第33話 領地へ さて、事情を聞きますわね?
ルトに野菜を渡していたら、クレマンド殿下がビックリしたようで声を上げた!
「パ、パトリシア嬢?その、魔獣は何処から……」
「……魔獣ですか?どこにいますの?」
そんなもの、いないわよ?
「い、居るではないかそこに!」
とルトをクレマンド殿下が指をさした。
失礼な!
「殿下、ルトは私の従魔ですよの?」
「従魔か?そ、そうなのか……安全なのだな?」
「なにが、ですの?」
「いや、人を襲うとか?」
「この、小さな子がですか?」
「あぁ、そうだ」
「私達がこの子に危害を加えれば、まぁ~襲って来るとは思いますが。私は人間の方が怖いですわ。ほらこれ、これは人間がもたらした物のですわよ?」
テーブルに小さな袋を置いた。
「これは?」
「これですの?これはアレクお兄様が、クレマンド様から預かった物のと、お聞きしましたが?お忘れですか?」
「………ああ、そういえば預けたか?」
そう言って、手をポンと叩く。
「まぁ!案外王子様って呑気ですのね?フフフ」
以外だわ呑気なのか?演技なのかが分からないけれど。
「ま、そうかな?ハハハ、耳が痛いね。パトリシア嬢」
フフフ、案外頭の回転が良いのね?
そんな話をしていたら突然話に割って、入って来る人物がいた。殿下の後ろに控えて居た側近だった。何故そこに居るのかな?座れば良いのに?ここには危険人物は、居ないわよ貴方以外はね?
「おい、そこの女!殿下に無礼だ!立場を弁えろ!」
「はぁ、また貴方ですか?確かケレスさん?でしたか?」
「無礼だぞ!私を誰だと思っているのだ!!」
「知りませんわよ。では、お聞き致しますがよろしくて?」
「な、なんだ!」
「貴方のその態度は無礼ではないのすか?
それに、貴方も私達の事を知りませんわよね?
私達を知らないのなら私達も貴方など、知りませんわよ?当たり前の事を言わないで、下さいませんか?」
「う!グググッ!!」
あらら、悔しがる癖に正論言われると黙るのねぇ~?
あぁ~ぁ、楽しい食事の時間なのに!何ぶち壊してくれるのかしら?何が楽しくて、貴方なんかと話さないと行けないのかしらね?
ほら周りの皆さんが此方を注目してしまったわよ?
「す、すまんパトリシア嬢、部下が失礼を」
「いいえ、大丈夫ですわ?ですがこの方と、お話をしても宜しいですか。殿下?」
「あぁ、構わんよ。私も聞きたいのでな」
「それは、ありがとうございます。さて、ケレス様でしたか?」
「………」
あら、本当に都合が悪くなると黙るのね?
「話を続けますわよケレス様?貴方、これを御存だったわね?」
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