第41話 約束の

 お父様が三人に、再度意思確認をします。


「お前達三人には、被害が無かったから報告をしなかった。そう考えて良いのだな?」

「も、申し訳御座いません。旦那様の仰る通りでございます」

「「「お嬢様、大変申し訳御座いませんでした」」」

 

 そう、三人が私に謝ってきますが………。    

 なんなのでしょうか?謝って貰ってるけれど……伝わってこないのよね?なんだっけ……こういう言葉……?

 あぁ、誠意がないのよ!あ~スッキリ!ムカつくわね!

 はぁ~この人達は……私をなんだと思ってるのかしらね?この際ですから、時間を取って一度ちゃんとお話を聞きたいわね。


「「「は、はい。申し訳御座いません」」重々申し訳………」


 すると、執務室の扉がノックされ誰かが部屋に入って来る。


「失礼、父上。おや?どうしましたか?執事が三人揃ってパトリシアに……?」


 まぁ、腰を折って謝る姿を見れば驚くわよね?


「ヴァンス様!」

「マルス、どうした?」

「い、いえ………」


 まぁ、言えないわよね?フフフ!


「どうした、マルス」

「ヴァンス、どうした。何か?」

「ああ、父上……あの」

「お兄様、マルスに聞くと良いですわよ?フフフ。教えて貰えると思いますから?ねえマルス!」


 フン!怒られろ!


「お、お嬢様………申し訳御座いません」


 そのマルスの謝りを、無視してお父様に話し掛ける。


「お父様、私はこれで。先程の、お話しはお願いしますわ?」

「ああ。サロンに、お前と居れば良いのだろ。だが、そろそろ昼時だね?一緒に食堂に行くかい?」

「ええ、でしたらそうしますわ。グレンお願い」

「畏まりました」

「ああ、ヴァンス!お前達は適当にな?」

「………はぁ?」

「クレオ!」

「は、はい!」

「行くぞ!」


 お父様が珍しく低い声でクレオを呼ぶ。


 そして、食事を終わらせるとサロンに異動する。

 ……と、先客が…いました。

 アレクお兄様……これは、どうしましょう!ノーカウントでした。

 どうしてこうタイミングの良い…。


「おや、父上にパトリシア。お茶ですか?」

「ええ、お兄様そうですのよ」

「お前もか?アレク」

「ええそうですが……どうかしましたか?」

 お兄様の問いに適当に答えてソファーにお父様と座る。

「何でもないぞ」

「そうですか……?」

 アレクおに様が居るのは計算外でしたが…もう仕方ありませわね?

 そろそろクレマンド殿下が来る頃ですもの。

 食後のお茶を飲みながら、ぼんやりと考えているとグレンが側に来て話し掛けてくる。


「お嬢様」

「なに?グレン」

「クレマンド殿下が、お越しですが?いかが致しますか?」

「あら、そうなの?お父様お通ししても、よろしいかしら?」

「ああ、構わんよ。アレク」

「なんですか、父上?」

「お前は、下がってくれ」

「はぁ、なんでですか?」

「お前がいると話が進まん!」

「そんな、父上!私も同席しますよ!どうせパトリシアの事でしょう?」


 言い出したら、利かないわねぇ~お兄様は?


「………仕方ない。だがお前の発言権はないからな!黙ってろよ」

「………分かりました。チッ!」

「お前は!」


 舌打ちしたわ、お兄様……お父様に失礼よ。


「まぁ、お父様。お待たせしてますから、それは後ほどになさっては?」

「そ、そうだな!グレンお通ししろ」

「承知致しました。お待ちくださいませ」


 グレンがお辞儀をして、サロンからでるとクレマンド殿下と、側近のトリマンを従えて入って来た。

 ちゃんと昨日の約束は、守ってくれたようね?


「やあ、皆さんお揃いで。ごきげんようガウル殿。時間を作って貰って申し訳ない。パトリシア嬢も夕べはありがとう。約束通り時間を作ってもらってすまないね」

「いえ、構いませんわよ。私こそ、申し訳けありませんでしたわ?」


 少し言い過ぎたもの………。


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