第10話 卒業パーティー会場で婚約破棄 2
さて………どうしましょうか?
何故、私が顔も知らない人に嫌がらせをしないといけないのか、教えて欲しいのは私の方なのですが…。
しかも大きな声で話すから、周りから注目浴びてるし…父の方を見ると家族全員居るし。(笑)
あ!入口に見えるのは国王陛下と王妃様よね?それなら行きますわよ!
「まず、ルーベルト様?何か勘違いして居りませんか?」
「勘違い?何に勘違いをする事がある」
「では、私の婚約者は貴方でしたが…間違い御座いませんか?」
「ああそうだ!だが、お前の様な陰険な女とはこの場で婚約解消だ!」
よっしゃ~!釣れたよ簡単だったわ!
父様、母様……お兄様達。取ったど~!言質取った!
私の両親の居る所で、ましてや国王陛下夫妻が居る所で婚約破棄と宣った!
ニッコリと家族席に居る笑みを送る私に、家族全員からサムズアップが返された!
やったわ!
「マリエールにイリア、今のお話しをお聞きになったかしら?」
小声で友二人に確認して二人にニンマリ微笑んだ。
「「ええ、聞いたわ間違いなく」」
「……ありがとう」
「王子様?それは本気で御座いましょうか?」
「本気だ!お前の顔など、見たくもないわ!直ぐこの場から立ち去れ」
「婚約破棄で宜しいのですね?」
「煩い!お前とは婚約破棄だ!」
怒鳴る王子の腕には、自分の腕を絡め私にニヤリと笑う女が居ますが、そんなの知った事ではないですわ。
勝ち誇って居るのかも知れないが、私はそんな男は要らない熨斗を付けて贈ります。
ぜひ貰ってください私に返品は不要です。
「では、私はもう王子様の婚約者では無くなりましたので。今後あなた方に、文句を言われる筋合いは御座いませんね?それではこれで失礼致します」
王子向かい、綺麗にカーテシーをしてその場を退出しようとすると、王子の後ろから来た国王陛下が私に待ったをかけてきた。
何故今さら待てと言うのかしら不思議だわね、
「ま、待てパトリシア嬢…待ってくれぬか?」
「まぁこれは国王陛下、ご機嫌麗しく存じます」
陛下にカーテシーをして頭を下げて挨拶をすると、陛下が私に足止めをしてくるのだけれど…もう用はないわよ?
「ああ、パトリシア嬢そちもの?では無いぞ!どういう事だ?私にも詳しく教えて欲しいのだがな?」
「陛下、詳しくと申されましても。今陛下のご子息であらせられる、ルーベルト王子様に、婚約破棄を言い渡されました。ですから、私からはなにも申し上げる事が御座いませんわ。陛下は私の悲しみが、お分かりになりませんの?」
(聞いてたでしょうに)
「す、すまぬ。だが…何故、こうなった?」
「私にも何が何やら分かりませんわ、?突然ルーベルト王子様に、婚約破棄と言い渡されてしまいましたので。詳しい事は、王子様から直接お伺いくださいませ」
手持ちの扇子で顔を隠し、泣いた振りをし陛下と話していると、お父様が後ろから現れて…またややこしい事になりそうですわね…。
あぁ、卒業パーティー私楽しみにしていたのに。
それに、邪魔された他の生徒の迷惑も考えて下さいな。
「陛下」
「おお!これは、ベルガモット宰相か!如何した?」
「陛下、私の娘に何か御座いましたか?」
お父様が国王と王子を睨み付け詳しい話をと二人に威圧。掛けてる蹴れど…それって不敬に為らないのかしら?
「ベルガモット、少し待て。ルーベルト!そなた、このようにパトリシア嬢を泣かせおって!」
「父上、それは私の愛する、エミリアにパトリシアが嫌がらせを………」
「喧しいわ!何が愛するだ、お前の婚約者はパトリシア嬢だろうが!」
「ですから、今こうして婚約破棄をした所です」
「何を勝ち誇った様な顔をして、馬鹿な事をほざくのだ!この愚息は」
全く、馬鹿な王子だこと。
事の重大さを分からないなんて。
昔から、なにか足りないとは思って居たけど本当に成長もしてない。
何も学ばない馬鹿なままの王子なんだなぁ。
当事者であるのは分かってるのだけれど…お父様や陛下の会話を聞きながらボンヤリと眺めてる私って…壊れてるのかしら?
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