第15話 鑑定開始

「ちょっと話がね……、あるのだよギルマンにベルク。まぁ、私は付き添いだけどね」

「はぁ~?ま、まぁ、お座り下さい。すぐに何か飲み物を用意……」

「ベルク?大丈夫ですわよ?それより話があるのよ。座ってくれないかしら?」

「は、はい。分かりました」

「ギルマンもここに」


 二人に、指をさして対面へ座って欲しいと頼む。


「それで、どうかしましたか。お嬢様?」

「ええ、先ほど畑の方で騒ぎになったの知ってるかしら?」

「ええ、なんだか騒がしくして居りましたね?兵士が数人呼び出されたようですが………?」

「実は騒ぎの原因が、庭師の怠慢でね………(説明中)…………。パトリシアが鑑定して、奴らの身元がわかってな?」

「そうでしたか、で?ここに来たのは?」

「兵士で新しく雇った者の中に、不審者が居ますのよ?」


 ギルマン達に、お父様から預かった名前が記してあるリストを見せる。

 

 名前で鑑定出来たので、新米兵士150人の中に15人だけが怪しいと分かったので、15人を城の牢へ連れて行くように言うが……。


「ギルマン、この15人なのだけれどね?」

「ああ、その15人でしたか!」

「え?何かあったの?」

「ありましたよ。なぁ~?ベルク!」

「ええ、酷い者ですね?」

「へぇ~?流石パトリシアだ。こんな事に成るなら、パトリシアに雇用を任せた方が早かったねぇ~?」

「私も、後悔してますわよ?叔父様……。ヴァンスお兄様に、お任せしたのが……申し訳なくて」

「ま、まぁ、ヴァンスだけではなくて、私も居たから何とも言えないがね……?パトリシア、君を呼ぶべきだったよ」


 あの門を通って来たからね、油断してたよ。


「今さら仕方ありませんわよ?叔父様?」


 入られてしまったのだから……。


「まぁ、そうだねぇ~。出所を何とかしないとだからねぇ~。頭が痛いよ」


 その通りですわよ?叔父様!是非何とかしてください!

 なんなら、あの屋敷から一歩も出れないようにしてやりたいわ!


「で、どうされますか?」

「え?あぁそうでしたわね?叔父様どうしますか?」

「そうだねぇ~?パトリシア、あと何人居るんだい?」

「ええっと……少しお待ちになって下さいませ」


 預かったリストをペラペラと、捲って名前が赤く光るのを、確認していくと………分かったわ。


(う~ん謎機能だわぁ……何故?名前だけで鑑定出来るのかしらねぇ~突っ込まれても答えられないので、聞かないで下さいませ?)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る