第7話 領地に帰る前の準備 7

 王都の、貴族専用門を出て暫く走ると草原に成り森が見え始める。

 森に入る手前で、馬から降り馬番にした2人をその場に残して森に入る。


「お兄様達、魔力探知の魔法を使いますわ。暫くそこでお待ち下さいませ?」

「…………あ、あぁ任せた(いつ、そんなものを覚えた?)」

「では、サーチ」


 兄達二人小声で、こそこそと話す。

(いつの間に、覚えたのか?相変わらず優秀だな私の妹は……。なぁ、アレク?)

(えぇ、全くです。けれど後で、シアのレベルを確認しませんと………)

(全くだ………何か俺、パトリシアにレベル負けてる気がするのだが………)

(偶然ですね?兄上俺もですよ……)


「「はぁーーーー。」」


 サーチを使って、周りの気配を探知するとここから西に少し行った所で、魔物の気配が引っ掛かった。


 だがその前に、後ろの二人がため息を着いたのが気になったが、まぁ気にしないでスルーしておきましょう。

 後で、色々聞かれても厄介です。


「お兄様達………西の方に、魔物の気配がしますわよ?」

「ん?西だな、アレク先に行くぞ!」

「兄上、待ってくれ。ここは全員で、魔物の居る場所の近くまで行ってから、決めませんか?まだ、魔物が何なのかわからないんだ!」


 猪突猛進な、ヴァンスだ!けれど危ないですわよ兄様!


「えっと………魔物の種類をお知りになりたいの?確認しましたが、オークと他の魔物みたいですわよ?」

「オークだと?何故こんな浅い場所にオークなどまぁ良い・・・他の魔物も気になるな?それなら全員でオークの近くまで行こう、パトリシア気を付けるんだぞ!」

「それでした、らもう少し近くまで行ったら、魔法を使いませんこと?」

「何の………魔法だパトリシア」

「え?認識疎外の魔法ですけれど?」 


 それが普通では、ないのですか?と首を傾げる。


「シア………(滑稽無稽ダロそれは!)」

「わ、分かった!さて行くぞ!」


 全員で森の獣道を、歩いて行くと段々魔物の気配がわかってきた。


「お兄様ストップ!オークがこの先に居ますわ。ですからここで魔法を掛けますわ『ステスル!(認識阻害)』これなら平気ですが……気を付けて下さいましね」

「あぁ……分かった、ありがとうパトリシア、それで……魔物は何処にいる?」

「この先4mぐらいの先に、広い場所がありますわ。そこに、どうやらいる様ですわ」

「そうか、なら近づくのにも警戒が必要だな。おい!ルド先に様子だけでも、伺って来れるか?」


 ヴァンスお兄様が、護衛のルドに命令をすると。 

「分かりました。暫くお待ちを………」


 と言い、近くの木に登り姿を消す。


「アレク、お前回り込めるか?」

「いや、取り敢えずルドを待ってからだ。兄上」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る