第272話 俺もデパートに参加することにしたので、仕事を手早く終わらせることにした。
「コーヒー物凄い苦かったです……美味しい飲み方って無いですか……?」
眠気が来ないので書斎で仕事をしていたら、メアリーが悲しそうな顔をして俺の所へやってきた。
ちゃんと俺の話を聞かないから……飲み方を教えてあげてたのに。
「好きな人はあの苦みが好きなんだけど、砂糖やミルクを入れて飲む飲み方もあるぞ。
今度試してみるといいさ。」
「味以外は好きだったので今度試してみます……。
他の人は美味しそうに飲んでただけに、ちょっと悲しいですね……。」
野菜の苦みはある程度大丈夫なのにな、まぁコーヒーの苦みはまた質の違う苦みだから仕方ない。
そしてメアリーはコーヒーの感想を言うだけ言ってお風呂へ行ってしまった。
少し早い気もするが明日のデパートに備えてだろう、いつもデパート前はこのくらいに入っていたし。
俺も明日魔族領と人間領に行こうと思ったが、せっかく行くのだし他に何か無いかとまとめた書類を見ながら考えをまとめることにした。
デパートもあるし終わってからにしよう、終わるまでの期間を考える時間に充てることに。
何かしていると時間が早く過ぎるから助かる、このままいつもの時間に眠気が来てくれたらいいけど。
「村長、明日もカール君をデパートに連れて行っていい?」
書斎で書類を眺めていると、後ろからウーテの声が。
「別にいいけど、どうしたんだ?」
「カール君デパートが気に入っちゃったみたいで。
メアリーさんが直接言おうとしてたんだけど、何故か物凄い目が冴えてるから少しでも休みたいってもうベッドに潜っちゃったのよ。
メアリーさんはいいとは言ってたけど、一応村長の許可を取ろうと思って。」
あんな時間にコーヒーを飲んだらそうなるよな、眠気を覚ます効果があるというのを食堂で周知徹底させるよう告知物を作っておいたほうがいいかもしれない。
「今日のデパートではいい子に出来てたなら、明日も参加して大丈夫だぞ。
だがもし誰かに迷惑をかけたりワガママを言って困らせたりするようならダメだ、他の領から来てる人がほとんどなんだし。」
「子どもってそういうものだと思うんだけどなぁ。
でもカール君はそんな事なかったし、皆から可愛がられてたから終始上機嫌だったから大丈夫だと思うわよ。」
「俺も子どもの感情を抑制するような真似はしたくないけど、抽選会が行われるような人気イベントで利用者が嫌な気持ちになる可能性は無くしておきたい。
それにカールも悪いことをしたら罰があるというのを学んでもいい年頃だろう。
メアリーにも明日そう伝えておいてくれ、カールには俺から伝えておくから。」
「分かったわ。
カール君は今奥様方の所で自転車を乗り回してるから、もう少ししたら迎えに行ってあげて。」
そう言ってウーテは書斎から立ち去り風呂へ向かっていった、そんなに毎日参加するほど魅力的な物が売っているんだろうか。
それとも女性によく見られる買い物が好きという特徴が出ているのか、俺も1日くらい参加してもいいかもな。
メアリーの事も心配だし明日参加してみるか、魔族領と人間領で見る物を考えるのに3日も必要無いし。
それに村にさえ居れば何かトラブルがあっても対応出来るだろうし。
何回も開催しておいて、俺が内容を人伝に聞いた事しか知らないというのも問題がありそうだ。
毎回扱う商品は変わると言うが、どういったように店舗が運営されているかくらいは知っていてもいいだろう。
軽い見回り程度はしているが、それでは気づいてない事も多いはず。
報告を聞いても売り上げに関してと、トラブルがあった際の対応と結果くらいのもの。
実際デパートがどうかという声はあまりあがってこないからな。
妻達は朝も早いし、俺も仕事がキリのいい所まで終われば風呂に入ってご飯を食べるとしよう。
ちょうど少し眠気もきたことだし。
そうと決まれば早く仕事を進めるとするか、そこまで大したことはしてないから30分もあれば充分だろう。
俺は書類をめくりながらタイプライターを打ち込みだす、前の世界ではパソコンを使った仕事が多かったからそこまで時間はかからない。
俺よりタイピングが早い人はいくらでもいるだろうけど、この世界では俺が一番……だと思う。
流澪に負けなければだけど。
なんて雑念を考えながら仕事に励む、さっさと終わらせて休ませてもらうとするか。
明日はたくさん歩くだろう、昨日はちゃんと休めてないからしっかり体を休めておかないとバテてしまうかもしれないし。
タイプライターを打ち込み終えて文章の確認、ローマ字だから少し時間はかかるが大丈夫そうだな。
さて、俺も風呂に入ってご飯を食べるとしよう。
仕事をしたら頭もスッキリしたしお腹も空いてきたからな。
寝る前に妻達へ声をかけて起こしてもらうよう頼んでおかないと、それと軽くお金の準備もしておかないといけない。
休むまでまだ時間がかかりそうだな、やることを終わらせるとするか。
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