、何かあるなら話を聞きたいし。


メアリーに怒られるかもしれないから静かにという条件があるけど。


「いえ、村長の家からジャラジャラという音と楽しそうな声が聞こえたので、何をしているのかと気になってたんですよ。

 大人が子どものように大はしゃぎ出来る事ってなかなか無い事ですから、皆興味を持っているんです。」


確かにプールと将棋以外に娯楽はあまりなかったな、美味しい食事に酒と温泉があるから不満は挙がって来なかっただけかもしれない。


もしそれらが欠けていたら不満が溜まってたかもしれないのか、盲点だった。


「俺の家で麻雀っていう俺が前の世界であったゲームをしてるんだよ。

 良かったら覗いていくか?」


「是非!

 どんなものか気になります!」


「それじゃこれを持っていってやってくれ。

 俺は皆の分も取ってくるから。」


「そんな……村長にそんな事をさせるわけには!」


「さっき負けたから罰ゲーム中なんだよ。

 別に苦でも何でもないし、日ごろ皆には助けられているんだから気にしないでくれ。」


そう言ってもう一度食堂へ行く、ドワーフ族から宴会でも開かれてるのかと聞かれたがそんなことはないので否定しておいた。


どちらかというと雀荘で飲みながら皆で遊んでる感じ、宴会では無いよな?




「村長の家でこんなことを言うのは非常に心苦しいのですが……その……狭いです。」


雀卓を囲んでる妻4人の周りに俺を含めて10人くらい集まっている、しかも俺は起きて来たカールを抱いてるし。


狭くない家を作ってるつもりだが一か所にここまで人が集まることなんて想定してない、妻達もあまりに人が集まりすぎてちょっとやりづらそうだし。


「よし、明日大人の遊技場を作ろう。

 麻雀卓も10セットくらい用意しておくから、他に何か欲しい物があればリクエストを聞くぞ。」


流石にこの状況が辛くなったので俺が提案を出した、それを聞いた皆からは歓喜の声があがる。


もうちょっとボリュームを下げてくれ、カールが……ほら、うるさいって顔してる。


「それならダーツもいいんじゃない?

 私プロライセンス取ってたから教えれるわよ?」


流澪から意外かつ物凄い事を聞いた、そんな充実してるような生活しててどうして自殺なんか考えたんだろう。


本人が話さないから聞かないけどさ。


「ダーツというのは?」


「3本の矢のようなものを的に当てるゲームよ。

 的の場所によって点数が決まってて、ルールによるけど基本点数が高い人の勝ちっていうゲーム。」


「それも面白そうですね!

 麻雀も頭の体操になって楽しいですが!」


矢という単語を聞いたメアリーが食いついてきた、弓は使わないから得意かどうかは分からないが……強そうな気はする。


だがダーツのプロライセンスを持ってる流澪が一番だろうな、俺も映像でプロの試合を見たことがあるがあれは異次元だったし。


それから色々話した結果、雀卓とダーツ、それにトランプを用意した大人の遊技場を作ることに決定。


場所は施設区に、村の住民以外も利用してもらうためだ。


施設利用料は取るみたいだけど、まぁそれくらいならいいかな?


後はトラブルを起こした人は以後の利用を禁止するのと、仕事を蔑ろにしないというのを周知徹底させるということで落ち着いた。


そのあたりは告知物を作って見えるように掲示しておくか。


飲み物や食べ物を持ってきやすいように何か案を考えないと、明日ドワーフ族に相談してみよう。


「結局仕事に近い事を最後にさせてしまいました……。」


「娯楽が無いのはいずれ問題になることだったろうし、あれくらいなら疲れもしないから大丈夫だよ。

 いい案もたくさん出たし村の収益にも繋がる、素直に喜んでくれていいぞ?」


「それはそうなんですけどね……あ、それロンです。」


「なんでそんな捨て牌でそんな待ちなのよー!?」


メアリーは俺と会話をしつつも捨て牌に迷彩を掛けていた、それに釣られた流澪が振り込む。


「16000点です!」


「しかも高いし!」


このメアリーの和了でこの半荘も終了、やっぱりテーブルゲームでメアリーに敵う人材はいないんだろうか……。


「よし、それじゃ片付けてお風呂に入って寝るとしようか。

 明日遊技場を作ればいつでも遊べるんだし。」


「「「「はーい。」」」」


俺の言葉で皆片付けを始めたので俺も手伝う事に。


そして明日やることを頭の中で整理していて気づいた、俺またデパートに参加出来ないじゃないか。

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