第8話 領地に帰る前の準備 8

暫くすると、様子を見に行ったルドが戻り報告を始める。


「ヴァンス様、戻りました。が……あれはヤバいですぜ!」

「どうした?」

「オークの上位種が居ましたぜ!オークキングと、ゴブリンメイジ、アーチャーが……」

「な、何だと!数はどれくらいだ?」


 数ねぇ………どれどれ??


「お兄様、全部で30匹居ますわ」


 まぁ、居るわな……凄い!奥にも居そうねぇ?


「さ、30匹だと!だが、放ってはおけぬな。ここから王都までは近い!全て、仕留めておかなければ、民に被害が出る恐れがあるぞ」

「そうだな、ならばどうするか……?」

「殺るんですかい?」


 ルドが、若干引き気味で聞くが……兄達は引かぬ様ですわね?

 流石兄様だ!(格好いいですわ)キュンて、しちゃいますわよ!

 ですが皆さん!色々考えているけれど何か忘れてませんか……私を?


「お兄様達!私を忘れて、おりませんか?」

「パ、パトリシアそうだったな。お前ならどうする?」

「そうですわね………?」


 少し考えて、思い付いた事を口にする。


「ならば私の結界……シールドを、張って逃げられない様にしてから、この煙玉を使いますわ」

「結界?煙玉?お前………それ何処から出した?」

「あ!」


 手を口に当てて黙る。

 ヤバ忘れてたわ………。


「あ!じゃない、シアお前また。学園で実験してたな!」


 何故バレた?さすがはアレクお兄様ですわ!


「オホホ。ま、まぁ……アレクお兄様その事は後程……ね?」

「全く…仕方ない。で、それは?」


 よし!交わせた………かな?


「あぁ~、これ煙が出るんですよの?眠くなる煙が出ますわ。投げ入れてから4~5分で、煙が消えて中に居る魔物が眠るはずですわ」ニコ


 体に優しい煙なので眠るだけですわ。ウフフ!


「「「お嬢!凄い」」流石」



 護衛の二人から、何故か絶賛されましたが?

 何故??

 ………あ!欲しいんだ?(笑)



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