第358話 ダンジョンコアから生成する作物について話し合った。

「さて、次は食糧・作物関連だが……。」


「牛と豚に鶏、それにユニコーンは絶対でお願いします!」


「私もそれで!」


「ワシもだ!」


「我もじゃ!」


俺が議題を出した瞬間にメアリーから意見が飛び出してくる。


それに周りの人全員が食いつく。


「分かった。

他には何かあるか?」


だが俺もその要望に関しては予想していたし賛成なので、他に何か無いか聞くことに。


「村の野菜全て、ダンジョンで賄う事って出来ないのかしら?」


カタリナがぽつりと呟くように意見を出す。


確かにそれが出来たら俺としては有難い、最悪俺がしばらく村を離れたとしても食糧難になる心配がゼロになるからな。


「ですが家畜を生成してもらう以上難しいのでは?」


「いや、2つ目のダンジョンコアがあるなら可能だと思うぞ。」


俺は前に原油を生成してもらうようお願いし、この場所からだけという指定が出来た。


ダンジョンを2層に分けて食肉用の動物層と野菜・作物の層に分ければそれも解決する。


広さ次第では何往復もすることになるが、俺抜きで食糧の補充と自立が出来るのは大きい。


「それならそうしたほうがいいでしょ。

 村長も神として各地方に遠征に行くことも増えてくるだろうし。」


「他の人の意見はどうだ?」


「ドワーフ族は賛成じゃ、ピンポイントで村長を呼ぶのは気が引けておったからの。」


食を管理するドワーフ族がそういうと、他の種族は「それなら……。」とそのまま賛成の流れに。


オスカーですらも従っている、ドワーフ族恐るべし。


「それじゃ私はドワーフ族と食材のピックアップをするわね。

 後でまとめて村長に報告書を提出するわ。」


「分かった、頼んだぞ。」


これで作物関連もシュムック関連と同じく報告書待ちかな?


だがこれでほぼ終わったようなものだな……大体思った結果になったしこれで解散しようかと思った矢先。


グレーテから意見が出てきた。


「ワイバーンが生成される層を作るのって可能ですかね?」


「可能だとは思うが、危険過ぎないか?」


以前イノシシですら処理が面倒だからと保留してそのままだし、ワイバーンともなるといくら村の戦力が整ってると言ってもな。


「私もダンジョンには何度かお手伝いに行かせていただいたことがあるんですが、あの天井の低さでしょう?

 ワイバーンの体格なら飛ぶこともままならないので楽勝だと思います、陸上で活動するには向いてない種族なので。」


グレーテの意見を聞いた他の皆も「なるほど確かに。」と納得している、そういうものなのだろうか。


確かにワイバーンって飛んでるとこしか見たことないし、周りの皆もそう言ってるならそうなんだろう。


「それとこれは私のワガママなんですが、村の冒険者ギルドで開催する修行の一環としてワイバーンの層を少し貸出していただければと思います。

 ある程度強い個体が安全に狩れるというのは非常に魅力的でして……その際に獲れた肉と素材は全て村に納めますし。」


グレーテにとってはむしろそっちが本音だな?


「その話はドワーフ族にも有難い、さっき話に出た試作段階の鉄で鍛造した武器を使って欲しいんじゃ。

 使用した感想は記入用紙を渡す、それに書いて出してくれればいいんじゃが……どうかの?」


「有難いですね、今は自分で持っている武器を使ってもらっているので喜ばれるはずですよ。」


「言ってくれれば冒険者ギルド用に回したものを、自分の武器を使って鍛錬していた者には好きな武器を渡すと伝えておいてくれ。

 もちろんオレイカルコス製ではないが。」


「いいんですか!?」


「村の施設なのにいいも悪いもないじゃろう、頼ってくれて構わんぞ。」


グレーテは武器が支給されるとは思ってなかったらしく相当喜んでる。


ドワーフ族は仕事が増えて嬉しそうだし……かなり忙しいように見えるんだけどまだ仕事が増えて嬉しいのか。


ちょっと心配になる。


明らかに体調を崩す人が増えてきたら仕事量の調整をしてもらうとしよう、俺もちゃんと全体を見なければな。


せっかく神になったんだし広範囲の状況を見えるスキルがあってもいいと思うんだが……そう言ったのは無いのかな。


今度オホヒルメノムチに聞いてみるとしよう。


『村長、ちょっといい?』


『どうした?』


オホヒルメノムチの事を考えた矢先に向こうから連絡が来た、何という好タイミング。


『その世界を亡ぼす星が迫る方角が特定出来たよ。

 宇宙まで来れるかな?』


『分かった、すぐ行く。』


ちょうど話し合いもほぼほぼ終わったところだし、俺が帰るまでに何か決まればその意見を反映すればいいだけだ。


「皆、ちょっと俺一人で出かけてくる。

 話し合いは解散してもいいし、まだ決めることがあったら続けていてくれ。」


「開様、どちらに行かれるんですか?」


「この世界を亡ぼす星を処理してくる。」


俺がメアリーの質問に答えると、その場にいた全員が静まり雰囲気が一気に重苦しくなった。


「おひとりで大丈夫ですか……?」


「大丈夫だ、俺はまだ新米だが神だぞ。

 それにほかの皆が来ても宇宙空間じゃ何も出来ないと思う、あれはこの星の強さは関係ない場所だからな。」


「そうなのですね、ではご健闘をお祈りしてます。」


「大丈夫だ。

 それじゃちょっと行ってくるよ。」


俺は皆に挨拶をしてオホヒルメノムチの所へ瞬間移動した。


さっさと危険は排除しておきたいしな、頑張るとするか。

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