第295話 ストーンカの生態について知ることが出来た。
俺はドリアードにストーンカの事を聞くために召喚。
「わぷっ……いっつも急なのよ!
声をかけて!」
ナイフとフォークを持ってる状態で尻もちをつくドリアード、召喚は成功したがどうやら食事中だったようだ。
「すまない、しかし離れてる場所でどうやって声をかければいいかなんて教わってないぞ。」
「……そうだっけ。
それでいつも急に召喚されるのね、この世に存在する自然に触れながら頭の中で私に話しかけると頭の中で会話出来るから。」
「分かった、次からそうするよ。」
それは一度試したんだが、自然に触れてなかったのがダメだったのだろう。
そんなことがキーになってるなんて思わないし、だがこれでドリアードといつでも連絡が取れるようになった。
自然があれば、という限定条件下だが……自然が無い場所なんて洋上や上空とかじゃないとほぼあり得ない。
非常に便利な事を教えてもらった。
「それで、何の用事なの?」
「そうだ、パーン族の会合が終わった後の話し合いに呼んでくれって言ったろ。
話し合いは多分行わないからここで何を話したかったか教えてくれ、それとストーンカについてもだ。」
「まぁ木々から色々聞いてるけどね、パーン族はやっぱりやらかしたか……命として守っては来たけど好きな種族じゃなかったのよ。
といっても上位とかいう一部のパーン族だけが嫌いなんだけど……それは村長も一緒か。
まぁそれはいいわ、とりあえず話したかった事とストーンカの事よね。」
流石ドリアード、話さなくても何が起きたかは自然から情報収集をしてくれている。
便利だけど知りたくない事も教えてもらいそうでちょっと怖いと思う、取捨選択出来るなら羨ましい能力ではあるけど。
「コロポックル族が住んでた島の事というのは話してたわよね、あそこには村長が言ってたストーンカが住んでるんだけど……。
あいつらズボラ過ぎて、何時でも食べれるよう島に生息してる動物や魔物を片っ端から巨大化して生態系が滅茶苦茶になってるのよ。
草食動物も多数巨大化してるから草木もすごい勢いで無くなってて……あのままじゃあの島が砂と土と石だけになるのよ、何とかしてくれない?」
「思ったより深刻じゃないか。
帰ったら部隊を編成して向かうことにするよ。」
巨大化したイノシシが居た時は大変だと思ったが、生態系が破壊されるほどだとは思ってなかった。
でもよくよく考えればそうだよな、でかくなったということはそれだけ食べる量が増えるんだし……。
「ドリアード様、ストーンカの生態について何か知ってることはありますか?
私が知るストーンカは狭い場所や島に好んで住むのですが、今回未開の地に現れまして。」
「ストーンカは縄張り意識が物凄いからね、ケンカして飛び出して来たんじゃないかしら?
それで行くアテがなくて未開の地に流れ着いたっていうのが妥当だと思うわ、あいつら泳げるし。」
「え、この図体と手足で泳げるんですか!?」
メアリーが物凄いビックリしてる、俺もその事実には驚いた。
「でもこれでストーンカが何十年かに一回現れる理由が分かったわね、偶然の産物だけど。
とりあえずストーンカは食肉加工まで終わったし、箱に詰め込んで帰りましょうか。」
「ねぇ、ストーンカって美味しいの?」
ドリアードが涎を垂らしながら聞いてくる、そんな卑しい表情はやめなさい。
「食べたことないが美味しいらしいぞ?」
「その量なら宴会も出来るわよね……?」
島の危機を解決しなくていいのだろうか、世界を守る大精霊が完全に欲求に負けている。
「時間を止めてるから品質は保たれてる、まずは島の事が先じゃないか?」
「ぐぬぬ……確かに正論ね。
それじゃ解決するまで待ってるから、早くお願いよ!」
「分かったよ。」
しかしこの大量のストーンカの肉、どうしたものか……。
これって牛肉だよな、こんなに牛肉だけあっても食べるのしんどいし。
待てよ、この世界に来て焼き肉もBBQもしてないな。
……やりたいし食べたい。
宴会も兼ねれるし肉の消費にもなる、元々パーン族のために宴会はするつもりでいたしちょうどいいな。
これだけあっても持て余すだけだし今回の宴会で全部消費してしまおう、宴会をするとき村を訪れていた人はラッキーという事で。
そういえばパーン族に住居を作ってあげてないな、帰ったらすぐ対応してやらないと。
最初は食堂で腹ごしらえしてるだろうから大丈夫だろうが、住むところがないのは可哀想過ぎる。
こっちから村に移動させたんだし、衣食住はきっちり面倒を見てやらないとな。
ストーンカ3体分の肉を箱詰めし終わり、ウーテがその箱を体に括り付けたり持ったりしている……ドラゴンの姿で。
メアリーからの助言で皮を使いバックパックを作って肉を詰め込めばという案も採用して俺達も運んでいる、結構重い。
ドリアードも手伝ってくれようとしたが、俺以外の3人が拒否。
ちょっとしょげていた。
帰っている途中パーン族の里から何か聞こえて来たが無視を決め込むつもりだったが、何やら悲鳴が聞こえる。
「ちょっと見てくるわ、先行ってて。」
シュテフィはバックパックを置いてパーン族の里へ向かって走っていった、シュテフィが行けば何が現れても大丈夫だろう。
シュテフィが背負ってたバックパックは……ドリアードが背負っていた。
そんな鼻をふんすふんす鳴らさなくても取らないから、手伝ってくれてありがとうな。
その後村に到着してストーンカの肉を保管、ドワーフ族が歓喜の声をあげていたが料理はまだ待ってほしいと事情を説明。
それと俺のやりたいことも伝えるとタレを今のうちに考えておいてくれるらしい、流石ドワーフ族だ。
焼き肉のタレの主成分なんて知らないし、ドワーフ族に任せたら前の世界よりいい物が出来るだろう。
それよりパーン族の住居だな、早く対応しないと……そう思い食堂に顔を出すと泣きながら食事をしているパーン族がずらり。
……最後の晩餐みたいな雰囲気だけど、どうしたんだ?
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