第9話 領地に帰る前の準備 9

「攻撃魔法で、一気に方を付けても良いのですが……攻撃魔法だと肉が傷むので、オークの肉が食べれません。ですので、煙玉が一番効率的ですわ!護衛の皆さん、トドメ宜しくお願いしますわね」ニコリ

「お……お嬢、えげつない!」

「シア、お前……ストレス貯まってるんだな?」

「アレクお兄様?当たり前ですわよ」フフフ。

「……怖いからやめろその笑い!」

「アレクお兄様失礼です!ねっ?ヴァンスお兄様」

「ん?あ、あぁなんだ?」

「ヴァンスお兄様?今、何か良からぬ事を考えて、居りませんでしたか?」

「いや………考えて無いぞ、俺の妹は凄いと思っただけだ。さぁ手順が決まったなら、パトリシア頼む」


 全くもうお兄様ったら、後で何を考えてたのか聞かないと!


「では………もう少し先に進んで、行きませんと」


 オーク達が潜む、場所の手前の茂みの中で小声で合図する。


「それでは、始めますわよ?シールド!そして……」


 シールドを張り、自分の腕を突っ込んで煙玉を三個投げ入れた。

 煙と言っても薄い煙なので結界の中はよく見える。

 その様子を見た、全員が結界の中の様子を眺めて遠い目をする。

 結界の中に居る魔物が、バタバタと倒れて行くのが分かって、端から見てると楽しい。

 イヤー楽ですわ、一網打尽ですよ。(ピース!)


「パトリシアこれで後は………4~5分待てば良いのか?」

「えぇ……楽ですわね?ヴァンスお兄様でも油断は禁物ですわよ。中には、この煙が余り効かない魔物が居るかも知れませんもの」

「そうだな、油断大敵だな。しかし暇だ……」

「フフフ、アレクお兄様、油断大敵ですわよ!」


 ほら!と、アレクの後ろにポイズンスライムが迫って来ていたので、サンダーで消滅させた。


「ジュッ!」とアレクの後ろで音がした。

何かが蒸発した音がしたので、アレクがビクリとする。


「おぉ……スライムか!すまん油断してた」

「……ですわよ?アレクお兄様ですが……まだいますわよ?邪魔くさいですわね」


 邪魔くさいと、言っていたら護衛の二人が任せろと言ってくる。


「スライムなら、私達に任せて下さい」

「そうですか?ならお願いしますが……直ぐに戻って下さいね」

「「「分かりました」」」

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